新素材のカーボンを用いた、革新的なヘッド&シャフト
GD 今回の「イーゾーンGTドライバー」は、カーボンのノウハウに長けるヨネックスの自信作です。新素材を用いつつ、裏面をハニカム構造としたカーボンクラウンは、従来よりも20%の軽量化により低重心となっています。
松尾 なるほど。ヘッドを実測したところ、重いヘッドで左右の慣性モーメントが大きいし、フェース面のスウィートスポットが低い低重心モデルということがわかっています。実打をしてどういう球が出るのか楽しみですね。
GD 純正のカーボンシャフトについても、同社が世界に先駆けて採用した新素材が効いています。それによって大きくしなりながら素早く戻り、インパクトで球を強く押し込めるので、ボール初速も上がるということです。
松尾 ちょっとスウィングしたところでは、軟らかめの設定ながらも素直なしなり感のようですよ。
GD それでは球を打って感想を聞かせてください。試打クラブはロフト10.5度、純正シャフトのフレックスSとなります。
アベレージスライサーでも、ハイドローで距離が伸びる
松尾 ヘッドを上から見ると、丸形のフックフェースでつかまり系のヘッドをイメージしやすい。クラウンのカーボン模様も、左を向いているように見えるデザインになってますね。
GD スライスや右のミスへの不安がなく構えられるということですね。
松尾 そうです。しかも、ネック軸回り慣性モーメントが小さめで、ヘッドを操作しやすくターンしやすいので、球をつかまえやすいです。最近のドライバーに多く見られる、ヘッドがゆったり返って球をつかまえにくいタイプよりも、このように球がつかまるヘッドのほうが日本人のアベレージスライサーにはやさしいと思います。
GD 先ほどのお話にもありましたが、ヘッド重心が低いということでどのような特性につながっていますか?
松尾 確かに低重心モデルですが、一方ではFP値も大きいので、打ち出しが高く上がりやすい。ヘッド速度が40m/sくらいのゴルファーでも球を上げやすいでしょう。また、リアルロフト角が大きいので、実際にはそれほど低スピンにはなりません。ただ、雨の日にも試打しましたが、フェースにまったくスコアラインがないので、球がドロップしやすかったですね。
ボール初速が上がり、つかまった高弾道が出る
GD ロフトが大きいということは打ち出しが高くなるだけではなく、スピン量も増えやすいし、球がつかまりやすいイメージがあります。このモデルは総じて、ヘッド速度が速くなくても球が上がってつかまると言えますか?
松尾 はい、いわゆるハイドローの弾道が出やすいと思います。それから、ほぼ200グラムという重いヘッドなので、ボール初速を上げやすい。飛ばすにはボール初速が大事ですからね。と同時に、クラブの総重量が300グラム近くあって、決して軽いドライバーではありませんが、実は軽すぎるよりもこのようにある程度重めのほうが、かえってシニアゴルファーもしっかりとスウィングできるものなのです。