数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はブリヂストンゴルフのツアーBシリーズのX-CBPアイアン。見た目はアスリートモデル、打つとやさしいポケットキャビティのようです。

ヘッドサイズはミッドサイズ、顔つきはシャープ

構えてみると、上級者好みのシャープな顔つきですが、ヘッドサイズがやや大きめなので、とても安心感があります。ミッドサイズのアイアンは、基本的につかまり顔のモデルが多いですが、「X-CBP」はネックからヒールにかけての懐のラインがきれいで、グースを強く見えません。左へのミスを怖がらずに、しっかり振っていける印象を与えてくれます。(堀越)

画像: 左から5番、7番、9番。ストレートに近いネック形状でスクェアに構えやすく、ラインを出しやすい

左から5番、7番、9番。ストレートに近いネック形状でスクェアに構えやすく、ラインを出しやすい

中上級者はもちろん、アベレージも使える

5、7、9Iの3本を試打しました。やや抑えめの弾道で、一般的なアスリートモデルより、1番手は飛距離が出ます。直進性が高く、ラインを出しやすいので、やさしくピンを直線的に狙っていけます。芯が広く、高い慣性モーメントでミスヒットにも強い。また、広めのソール幅でヘッドが突っかかったりせず、しっかり抜けてくれます。

アイアンにやさしさを求めるアベレージはもちろんですが、HC15以下である程度、打点が安定している人が使うと、より信頼できる武器になります。スピン系ボールとの組み合わせると、飛距離を稼ぎつつ、グリーンでもしっかり止めることができます。直進性の高い、最新ドライバーとも相性がバッチリです。(堀越)

画像: 重心位置がヒール寄りの設定で、操作性が高い

重心位置がヒール寄りの設定で、操作性が高い

アイアンに飛ばしと操作性の両方を求める人に!

7Iのクラブ長さは標準的ですが、クラブ重さがやや重く、スウィングウェートもやや大きいので、クラブ慣性モーメントがやや大きくなっています。ヘッドはブリヂストンらしくきれいな顔です。モーダス3ツアー105のSフレックスの7Iを試打しましたが、シャフトは軽量スチールながらもしっかり感があり、ターフを取るダウンブロースウィングにも耐えてくれます。フェース面は軟鉄ではなくクロムモリブデン鋼なので打感はやや硬く、インパクト音も少し高めです。

前モデルに比べてソール幅は狭くなりましたが、少し長くなったフェースはストレートネックで構えやすく、打ちやすい。ヘッドの左右上下方向ともヘッド慣性モーメントが大きくなりました。操作性を下げることなく、弾道も安定しています。(松尾)

画像: バウンスが付いているのがわかる。ソールの抜けは前モデルよりも向上している

バウンスが付いているのがわかる。ソールの抜けは前モデルよりも向上している

画像: ヘッド内部にスリットが入るポケットキャビティ構造

ヘッド内部にスリットが入るポケットキャビティ構造

画像: バックフェースセンターにはBマークが入る

バックフェースセンターにはBマークが入る

画像: アイアンに飛ばしと操作性の両方を求める人に!

総合評価

飛距離性能 4.5/つかまり 3.5/上がりやすさ 3.5/ミス許容 4.5/操作性 4
※5点満点

ヘッド/軟鉄鍛造&クロムモリブデン鋼
ロフト角/31度(7Ⅰ) ライ角/62度(7Ⅰ)
長さ/37㌅(7Ⅰ)
シャフト/N.S.PRO モーダス3ツアー 105(S)、
     N.S.PRO950GH(S、R)
総重量/418g(7Ⅰ、N.S.PROモーダス3 ツアー 105・S)
価格(税込)/11万6640円(5Ⅰ~PW6本セット)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2018年10月30日号より

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