青木功、「自分のゴルフをするしかないんだよ。それ以上のものを望んでもしょうがないし、自分の持っている力を一試合一試合出していくことしかないね。例えば3日目、尾崎兄弟とまわって、直道、ジャンボともにオレをオーバードライブするんだ。昔なら、オレもひとつ、とやるところなんだが、それをやると、それはオレのゴルフじゃないんだよ」

距離は短いが、短いなりに難しい

画像: ティショットを待つ青木と尾崎

ティショットを待つ青木と尾崎

【ゴルフコースの評価基準】
ゴルフコースを評価する「7つ」の項目がある。①ショットバリュー、②難易度、③デザイン・バランス、④ホールの印象、⑤景観の美しさ、⑥コンディション、⑦伝統・雰囲気。この7項目は米国ゴルフダイジェスト、ゴルフマガジンが発表するランキングの評価基準にもなっている。当コラム【伝説の名勝負。ヒーローの足跡】は、このコースでどのような「歴史」が作られ、「公式競技」を開催したかを掘り起こすことで、「伝統と雰囲気」をみるものです。

札幌とうきゅうトーナメント以来、左ひじに痛みがあった。冷えると痛む。2日目、左ひじにサポーターを巻き、ひじが冷えないようにした。

「ひじは痛いことは確かだ。しかし、優勝するチャンスがそこにあるというのに、ひじが痛いからなんて言っていられないよ。気にしたら気になるよ。でも考えようによっては、左ひじが痛くなるようなスウィングというのはインパクト、フォローで左ひじが伸びて、振り抜いているということなんだ。痛みはいつかとれるし、痛みがとれた時は、良いスウィングをしているよ」

今の自分、今のゴルフ。

「良いスウィングをしているんだ、良いゴルフをしているんだと自分に言い聞かせて、そして自分自身に厳しくすることだ。だから我慢ができるんだ。苦しい時はみんな苦しい。トップに立てば立ったで追われる苦しみがある。追うほうは楽だからといって、スコアを落とすこともできなしね」

画像: つま先上がりのヘビィラフからショットを放つ

つま先上がりのヘビィラフからショットを放つ

青木の父親、治作さんが、この日も青木とともにラウンドした。治作さんは言う――優勝したことは、もちろんうれしい。でも、なによりも、ジッと我慢してチャンスを待つ、そしてモノにするという気持ちがなんといってもうれしい。ゴルフを捨てない気持ちを功が身につけたことがうれしい――。

「4日間60台、ボギーが全部で5つ。まあまあだね。このコースは短いけど、短いなりに難しいんだよ。それに一緒にまわっている人のペースで自分のペースがくずれることもあるからね」

画像1: 距離は短いが、短いなりに難しい

最終日の1番ホール(343メートル、パー4)尾崎は2メートルにオン、青木は10メートル、この青木のパットが入ってしまった。それをみた尾崎が入らず。

「あんなパットがは入ると、やっぱりド肝を抜かれるんだな。『よく入ったな』、なんて思いながらパットするだろう。他のことが頭に入っているから、外すんだよ」

画像: ロングパットにも冴えを見せた

ロングパットにも冴えを見せた

3日目、11アンダーでトップに立った中嶋常幸。最終日も順調にスコアを伸ばし、青木とシーソーゲームを展開。大会会長の中村寅吉プロは、――中嶋は攻めのゴルフに入っている。逆に青木は守りのプレーをしている。私は、青木に分があると思うね。守っている時に、チャンスがくれば、続けてチャンスがくる。攻めていると、ひとつのミスが、後に影響を持つからね――

「1、2番バーディで出て、そのあとバーディチャンスが4ホール続いたんだが、入らない。でも、短いのが入らないんだから長いのが入るだろうと思っていたら、12番で8メートルが入るだろ、そんなもんなんだよ。入らないからってくさってたんじゃ、しょうがないからね」

