
高島早百合プロ
たかしまさゆり。1992年生まれ。京都府出身。和田正義プロのもとツアー参戦中。試しに出場したドラコン競技(LDJ)で、365ヤードという女子の日本最高記録を叩き出した

和田正義プロ
わだただよし。1976年生まれ。山形県出身。ドラコン選手。最高記録は420ヤード。高島プロのコーチを務める。泉ビレジゴルフガーデン所属
ねじりも回転もなし! スピードアップはタテの動き
和田 まずはドラコンの日本最高記録、おめでとう。
高島 ありがとうございます。師匠の教えどおり、タテ軌道でスピードアップさせましたよ。
和田 そうだね。ヘッド軌道はアップライトのタテの動きになるほどスピードが上がる。たとえば野球のピッチャーだって、オーバースローのほうが速い球が投げられます。
高島 そうですね。
和田 上から下に腕を振り下ろせば、腕とクラブにかかる重力も使ってスピードアップできるからね。これが、サイドスローだと重力のぶんは使えない。ましてアンダースローだと、重力に逆らうわけだから速くなんてとても振れません。
高島 だからゴルフも、アップライト軌道になるほど、腕とクラブにかかる重力を使ってスピードアップできるんですよね。高いトップで“上から下”にタテにパワーを使う。これですね。
ポイント①「アップライト」なタテ軌道に振る

タテ軌道だと、腕とクラブにかかる重力も手伝ってスピードアップしやすい

低いトップのヨコ軌道では重力を活かせない
ポイント②「トップの位置」は頭よりも高く

手元は頭より高く上げ、右ひざは伸ばす

右ひざを伸ばしてテークバック
高島 タテに振るにはトップを高くするのがポイントだと思います。頭より高く、が目安です。
和田 それと同時に、右ひざを伸ばします。少し伸び上がり気味に感じるかもしれませんが、これでOK。手を高く正しく上げられたら、右足はかかと重心、左足はつま先重心になりますよ。
紙ヒコーキを飛ばすくらい、手首もグリップもゆ~るゆる
和田 タテにパワーを使うとき、大切なことはなんだと思う?
高島 グリップをソフトに握ることです。上体から力が抜ければ、ヘッドがダウンスウィングで体の近くを通るし、インパクトからフォローにかけて腕が伸びてヘッドが加速できます。
ポイント③「フ~ッ」と息を吐いてグリップをソフトに握る

「グリップが脱力できれば、上体から力が抜けて、ヘッドの動きにブレーキをかけることなく、スムーズに加速できます」(高島)
和田 どうやって脱力している?
高島 アドレスで『フ~ッ』と口からゆっくり息を吐きます。これで、グリップと上体から力が抜けます。勢いよく『フッ!』って吐くと、かえって力むので、『フ~ッ』ですね。
和田 ヘッドを走らせるって、どんな動きに近いでしょう?
高島 紙ヒコーキを飛ばすときなんか近そうですけど……。手首を柔らかく使いますよね。

紙ヒコーキをガチガチに握っていては、うまく飛ばせません
和田 そうだね。ダーツの矢を投げるときも近いかな。ホウキでチリトリにゴミをササッと入れる感じも似てるよ。
高島 ヘッドを速く動かすには、とにかく脱力がポイントってことですね。
ポイント④「ストレッチ」で肩、ひじ、手首をやわらかく
和田 柔軟性は大切です。肩甲骨のストレッチでは、ドライバーを頭上にかかげ、ゆっくりと後ろに回します。短いアイアンは無理でも、ドライバーなら回せるようになることが目標です。

両腕でクラブを持ち頭上にかかげて、ゆっくり後ろへ下ろす
和田 さらに手首をグルグル回す運動。ドライバーを右手に持って、体の横でクラブをタテに回転させます。前回し5回、後ろ回し5回でワンセット。左手も同様に回してください。

わきを締めたまま、ヘッドが体のすぐ横を通るように回すのがポイント
高島 ヘッドのないクラブを振るとスピードアップにつながります。カチャカチャモデルのドライバーならヘッドを取って素振りしてみてください。

高島 ヘッドをとったら、シャフトだけのクラブを振ります。軽く、ビュンビュン振れるため、そのスピードを体に覚え込ませることで、スピードアップできますよ。

グリップはソフトに握るようにしましょう
和田 スウィングの流れのなかで、高島は何を大切にしている?
高島 私が意識しているのは、力を使うタイミングですね。ムチのような軟らかいものを振るイメージかな。腕だけいくら速く動かしても、ムチの先は動きませんよね。タイミングを合わせることでムチの先がピュッと走る。ヘッドもそんな感覚で走らせています。

ムチの先をどう振ればいいのか考えるだけ
ポイント⑤「ヘッドの先」を走らせる

右ひじは曲がって下りてきます

手が返りながら、ひじが伸びる
高島 トップで右ひじは伸びている感覚ですが、切り返しではひじが曲がってタメができます。ダウンスウィングの後半からひじが伸びることによって、手よりも遅れて下りてきたヘッドが加速されます。これが、ヘッドをムチのように走らせる感覚です。
和田 そうだね。飛ばすためのパワーの“タメ”は、関節を曲げることによって生まれるよね。たとえばダウンスウィングのクラブのタメも、肩、ひじ、手首の関節が曲がることで作られている。インパクトからフォローにかけて、その関節が伸びることでヘッドスピードが上がるんだ。
ポイント⑥「関節が曲がる」ほどパワーがたまる

飛ばしに必要なパワーは、曲げた関節にたまる。切り返しでは肩もひじも手首も曲がっていて、パワーがたまっている状態。実際にクラブの“タメ”も発生する。ここから関節が伸ばされることで、パワーが放出できる
ポイント⑦体のタテの伸縮を使う
飛ばしの合言葉は「伸びて、縮んで、伸びる」!

合言葉は!

テークバックで伸びて

ダウンスウィングで縮んで

インパクトでまた伸びる

フィニッシュはしっかり
高島 地面を踏み込んで得られる力、地面反力を活かす動きも同じですよね。
和田 そのとおり。高島も僕も、体のあらゆる関節を曲げて伸ばしてヘッドを加速させています。『トップで伸びて、ダウンで縮んで(曲がって)、フォローで伸びる』これが飛ばしの秘訣だね。
新ドラコン女王のスウィング





ティグラウンドでヘッドの走り、確認!
和田 最後に、実際にコースに出て、ティグラウンドでできる“ヘッドスピードを上げる方法”を特別公開しますね。
高島 何ですか、それ。私も聞きたいです。
和田 ヘッドを走らせる秘策だから、高島には必要ないと思うよ。指先でつまむように“超フィンガー”で握って、足踏みしながらクラブを振るんだ。ヘッドがビュンビュン走るはずだから、この感覚を体に覚えさせてからティショット!
高島 スピードアップしそうですね!

指先でグリップをつまんで素振りするといいですよ
【スピードアップドリル】超フィンガーで握って、足踏みしながら振る

ここからスタート

左足を上げてトップ

踏み込んで切り返し

ヘッドを走らせます

和田 このドリルをやる際、グリップは指先でつまむような超フィンガーにしてください。フォローサイドにいったんクラブを上げて、その反動を使って、右足体重、左足体重と足踏みするように素振りします。「伸びる、縮む、伸びる」が自然に出てくるはず。ヘッドが走る感覚をつかんでみてくださいね。
PHOTO/Yasuo Masuda
週刊GD2018年10月16日号より