数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はコブラのキングF8 ワンレングス アイアン。PGAツアーのゴルフ科学者、B・デシャンボーが実践するすべての番手が同じ長さのアイアンモデルです。

オフセンターヒットに強いアイアン

ゴルフ界の〝サイエンティスト (科学者) 〟と呼ばれる、ブライソン・デシャンボーの代名詞といえば、このワンレングスアイアン。構えてみると、フェースに厚みがあり、グースも強めなので、やさしく打てそうなイメージが沸きますね。(堀越)

長さの基準になる7Iを打ちましたが、弾き感のある爽快な打感で、オフセンターヒットに強いなという印象を受けました。少し芯を外しても、初速の速さが変わりません。

次に、9Iを打ちましたが、長さが7Iと同じなので、通常の長さよりも弾道は高め。ただ長くなっても、ボールはしっかりつかまってくれます。

画像: 4番からSWまですべて7番の長さで設計(左から5番、7番、9番)

4番からSWまですべて7番の長さで設計(左から5番、7番、9番)

長さが変わらないから同じ感覚で打てる

5Iは長さが短いぶん、弾道は通常より低めですが、強い弾道で飛距離を稼げます。また、7Iと同じ感覚で打てるし、フェースの芯が広いので、ミート率はアップするでしょう。(堀越)

試打クラブには、NS950のSが装着されていました。ロフトの立った番手でもう少し高さが欲しいなら、カーボンにリシャフトするのも面白いかも。7Iは得意だけど、ミドルアイアン以下は苦手という人なら、試してみる価値アリです。

画像: 重心深度がやや深く、ミスヒットに強い。フェース面のセンターがスウィートスポット

重心深度がやや深く、ミスヒットに強い。フェース面のセンターがスウィートスポット

弾きがよく球をつかまえやすい

7番アイアンのクラブ長さとしてはやや短いですが、クラブ重さがやや重いので、クラブ慣性モーメントが大きくなっています。ヘッドは米国のアベレージ向けモデルの典型的な形で、シャローフェースとグースネックで打ちやすそうに感じられますが、フェースのトウ側が低いので、ライ角度がフラットに感じます。(松尾)

NS950のSシャフトで試打しました。ミート率が良く打ちやすい感じがあり、打感はかなり硬く、インパクト音も高いので、球の弾きはいい感じです。グースネックで球をつかまえやすいです。

画像: (左)球を包み込むイメージが出るグースネック形状 (右)ボール初速がアップする抜けの良さ重視のソール構造「PWRshell」

(左)球を包み込むイメージが出るグースネック形状 (右)ボール初速がアップする抜けの良さ重視のソール構造「PWRshell」

重心距離は41.1ミリと長め

ワンレングスアイアンなので、7番アイアン1本だけでは全体像がわかりにくい。5番、7番、9番の少なくとも3番手は試打して、そのフィーリングと球の飛び方を確かめることをお勧めします。(松尾)

画像: 重心距離は41.1ミリと長め

総合評価

飛距離性能 4/つかまり 3.5/上がりやすさ 4.5/ミス許容 4/操作性 3
※5点満点

ヘッド/ステンレス
ロフト角/29.5度(7I) ライ角/62度(7I)
長さ/37.5㌅(7I)
シャフト/NSプロ 950GH(S、R)
     コブラスピーダー(S、R)
総重量/422g(7I、NSプロ950GH・S)
価格(税込)/10万3680円(5I~PW6本セット・NSプロ950GH)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2018年11月13日号より

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