画像: 尾崎はスコアを伸ばせず

尾崎はスコアを伸ばせず

14アンダーで並んだ14番、中嶋は8メートルを3パット。続いて15番のロング(480メートル)もバーディがとれず、17番1メートルも入らず。

青木は中嶋のプレーを解説する。

「あの3パットがなければ、15番もとってくるし、17番も入れているよ。常幸は、14アンダーを目標にしていたと思うんだ。14アンダーさえ出しておけばと考えていて、3パットしたろ。あれで、気持ちにあせりが出たんだな。オレは優勝スコアは15アンダーだと思っていて、15アンダーが出た途端(15番)ホッと安心したんだろうなあ、16番でボギー打っちゃったからね。オレの場合はそれはそれでしょうがねえと思う方だし、後の方まで影響しないだけいいんだ。中嶋も最後まで攻める気持ちがあらわれていたからね、そういう時期は、オレにもあったし、大切なことだよね」

画像: 中嶋も痛恨の3パットで流れを作れず

中嶋も痛恨の3パットで流れを作れず

今季4勝目、関東プロも4勝を数える。賞金額は2位尾崎に2千万円の差をつけている。

「調子がいい、悪いというのはある。体も生身の体だし疲れもあるんだ。しかし、出場したからには、なんとかしたいし、自分のベストをつくすしかないんだよ。例えば、日本プロマッチ、関東プロをとったよね、だから日本オープンに焦点を合わせて勝てればいいよ。ゴルフってそんなもんじゃないんだよ。ひとつひとつベストを尽くしていて、チャンスがくるもんなんだがな。狙っている試合の一週間前から練習して勝てることは絶対ないからね」

画像2: 距離は短いが、短いなりに難しい

「ベストでプレーしていれば、自分自身で勝てそうなムードにもなっていく。そのムードでプレーする。自分のペースが守れてくるんだよ。もともと、ティでどうしてこうしてって考えるタイプじゃないし、その場で考える方だからね。マイペースでプレーできれば、それなりの結果がでてくる」

10月、英国で行われるコルゲートマッチプレーに出場するという。

「チャンスがある時に生かさなければ…」という。

青木ゴルフは日本での試合同様、チャンスを生かし、海外の試合にも意欲を見せる。「勝てるだけ勝ちたい」と最後に青木は締めくくった。36歳、今年が干支。新しく、青木の歴史が刻まれつつある。

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(週刊ゴルフダイジェスト1978年8月23日号)

【1978年関東プロ選手権結果】

新千葉CC/6094メートル/パー72
1位 ‐14 青木功(日本電建)
2位 ‐13 中嶋常幸(美津濃)
3位 ‐10 横島由一(JUN)
4位  ‐9 波多野修(嵐山)
5位  ‐8 金井清一(パレス)
6位  ‐7 草壁政治(紫)
6位  ‐7 尾崎将司(日東興業)
8位  ‐6 謝敏男(紫塚)
9位  ‐5 中川泰一(フリー)
9位  ‐5 山田健一(東京興産)
9位  ‐5 竹安孝博(フリー)

新千葉カントリー倶楽部
千葉県東金市家之子2177
TEL 0475‐52‐4341
あさぎり/7025ヤード/パー72
つくも/6481ヤード/パー72
たちばな/6220ヤード/パー72
コースタイプ/丘陵コース
グリーン/コーライとベントの2グリーン
設計/上田治
練習場/230ヤード
加盟連盟/JGA、KGA
会員権/預託金制で譲渡可
開場/1970年
最寄りIC/千葉東金道路・東金ICから10キロ
最寄り駅/JR外房線・大網駅、JR東金線・東金駅
公式ホームページ

現在の新千葉カントリー倶楽部

画像: 新千葉カントリー倶楽部 上田治設計(あさぎり・つくも・たちばなの54ホール)

新千葉カントリー倶楽部 上田治設計(あさぎり・つくも・たちばなの54ホール)

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