【解説】今野一哉プロ
千葉出身。ツアー挑戦後、アマチュアレッスンに専念。ギアにも精通。ボウタイスタイルがトレードマーク。36歳
ヘッドスピードがグンッと上がる、嘘みたいな「3本の棒」
重さ違いの3本セットで発売している『スーパースピードゴルフ』。フィル・ミケルソンや松山英樹も練習器具として取り入れている。
シャフトの中心よりも前に重心があるから「インパクトを意識してスピードアップできる」
「いちばん“軽”いグリーン棒はスピードアップに直結し、“中”のブルー棒は実際のクラブの重さに近いので、タイミングのすり合わせに重要。そして、“重い”レッド棒は負荷をかけてパワーをつけるのに最適です。ヘッド無しのシャフトでもいいかなと思ったのですが、スーパースピードゴルフを振ってみてわかりました。これはシャフトの中心よりも前に重心があるので、インパクトを意識しやすいんです。ただやみくもに速く振るのではなく、インパクトを意識したスピードアップ、これが大事なんです」と今野プロ。
本当に今野プロのヘッドスピードは上がるのか、試してもらった。
SuperSpeed Golf(スーパースピードゴルフ)
ヘッド素材:ステンレス
長さ:45インチ
【スタンダードtype】イエロー:225g/グリーン:255g/ブルー:290g
【アスリートtype】グリーン:255g/ブルー:290g/レッド:335g
シャフト:専用カーボン
グリップ:オリジナルグリップ
価格:28,080円(税込)
軽→中→重の順に振り、実際にヘッドスピードが上がるかを実験
まずは普通にドライバーを打ってもらい、今野プロにヘッドスピードを計測してもらった。
今野 今回はヘッドスピードを測るだけなので、強めに振ってみました。ヘッドスピードは52.3m/s。まぁまぁの数値だと思います。
では実際に軽・中・重の順にスーパースピードゴルフを振ってもらおう
今野 多くのアマチュアは「当てよう」として、インパクト周辺で減速してしまうのです。それはプロも同じで、プレッシャーのかかる状況では、ちゃんと当てたい、そんな意識が働き振り切れなくなることもあります。するとヘッドスピードも減速し、飛距離も望めなくなります。
今野 その点、このスーパースピードゴルフは、当てに行くという意識はなくなります。しかしながら、重心は先端にあるのでインパクトイメージを失うことなく、クラブを振っているように違和感なく振り切ることができます。
それぞれのヘッドスピードは軽54.2m/s、中53.4m/s、重48.7m/s。3回ずつ素振りをした後に、再度ドライバーを振ってみると…なんと今野プロのヘッドスピードは52.3m/sから54.1m/sに上がった!!
↓↓結果、ヘッドスピードは『1.8m/s』上がっていた↓↓
今野 軽い棒から重い棒を振ることで、体にスピード感を覚えさせることができたのが、ヘッドスピードアップの要因だと思います。また、当てに行かず、フィニッシュまでしっかり振り切るイメージができたことも大きいですね。継続的に素振りを続けると飛距離アップはもちろん、筋力トレーニングとしても最適だと思います。
ミケルソン的素振りは、通常と逆の『重→軽』
フィル・ミケルソンもこのスーパースピードゴルフを使っていると前述したが、使い方が少し違うようだ。通常は「軽→重」の順を推奨しているのだが、ミケルソンは「重→軽」の順で使っているという。
重い棒を振った後に、軽い棒をビュンビュン振ると『まだまだ速く振れる』と脳と体が認識して、実際のスウィングでも体の動きが早くなり、振り切れるようになるからだと言う。
今野 半信半疑ながら、ミケルソン流も試してみました。印象としては、「体力のある方にはおすすめ!」ということ。やはり、重いものをいきなり速く振ろうとするのは、体を壊す原因にもなりますから。やるなら、ゆっくり大きな弧を描きながら体のストレッチという意識でスタートし、徐々にスピードアップしていくと効果的です。
【HSが上がる素振り①】ビハインド・ザ・ボールを徹底
【HSが上がる素振り②】同じスピードで行って(フォロー)帰ってくる(トップ)連続素振り
今野 重い棒を振っていて気づいたのですが、大振りすると、速く振れないことが分かり、だんだんとトップも正しい位置に収まってきます。さらに、重心距離がないので、トウダウンしません。つまり、イメージしたところにシャフト軌道を運ぶことができるようになるのです。これはショートアイアンなどのミート率アップにもつながりますね。
正しいトップ位置に収まる
【HSが上がる素振り③】『軽』い棒で左足を上げて勢いをつけて振り、速度リミッターを外す
今野 軽い棒で素振りをするときですが、腕だけで速く振ろうとするのでなく、体全体を使って思いっきり振ることが大事です。野球のバッティングのように、振り上げると同時に右側に体重を移動し、振り下ろすときにしっかり左足に乗っていく。左足1本で立つくらい極端にやってもいいくらいです。重い棒を振った後はとくに、腕だけで振りがちですので注意が必要です。
今野 「ヘッドスピードアップ」はもちろんですが、付加価値もあることがわかりました。「軌道の修正」、「ショートアイアンのミート率アップ」、「アッパーブローの防止」、「フォローへの加速」、「筋力アップ」など。こういう練習器具はやはり試してみないとわからないものですね。私もアマチュアのレッスンに積極的に取り入れていこうと思います。