ファン待望の“D型”が登場。その進化はアイサイトだけではない!
ビッグマイナーチェンジを受けたスバル レヴォーグとWRXに、進化したアイサイトが搭載された。車線中央維持と先行車追従が0〜120km/hで機能するようになったのだ。実用的で素晴らしい進化ではあるのは確か。しかし、この大幅改良でここばかりが注目されてしまうのはとても残念だ。実は操縦安定性や乗り心地も大幅に改良されているからだ。
今回の大幅改良でレヴォーグとWRXは“D型”になった。詳しい人であればその意味はすぐにわかるだろう。スバルはモデルデビューの1年目をA型、2年目をB型と年次改良を施していくメーカーであり、4年目のD型で“大幅”改良するのが通例になっている。わざわざD型になるのを待ってから買うユーザーもいるほど、良くなるのだ。
「足まわり改良したんでしょ?」と言いたくなるほど良くなった乗り心地。
と、そんなD型に進化したレヴォーグを連れ出して走りっぷりを確かめてみる。今回の試乗車、1.6 STIスポーツ アイサイトは専用チューニングされたビルシュタイン製のダンパー&スプリングを組み合わせ、さらに専用の本革シートやエクステリアを装備した1.6L水平対向4気筒ターボ搭載モデルの最上級グレードだ。
と、そんなD型に進化したレヴォーグを連れ出して走りっぷりを確かめてみる。今回の試乗車、1.6 STIスポーツ アイサイトは専用チューニングされたビルシュタイン製のダンパー&スプリングを組み合わせ、さらに専用の本革シートやエクステリアを装備した1.6L水平対向4気筒ターボ搭載モデルの最上級グレードだ。
「うんうん、さすがはスバル。いい仕事してるなあ。よし、この線で原稿を書こう」と試乗中から頭の中で草案を考え始めていた。
ところが!である。試乗の後、ニュースリリースを読んで言葉を失った。そこには「フロント&リアサスペンションの改良(STIスポーツを除く)」という文言があったのだ。そんな…まさかの勘違いか?と冷や汗をかく。若干混乱した頭で「いやいや、スバルさん。ゴムブッシュとかピロボールとか交換したんでしょ? 意地が悪いなあもう」とテキトウな理由を考え始める。
それでも真偽を確かめないわけにはいかない。すぐさまスバル広報部に電話すると思わぬ答えが返ってきた。
「実はこういった問い合わせ多いんです。でも、今回の改良で1.6 STIスポーツと2.0 STIスポーツの2モデルは、足まわりの調整、ゴムブッシュの刷新、ボディ補強などは一切施していないんですよ。もし乗り心地がよくなったと感じたのであれば、その要因のひとつは“電動パワーステアリングの改良”だ、というのが開発陣の回答です」という。
一見、乗り心地との関連は薄そうな電動パワステだが、そのシステムや構造、特性などを刷新したことで“より人の操作・感覚に近いニュートラルな制御”になったというのだ。ドライバーの思ったとおりに動くということは、乗り心地の良さにもつながっているのかもしれない。
ニュースリリースだけではわからないこの違い、ぜひ体感してみてほしい。
■試乗したクルマ:レヴォーグ 1.6 STIスポーツ アイサイト
●サイズ=4690×1780×1490mm ●ホイールベース=2650mm ●車両重量=1560kg ●エンジン=対4DOHCターボ 1599cc ●最高出力=170ps/4800-5600rpm ●最大トルク=250Nm/1800-4800rpm ●駆動方式=4WD ●356万4000円
TEXT/Yohei Kageyama PHOTO/Hiroshi Kodaira