回ったコースは210以上。西那須野が技術をいちばん試されます
令和元年クラブチャンピオン
田村次郎さん/59歳
飛距離:250~260ヤード
球筋:フェード系
得意技:アプローチ
ゴルフ歴:35年
メンバー歴:7年
フェアウェイもラフも洋芝、光と影の魔術師R・V・ヘギー設計
年に一度、チョイス誌が発表する「日本のベスト100コース」で、西那須野カントリー倶楽部はトップ10につづく「セカンド20」にランクインしている。
世界で200コース以上を手掛けた名匠ロバート・ボン・ヘギー設計による北関東を代表するコースだ。
そして、今年、記念すべき令和初のクラブチャンピオンに輝いたのが田村次郎さん。
田村 メンバーになった年とその翌年にクラブ選手権を連覇することができ、今年が6年ぶりの優勝になりました。戦略性が高く、自分の技術が試されるこの西那須野で、3回もクラチャンになれて本当にうれしいです。
コースを象徴するようなホールを尋ねると、
名物ホール12番、バンカーに囲まれたサンドアイランドグリーン
田村 グリーンがバンカーに囲まれた12番のパー3ですね。R・V・ヘギーはバンカーの魔術師といわれる設計家ですから、どのホールもバンカーの配置が絶妙で、コース攻略を難しくしています。特に西那須野のグリーンは、芝目が強い上にポテトチップのようにうねっているので、バンカーも含め色々なアプローチ技術が要求されるんです。
西那須野CCはフェアウェイもラフもベント芝のコース。
田村 ベント芝はボールをクリーンに浅く拾っていかないとダメ。バンカーもそう。ヘッドを打ち込まずに、胸をターゲットに向けてシャローに振り抜いていくんです。すべてのショットでその打ち方ができないと、西那須野は攻略できないんですよ。
西那須野CCの難グリーンに寄せる
基本アプローチ。ベント芝は胸を回してシャローな軌道で!
洋芝でボールが沈んでいるからと、ヘッドを上から打ち込んでしまうとミスが出やすい。
田村 ヘッドは上から下ではなく、下から上に振っていくのがコツ。ヘッドが芝に刺さることなく、フェースにボールが乗るのでスピンもしっかりかかります。
洋芝のアプローチは
構えた位置にグリップを戻す
右手首の角度が変わってしまうとインパクトが安定せず、距離感を合わせるのが難しくなってしまう。
田村 洋芝はほんの少しのダフリのミスも許してくれないので、アドレスで出来た右手首の角度をキープすることを意識しています。
ラフから寄せるには
インサイドからヘッドを入れる
深くて粘っこいラフもいかにヘッドを振り抜けるかが勝負だという田村さん。
田村 上から入れるとヘッドが絡んで抜けません。インサイドからヘッドを入れて、ゆるやかな軌道でボールを包み込むように打つと、抜けがよくなり、距離感も出していけます。
キャリーの打ち分け
構えたときのライ角で調整
低く転がすときはボールに近づいて、クラブを吊るようにライ角を立てて構える。
田村 高く上げたいときは、逆にボールから離れてフラットに構え、フェースを開きます。これで球を打ち出す高さを調整することができます。
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アウトの難関7、8、9番。
3ホール1オーバーなら御の字
田村さんは仙台在住なのだが、関東アマやミッドアマ、関東月例などの競技に出場したくて栃木県内にメンバーコースを購入したのだという。
田村 17~18年間ぐらい那須小川ゴルフクラブのメンバーだったんですが、他にもいいコースがあればと探していたんです。競技などで西那須野CCを回ったときの印象が強く残っていて、7年前にメンバーになりました。
自宅から約200キロ。車で2時間以上はかかるというが…。
田村 まったく苦にならないですね。コースの美しい景観を見れば心も体も癒されます。景色のいい場所を見つけると感動して今でも写真を撮ったりしてしまうんですよね(笑)
もちろん、クラブ選手権を戦っているときは、景観を楽しんでいる余裕などないと言うが、過去3度、クラチャンに輝いている田村さんは、アウトの7番から9番が勝負のキーホールになるという。
田村 7番が567ヤードのパー5、8番が204ヤードのパー3、そして9番が436ヤードのパー4という上がりの3ホールになります。ここをパープレーで切り抜けることができれば、いい流れで後半のインに入っていける。ワンオーバーでも御の字。そのぐらい難しいんです。
なかでも、最後の9番は油断すると大事故につながる難関ホールだと田村さん。
田村 左サイドに続く池を怖がらずにドライバーを振り抜いていけるか、いつもそのプレッシャーとの戦いです。置きに行こうとして体が止まったらアウトです。ティショットが成功しても気は抜けません。強い芝目に複雑な傾斜が絡んだグリーンはカップが切られたエリアに乗せないと3パットどころか4パットもあります。
左の池を怖がらず左へ振り抜く
メンバーになって7年、クラチャンを3度制した田村さんでも難解なグリーンはいまだに読み切れないという。
田村 どこに乗せるのが最善か、外してはいけないところはどこか、ピン位置によって攻め方は変わります。競技で18ホール回ると体よりも頭がくたくたに疲れます。でもそれが楽しくて仕方ない。何度回っても飽きることがないんですよ。
クラチャンの技①
左にひっかけないドライバー
インパクトで体を止めない
田村さんの持ち球はフェード。9番のティショットもこの球で左サイドのフェアウェイを狙う。
田村 体の回転が止まるとフェースが返ってしまい左に引っかけます。上体を回し続けて、クラブを左に振り抜きます。
ハンドファーストにインパクト
フェードを正確にコントロールするには、スウィング中のフェースターンは極力抑える。
田村 ドライバーもアイアンのようにハンドファーストでボールをとらえます。フォローではフェースでボールを押し込むイメージです。
ターゲット目指して胸の中心を回転する
田村さんの安定フェード、ドライバーショット
フォローで体の回転よりも腕とクラブが先行すると左にひっかけるミスになる。
田村 フォローで目標に胸を向けるように、上体を回し続けます。腕とクラブが体の正面から外れないように振り抜きます。
フェアウェイ左サイドから田村さんのセカンドショット
クラチャンの14本
1W:ピンG410プラス
3W:PXG0341X
UT19度:PXG0317X
UT22度:PXG0317X
5I~PW:PXG0311T
52・56・60度:PXG0311T
PT:ベノックアメリア
西那須野カントリー倶楽部
18H・7036Y・P72
栃木県那須塩原市千本松804-2
TEL:0287-37-8111
開場:1993年05月25日
設計:ロバート・ボン・ヘギー
公式ホームページはこちら
月刊GD2011年11月号より
※田村さんにはボランティアとして取材協力していただきました
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