数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回は、キャロウェイゴルフのローグ プロ アイアン ブラックバージョンです!

上級者向けの精悍な顔で、一番手上の飛び

まず、ポンと構えてみた印象ですが、試打クラブのヘッドがブラック仕上げのため、やや大きめのミッドサイズでも締まって見えます。ヒールからネックにかけた「ふところ」のラインも綺麗で、目標に対してスクェアに構えやすく、アスリート向けの精悍な顔つきです。(堀越)

実際に打ってみると、低重心でボールが楽に上がってくれて、飛距離は標準ロフトのプロ・上級者モデルに比べて、1番手ぐらい飛びます。5番アイアンでもしっかりボールが上がってくれるので、リキまずにスウィングできます。

5番、7番、9番 重心距離は長め。そのおかげでつかまりすぎを恐れずに打てる

打感が伝わってくるから、球筋を操作しやすい

アスリートモデルらしいソフトな打感も上級者好み。インパクトの感触が手のひらに伝わってくるので、とてもコントロールしやすいです。バリバリのプロモデルのような操作性の高さはありませんが、適度なドローやフェード、高低の打ち分けもできるし、オフセンターヒットにも強いので、とても扱いやすいアイアンに仕上がっています。(堀越)

ヘッドにやや重量を感じるので、ドライバーのHS43㎧以上のパワーヒッターが使うと、風に負けない重い球でグリーンを狙えます。

やや高い重心位置で、スピンが入りやすい(7I)

ダウンブローのスウィングにも合う

7番アイアンのクラブ長さはやや短めですが、クラブ重量は重く、スウィングウェートは大きめなの
で、クラブ慣性モーメントが大きくなります。ヘッドはプロモデルらしく綺麗な形状で、かつてのXモデルのプロシリーズを思い出します。(松尾)

フェース自体は小ぶりですが、重心距離を長くするネック形状が特徴(見た目でも小さく見え過ぎない)のひとつです。試打クラブはモーダスツアー120のSシャフト仕様。少し軟らかいフィーリングがありますが、先側がしっかりしているのでダウンブロースウィングに耐えてくれます。

抜けのいいソール形状でラフにも強い。バウンス角が大きくダウンブローに打つタイプに合う(右)

慣性モーメントは大きめ、フェードが打ちやすい

いまどきのアイアンらしく、インパクト音がやや高く、球の弾きはいいです。プロモデルとしてはヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが大きいので、ヘッドが早く返りすぎずにフェード系弾道が打ちやすそうです。(松尾)

画像: 慣性モーメントは大きめ、フェードが打ちやすい

総合評価

飛距離性能 3.5/つかまり 3.5/上がりやすさ 4.5/ミス許容 4/操作性 4
※5点満点

【ローグ プロ アイアン ブラックバージョン】
ヘッド素材/17-4 ステンレス
ロフト角/31度(7I) ライ角/62度(7I) 長さ/37㌅(7I)
シャフト/N.S.PRO モーダス3ツアー 120(S)
総重量/433g(7I、N.S.PRO モーダス3 ツアー 120(S)
価格(税込)/14万2560円(5I~PW 6本セット)※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2018年9月25日号より

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