麻生飯塚GCのカレーの原点は、吉田茂元首相が愛した昔ながらの味
戦後間もない物がない時期、パンとお茶だけでお店を営んでいたレストラン「太陽」。そこへ訪れたのが福岡の名家、麻生家の浜田シェフ。もともとは吉田茂元首相の料理人だった彼が「日本人は米を食べる民族だし、今からはご飯ものがあったほうがいいから教えてあげよう」とカレーのレシピを伝授してくれたという。
作り方はにんにくと生姜と玉ねぎをたっぷりの「雪印バター」で炒め、「インディアン」と「マギー」の2種類のカレー粉を入れる。それが辛くなりすぎないように弱火で炒める。そこに小麦粉を入れ、小麦臭さがなくなるまで気長に炒る。
そして鶏ガラスープを徐々に加えて伸ばしていき、別の鍋で炒めておいた牛バラ肉と玉ねぎを加えてさらに練り上げる。簡単そうに聞こえるが、とにかく手間のかかる作業だ。
「昔なつかしいって言われる味なんですよ。(麻生)太郎さんとかもね、ここに来たら『子どもんとき思い出す』と言うけん」(松村久美さん)
このなつかしい味を忠実に再現したレトルトカレー「吉田茂迦玲」が麻生飯塚GCでも販売されている。創業1946年のレストラン「太陽」は2018年3月で閉店。ただ、このカレーの味を守るためにレトルトは販売し続けるという。
吉田茂の孫、麻生太郎氏はレストラン太陽に顔を出すことがあった。カレーと同じく浜田シェフから伝授されたレシピのドライカレーに玉子を乗せるのが好みだった。
麻生飯塚ゴルフ倶楽部
福岡県嘉穂郡桂川町吉隈120番地
TEL.0948-65-1155
27ホール/10405ヤード/パー108
アクセス/JR博多駅、福岡空港からクルマで45分
公式ホームページはこちら
名コースに名カレーあり。昔も今も一番人気
1915年のメニューカードにすでに載っていたという富士屋ホテル伝統のビーフカレー。通常のカレーにはブイヨンを使用するが、富士屋ホテルではコンソメを使用。そのコンソメは創業以来、湧き出る天然水を使い、実に1週間もの手間暇をかけて作られる。
開場100周年を迎えた富士屋ホテル仙石ゴルフコースでは、この伝統の味をアレンジしたカレーが味わえる。ホテルの味に勝るとも劣らない、両者を食べ比べてみるのも楽しい。
また国内初の日本人向け18ホールとして1922年に開場した程ヶ谷カントリー倶楽部、井上誠一の設計で1955年に開場した日光カンツリー倶楽部では、開場以来受け継がれてきた伝統のカレーを今でも味わうことができる。
富士屋ホテルの味を受け継ぐ「仙石ゴルフコース」のビーフカレー
富士屋ホテルは1878年に日本初の本格的リゾートホテルとして開業。1912年までは外国人専用の宿泊施設とされていた。メニューカードに「カレー」の記載があるのは現存するものとしては1915年が最古。海外からの賓客や今上天皇も召し上がったという。
富士屋ホテル仙石ゴルフコース
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1237
TEL.0460-84-8511
18ホール/6651ヤード/パー72
アクセス/東名高速・御殿場ICから15分
公式ホームページはこちら
レシピは大正11年のまま。「程ヶ谷CC」のチキンカレー
1922年に日本人向けの本格的チャンピオンコースとして開場。旧コースは現在の保土ヶ谷区常盤台にあった。現在のコースは1967年に移転。赤星四郎の設計で造られた。クラブハウスで出されるカレーは開場当時の味が受け継がれている。
程ヶ谷カントリー倶楽部
神奈川県横浜市旭区上川井1324
TEL.045-921-0115
18ホール/6797ヤード/パー72
アクセス/相鉄線・三ツ境駅から13分
公式ホームページはこちら
60年変わらず愛される「日光CC」のビーフカレー
「ゴルフ場の品格はカレーを食べればわかる。これからもカレーの味は守り続けていきます」。1959年にクラブハウスの一部を焼失するが、現在のレストランは開場当時の建物内にあり歴史を感じる。
日光カンツリー倶楽部
栃木県日光市所野2833
TEL.0288-54-2128
18ホール/7061ヤード/パー72
アクセス/東武日光駅から10分
公式ホームページはこちら