EVにおいてもリーダーシップをとる
ポルシェという名前が付いた初めてのモデル、“ポルシェ356 No.1ロードスター”が1948年に誕生して以来、今年で70周年となる。それを祝い、世界各国で記念イベントが開催されているが、日本では記念記者会見が開催された。
はじめにポルシェジャパンの七五三木社長による、ポルシェに関する内外の近況報告があったが、その冒頭でフォルクスワーゲンにおけるグループの再編について説明があった。
それによると、フォルクスワーゲングループに属するブランドは“ボリューム”、“プレミアム”、“スーパープレミアム”に分けられ、ポルシェは当然のことながら“スーパープレミアム”に属することになったとのこと。
このグループはポルシェの他にベントレー、ブガッティ、ランボルギーニで構成されるが、ポルシェのオリバー・ブルーメ社長が全体のリーダーシップをとるそうだ。
今回の会見と直接関係はないが、この説明から推察するに、従来ランボルギーニとアウディが研究開発において近しい関係にあったが、これからはそうではなくなるようだ。ブガッティは別格として他の3ブランド、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニはひとつのグループとしてどのような商品戦略を見せるのか興味深いところだ。
さらに七五三木社長からは相変わらず高い、17.6%という営業利益率についてや、パナメーラのPHEV比率が60%にも達していること、さらに2025年にはEVとPHEVが全販売台数の半分にする計画があることなどについて説明があった。
して、もっとも注目された発表は、2015年のフランクフルトショーで初公開されたポルシェ初のピュアEV、“ミッションE”を2020年の遅くない時期に日本国内において発売開始するとしたことだ。
ポルシェミッションEは4ドアスポーツクーペで、600psの最高出力を誇り、0→3.5秒未満という超快足マシン。航続距離はNEDCで500km以上、急速充電15分で400km走行可能という。
ポルシェという完璧なスポーツブランドがピュアEVを市販するということの意味は大きい。それはEVが環境対応車というところから、さらに上のステージへ上がることを意味する。
ポルシェがハイブリッド車を初投入したことで、そのイメージが変わったのと同じように、EVもいよいよ多様化の時代を迎えようとしているということだろう。ポルシェは量販メーカーではないが、EVにおいても影響力は非常に大きい。2020年が楽しみだ。