飛距離:250~260Y
球筋:ドローボール
得意技:低いピッチ&ラン
ゴルフ歴:30年
主な戦績:平成30年関東倶楽部対抗予選6位
メンタル:負けず嫌い
コースを選んだ理由:何度も回りたいと思わせてくれるから
ナイスショットが報われるフェアな18ホール
名匠・井上誠一が遺した数々の名コースのなかでも、代表作のひとつといえる龍ヶ崎CC。「私にとって、龍ヶ崎のメンバーになることは憧れでした。35歳のときにその夢を叶え、昨年のクラブ選手権でようやく、タイトルを獲ることができたんです」と、川崎さんは感慨深げに語る。
29歳でメンバーになった江戸崎カントリー倶楽部では、2002年から8年連続を含む、9度のクラチャンに輝いた実力の持ち主だ。
川崎 井上誠一さんが設計したコースが好きなんです。土浦市でゴルフショップを経営しているので、大洗GCと迷ったんですが、18ホールの難易度のバランスが優れ、ナイスショットが必ず報われるフェアな龍ヶ崎CCに心を惹かれたんです。
川崎さんに龍ヶ崎CCでもっとも好きなホールを訪ねると──。
川崎 やっぱり、インのスタートホールの10番パー4ですね。このホールの秀逸さは、ティーイングエリアに立っただけでわかります。
10番ホールは龍ヶ崎クラチャンへの登竜門。「ミスを恐れず正面の丘の上にドローが打てるか」
ティショットは打ち下ろしになるが、フェアウェイは正面と右サイドの丘に立つ高い樹木に挟まれた間にあり、S字状にゆるやかにカーブしている。
川崎 2つのグリーンは、右側のグリーンがメインなので、ティショットは正面の林を越えて斜面から転がし落として、フェアウェイの左サイドに置かないと、右の丘と林がスタイミーになって、グリーンを狙えないんです。ティに立つと木と木の隙間から、グリーンまでの状況が見えます。いや、意図的に見せているんですね。
【10番ホール・419Y・P4】
川崎さんの260Yドロースウィング
川崎 クラブを立ててアウトサイドインのイメージです。7000ヤード超の戦略コースを攻略するには、飛距離も正確さも大事。ダウンスウィングでクラブが寝る悪い癖が出ないようにクラブを立てるイメージでドローを打ちます。
設計した井上誠一は、この10番ホールの攻略法について、「ティショットはドローで攻め、2打目はフェードで攻める以外に、このホールを攻略する術はない」と語ったという。
川崎 こういう球筋で、こう攻めていきなさいと、ティに立った瞬間に、コースが語りかけてくるんです。よく「コースと会話する」などと言いますが、この10番ホールはそれを見事に表現した、龍ヶ崎CCを象徴するホールだと思います。
龍ヶ崎CCのドライバー技術① トップもフィニッシュも高く大きく
龍ヶ崎CCのドライバー技術② スタンスとティの高さで高低を打ち分け
川崎 10番のティショットでは林を超えるハイドローが必要。高い球を打ちたいときは、普段よりもティを高くして、スタンス幅を広げてアドレス。低い球を打ちたいときはティを低くセットし、スタンス幅を狭くします。
龍ヶ崎CCのドライバー技術③ 手首をほどかずレベルブローで高い球
川崎 自分で上げようとすると、下からあおるようなスウィングになります。左肩が上がって、アーリーリリースになり、様々なミスが出てしまうので、手首のタメをキープしたまま、レベルに振り抜きます。
龍ヶ崎CCのドライバー技術④ 高い球を打つときもロフト通りにインパクト
10番を挟んだ3ホールは龍ヶ崎のアーメンコーナー。「9番と11番は何が何でもバンカーを避けます」
川崎 龍ヶ崎を象徴する10番ホールを挟んだ、9番から11番までの3ホールは「龍ヶ崎のアーメンコーナー」と呼んでいる難関です。実際、井上誠一さんはこの3ホールを「プロのリズムを崩すように造った」と解説したと聞きます。
9番と11番のパー4は、50ヤード幅の深い谷がフェアウェイを横切るレイアウトのホール。もとからあった自然な谷の地形をそのまま活かした、戦略性の高いホールとなっている。
11番は左足下がりになってもドライバーで攻めるか、バンカーの手前に刻むか
【11番ホール・414Y・P4】
