数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回は、「スピンが凄い」と評判のクリーブランドのRTXウェッジです!

フェースの溝とミーリング効果でスピン性能が向上

トラディショナルなティアドロップ形状で構えやすく、とくにフェースを開いてアドレスしたときの見た目が、抜群に美しいウェッジだなぁと感じました。

RTXシリーズ史上最高のスピン性能を実現したということですが、打ってみると、“トン、キュッキュッ"という感じで気持ちよくスピンが効きます。スピン性能に特化した、フェースの溝とミーリングの効果が実感できます。

ボールの打ち出しは低すぎず、高すぎず、ロフトどおりに飛んでいくので、距離のコントロールがとてもしやすいウェッジですね。(堀越)

小ぶりに見えて、開いて使いやすい顔

画像: リーディングエッジに丸みがあり、開い手使いやすい顔も◎(左が52度、右が58度)

リーディングエッジに丸みがあり、開い手使いやすい顔も◎(左が52度、右が58度)

多彩な打ち方が可能なバウンス性能

試打ウェッジはロフト58 度で、バウンス9度のモデルでしたが、スクェアに構えても、フェースを開いて構えても、ソールの抜けがいいバウンス形状で、多彩な打ち方が可能です。

ちなみに、ロフト52度のモデル(バウンス10度)も打ちました。フルスウィングに近い力加減で振っても、ボールがつかまりすぎることがないので、安心して100Y前後からピンを狙えます。

アプローチでは状況に応じていろいろな球筋を打ち分けたい。グリーン周りに自信のある上級者にオススメのモデルです。(堀越)

画像: 少しヒール寄りで、少し高重心。この重心位置も激スピンを生む元。ちなみに「NEW スリクソンZ シリーズ」のアイアンとほぼ同じ重心位置設計だから、組み合わせて使う際も、クラブの流れもばっちり

少しヒール寄りで、少し高重心。この重心位置も激スピンを生む元。ちなみに「NEW スリクソンZ シリーズ」のアイアンとほぼ同じ重心位置設計だから、組み合わせて使う際も、クラブの流れもばっちり

58度のクラブ長さは標準的で、クラブ重量は重め、スウィングウェートが大きく、クラブ慣性モーメントがSWとしては大きくなっています。

ヘッドはオーソドックスなティアドロップ形状で、ネック長さは短めでフェースの高さも低いので、全体にやや小ぶりな印象を受けます。

試打クラブはバウンス9度のMIDソールでDGシャフト。クラブ全体の重みとヘッドの重みを感じながら、ゆっくりスウィングできるのもいいですね。

また、実際のバウンス角の設定が大きめなので、バンカーショットもしやすいです。(松尾)

画像: 58度のソール形状は4種類で、これは9度のMID。ソールの抜けがよく開いても閉じても打ちやすい

58度のソール形状は4種類で、これは9度のMID。ソールの抜けがよく開いても閉じても打ちやすい

フェースの開閉を使って多彩な球で寄せたい中上級者へ

フェースプログレッションが大きいので球を拾いやすく、構えたときに見えるリーディングエッジ全体が丸いので、フェースが開きやすいのが特徴です。

フェースを開いたときの見た目も美しいので違和感なく開いて構えられます。(松尾)

クリーブランドRTX4の総合評価

画像: クリーブランドRTX4の総合評価

スピン性能 4.5/つかまり 3/上がりやすさ 3.5/ミス許容 3.5/操作性 4.5
※5点満点

ヘッド/軟鉄鋳造
ロフト角/48~60度(2度刻み) ライ角/64度 長さ/35㌅(58度)
シャフト/N.S.PRO 950GH(R、S)
     N.S.PRO モーダス3 ツアー120(S、X)
     ダイナミックゴールド(S200、X100)
総重量/477g(58度、ダイナミックゴールド S200)
価格(税込)/1本1万6200円~
※メーカー公表値

解説/クラブ設計家 松尾好員
解説/プロゴルファー堀越良和

週刊GD2018年9月11日号より

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