数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はタイトリストのTS2 フェアウェイメタル。従来のイメージを一新し、やさしさと高初速性能で人気のタイトリスト「TS2&3」ドライバーのシリーズです。

タイトなライでも安心して打てる

「TS2」は直進性の高いモデルですが、同シリーズのこのFWにも、その特徴がしっかり踏襲されています。

3Wと5Wを試打しましたが、高い弾道のストレートボールを、やさしく打つことができます。構えると若干、フックフェースに見えますが、つかまりすぎることはないので、左を怖がらずに振っていけます。飛距離性能も申し分ないですが、高さとスピン量のバランスが良く、一発の魅力というよりは、平均的に安定して飛ばせるタイプです。フェースがボールを拾ってくれて、しかも直進性が高いので、つま先上がりや下がりなどのタイトなライでも、安心して使えます。特に5Wはやさしくて使い勝手が良いので、FWが得意じゃない人にもオススメです。

オリジナルの「スピーダー」シャフトはトルクフルでタイミングが取りやすく、どんなタイプのゴルファーにも合います。(堀越)

画像: スクェアフェースで目標に構えやすい見た目。「スウィートエリアが広くミスヒットに強い」と堀越プロ(写真左3W、写真右5W)

スクェアフェースで目標に構えやすい見た目。「スウィートエリアが広くミスヒットに強い」と堀越プロ(写真左3W、写真右5W)

FWでボールが上がらない、方向性が悪い、やさしいモデルを使いたいという人には、頼れる武器になるでしょう。

画像: TS専用のウェートシステムで深重心を実現している

TS専用のウェートシステムで深重心を実現している

適度なスピン量で球が上がる

3Wでクラブ長さはやや短めで、クラブ重さもやや軽く、スウィングウェートも小さめなので、クラブ慣性モーメントが小さくなっています。ヘッドはスクェアフェースで構えやすく、ライ角度がフラットなので、アドレスで球がつかまり過ぎるイメージはありません。

試打クラブはタイトリストスピーダーのSシャフトでしたが、シャフトは軟らかめの設定で、HS40 くらいのゴルファーでも十分扱えます。ドライバーと違いFWは適度にバックスピンもかかって球が上がりやすくなっているのが特徴です。(松尾)

画像: 適度なバックスピンがかかり球が上がりやすい重心設計

適度なバックスピンがかかり球が上がりやすい重心設計

安定した高い弾道で距離を稼ぎたい人に

FWとしては重心深度が深く、ヘッド慣性モーメントが大きいので芯を外れたミスヒットに強くなっています。また、0.25インチですが、他の3Wに比べて短めなのでミートしやすく、弾道コントロールもしやすいです。(松尾)

画像: 安定した高い弾道で距離を稼ぎたい人に

総合評価

飛距離性能 4/つかまり 3.5/上がりやすさ 4/ミス許容 4/操作性 4
※5点満点

ヘッド/465カーペンタースチール(フェース)、17₋4ステンレス(ボディ)
ロフト角/15度(3W) ライ角/57度(3W)
長さ/43㌅(3W)
シャフト/タイトリスト スピーダー 519エボリューション(S、SR、R)、
     スピーダー エボリューション V FW60
総重量/315g(3W、タイトリスト スピーダー 519 エボリューション・S)
価格(税込)/4万5900円(タイトリスト スピーダー 519 エボリューション)
※メーカー公表値

画像: 飛距離性能 4/つかまり 3.5/上がりやすさ 4/ミス許容 4/操作性 4 ※5点満点

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2018年11月6日号より

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