フルバックから260ヤード付近から窪んだ谷がある。その手前のフェアウェイバンカーまでは250ヤード前後。刻んだティショットを左右のバンカーに入れるのが最もやってはいけない攻め方で、谷越えのバンカーショットになるため、少しのミスがダボにつながるという。
川崎 ドライバーで打つと谷の入口で左足下がりになりますが、距離が短く花道も広いので、低い球で手前から転がして乗せられます。
川崎 ドライバーで谷まで打てば、2打目の距離は短くなりますが、左足下がりの斜面にボールが止まりやすく、グリーン面も見えません。フェアウェイウッドやUTで谷の手前に刻めば、2打目はグリーン面が見えますが、長い距離を正確に打つ技術が要求されます。
果敢に攻めるなら前者、セーフティなら後者。プレーヤーはこの2ルートの選択を迫られる。川崎さんの場合は前者の戦略が多いそうだ。
龍ヶ崎CCの左足下がり技術① ボール位置は顔の真下。左足に重心をかける
川崎 左足に体重を多めにかけて、斜面なりに構えます。ボールはスタンスの真ん中よりやや右寄り、ちょうど顔の真下ぐらいに置くと、クリーンに打ちやすいです。
龍ヶ崎CCの左足下がり技術② カット軌道でミスを防ぐ
川崎 谷の手前のフェアウェイは左右のバンカーで狭く絞られていて、レイアップするにも距離と方向性を正確にコントロールしなくてはいけません。特に、11番の谷の手前にある右バンカーは、前方のアゴの高さが絶妙なんです。
ライが良ければ、グリーンに届くクラブで打てるが、アゴをギリギリでクリアできる球の高さしか出せないのだという。
川崎 ティショットを刻んでミスするとダボも出ますが、思い切って谷まで打てば、ライは厳しいですが、パーは取りやすいし、上手く打てればバーディのチャンスもある。以前は刻むことが多かったのですが、いまはドライバーで攻めます。
11Hの攻略バリエーション 乗らなくてもピッチ&ランできる場所へ
川崎 龍ヶ崎CCは、11番だけでなく砲台グリーンが多いですが、ピンに近いサイドに外さなければ、ピッチ&ラン(写真右)で対応できます。いちばんやさしくて確率も高いですよ。
9番もセカンド地点に深い谷。ドライバーで攻めて平らな谷底から狙うのもアリ
9番ホール・432Y・P4
ティショット230ヤードで窪地(谷)につかまる。刻んでも残り160~180ヤードのセカンドが待っている。
川崎 アウトの最終でアーメンコーナーのスタート、9番ホールは230ヤード地点からが谷です。ドライバーで谷を狙って飛ばしていけば、グリーン面はまったく見えませんが、谷底の平らなライからショートアイアンで届きます。目標方向をしっかり確認して打っていけばナイスオンもあります、これも攻略法のひとつです。
川崎 9番もやってはいけないのが、左右のフェアウェイバンカーに入れてしまうこと。アゴの高さが絶妙で、2打目でアゴに当たって谷底へ、というパターンだけは避けたいです。
龍ヶ崎CCのバンカー技術 入れてしまったら腰を落として確実に出す
龍ヶ崎CCには120個のバンカーがある。グリーン周りのガードバンカーは「アリソンバンカー」と言いたくなるアゴの深いモノが多い。
川崎 高く上げるバンカーショットは、フェースを開いて重心を低く下げて構えます。フラットでゆるやかな軌道で振ることで、球がフワッと上がって、グリーンに止められます。
【龍ヶ崎CCのクラチャン、川崎さんの14本】
1W:フォーティーンCT-518
3W:フォーティーンCF-218
5W:フォーティーンCF-218
3I: フォーティーンTYPE7
4I-PW:フォーティーンTC920フォージド
52度:フォーティーンFHフォージド
58度:フォーティーン フォージド
PT:グリッドデザイン
川崎 多彩なショットと緻密な戦略が要求されるこのコースは、14本すべてを使います。それだけにゴルフの奥深さを教えてくれます。そのコースでクラチャンになれたことは、私にとって一生の誇りです。
龍ヶ崎カントリー倶楽部
茨城県龍ヶ崎市泉町2080 ☎0297- 62-2611
開場日:昭和33年11月3日
コース:18H/7047Y/P72
設計:井上誠一
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月刊GD2019年6月号より