悪魔の設計家のワナに鍛え上げられました!
「コンスタントに80台で回れるようになって、少しはゴルフが上手くなったかなと思った頃、ここをラウンドしたんです。見事に打ちのめされました。でも、コースの素晴らしさにふれてメンバーになったんです」
ちょっと天狗になっていた大貫さんの鼻をへし折ったのは、"鬼才"と呼ばれた世界有数のコース設計家ピート・ダイ。同士が日本で初めて設計した「きみさらずGL」だった。
令和元年クラブチャンピオン
大貫靖浩さん/52歳
飛距離:250ヤード
球筋:フェード
ゴルフ歴:27年
入会のきっかけ:ピート・ダイ同好会の月例がきっかけ
きみさらず攻略は、4つのパー3をどう凌ぐかが鍵
ピート・ダイ設計のコースといえば、PGAツアーの準メジャー「プレーヤーズ選手権」が開催されるTPCソーグラスが真っ先に思い浮かぶ。
なかでも有名なのが、周囲を池に囲まれたアイランドグリーンの名物ホール17番のパー3だろう。
「きみさらずGL」にもソーグラスと同じアイランドグリーンのパー3が存在する。
「きみさらずGLのパー3は4ホール中3ホールが池がらみ。残り1ホールはティからグリーン手前まで大きなバンカーが続いていて、すべて難易度が高いんです。名物ホールの17番は、どこにも逃げ場がないですから、どこにピンが立っていても左サイドにティアップして安全なグリーン右サイドをフェードで狙います」
ソーグラスの17番は140ヤード弱と短いが、きみさらずの17番はチャンピオンティだと183ヤードと距離が長い。その分、本家よりもグリーンは大きいが、ミドルアイアンで正確なショットが要求される。
「アウト2番、6番のパー3も左サイドがずっと池なので、ドローよりもフェードのほうが安全だし、攻めやすいんです。パー3でいかに大けがをしないかが、きみさらずでスコアをまとめるキーポイントになります。どのホールもスリリングで何回プレーしても飽きません」
きみさらずを攻略するためにフェードを磨きました
"フェードボールの名手"といわれる伊澤利光プロが憧れという大貫さん。
「インパクトでリストターンするとボールがつかまりすぎてドローになります。ドライバーでもヘッドが手元を追い越さないように、ハンドファーストにインパクトしてフェードを打ちます」
ティショットフェードの打ち方
インパクトまでハンドファーストをキープ!
魔の17番は左に立って右手前を狙う
絶対池には入れない! 安全な右にワンオン狙い
奥行33ヤード、横幅42ヤードとグリーンは大きめだが、チャンピオンティは183ヤードと距離が長い。
「とにかく池に入れないことが鉄則。ピンが左に立っていても持ち球のフェードボールで右サイドに打っていきます」
左サイドがずっと池の2番は立つ位置で調整
グリーンまで左サイドに池が続く2番パー3も、絶対に池に入れないマネジメントで攻める。
「フェードが持ち球のボクにとって、いちばん難しいのが左奥にピンが立っているとき。右サイドにティアップして対角線に狙います」
立つ位置の目安
【ピンが左】右に立って出来るだけ池にかからないよう対角に打つ
【ピンが中央】中央に立ってプレッシャーを感じずに攻める
【ピンが右】左に立ってグリーン真ん中からフェードで狙う
ラウンドするたびに攻略の難しさが増す
ピート・ダイが日本で設計したゴルフ場は20コース以上あり、きみさらずGLよりもコースレートが高いコースもある。
しかし、ダイが初めて設計した「きみさらずGL」がもっとも難しく、彼の設計理念が色濃く反映されていると、高い評価を受けている。
「ここではティショットから点と点を結ぶような、正確なポジショニングが要求されるんです。たとえば、アウト3番のパー5がそう。ティショットをベストポジションに置いて、2打目は3打目でウェッジ勝負できるグリーン近くまで運びたい」
「でも、ティショットのベストポジションは危険と隣り合わせの場所に設定されているんです」
リスクを冒して果敢に攻め、成功した者には大きな報酬が与えられる。しかし、チャレンジに失敗すれば鬼才の仕掛けたワナにはまり、大たたきのペナルティが待っている。
パー5は攻めてバーディ狙い
3番 パー5、右の斜面からでもFWで距離を稼ぐ
「ティショットでベストポジションは平らなフェアウェイ左サイド。でもOBは絶対に避けたいので右サイドでもOKの戦略をとります」
その結果、右サイドの斜面からセカンドを打つことになるケースも増えるが、大貫さんは斜面からでもFWで積極的に距離を稼いでいくという。
斜面からフックさせずに飛距離を稼ぐ打ち方
つま先上がりの傾斜からフェアウェイウッドでフックさせずにストレートに近い球筋で距離を稼ぐ。そのためには、トップで上体の起き上がりや、かかと体重にならないように注意して強い球を打つことが大切。「3打目をウェッジで打てるのでバーディチャンスです」
打ち方のポイント①
フェースを開く
つま先上がりでスクェアに構えるとフェースは目標より左を向いてしまい、軌道もフラットになるので左に引っかけやすい。
「フェアウェイウッドのフェースを開いて構え、あとはスタンスなりに振っていくだけ。無理にカットには打ちません」
打ち方のポイント②
トップで体が起きないように注意
かかと側に体重が乗って、バックスウィングで体が起き上がるとミスになる。
「つま先体重を少し意識して大振りにならないようにコンパクトにトップを抑えます。必要以上に距離を欲張るとミスになるので注意しています」
打ち方のポイント③
フォローでリストターンしない
足元よりもボールの位置が高いので、軌道がフラットになりボールもつかまりやすい。
「フェアウェイウッド自体もボールがつかまりやすいクラブなので、リストターンはしません。持ち球のフェードの打ち方がここでも役に立つんです」
「きみさらず」のメンバーになって技術が身についた
「ひとつとして気の抜けるホールはありません。コースを知れば知るほど、打っていい場所とダメな場所がわかってきて、攻略する難しさが増すんです。入会から3年でクラブチャンピオンになることができましたが、ボタンをちょっと掛け間違えるとタイヘン。いまでもしょっちゅうコースに打ちのめされていますよ」
「コースがプレーヤーを育てる」とゴルフではよく言われるが、大貫さんも「きみさらずGL」のメンバーになってから、いろいろな技術が身についたと話す。
「ベストポジションを点で狙うのに有効なフェードボールもそうですし、3番の2打目で使う、つま先上がりのライからFWで左に引っかけない打ち方とか。ここを回るうちに自然とショット力が磨かれましたね」
短期間でクラブチャンピオンを獲れるまで上達できたのも、コースのおかげだと大貫さん。
「コースの景観も素晴らしいので、ぜひ多くの方にラウンドしてほしいですね」
きみさらずGLについて詳しく「ゴルフ場身体検査」↓
大貫さんの14本
1W:テーラーメイドM5
3W:テーラーメイドM3
5W:テーラーメイドM3
UT19°・21°:タイトリスト816 H2
5I~10I:本間ゴルフTW747V
50°・58°:ボーケイデザインフォージド
パター:オデッセイ オー・ワークスブラック#1
きみさらずゴルフリンクス
18H・6833Y・P72
千葉県木更津市真里谷2935-7
TEL.0438-53-6100
公式ホームページはこちら
月刊GD2020年1月号より
(※大貫さんにはボランティアとして取材協力していただきました)
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