出利葉太一郎くん
いでりはたいちろう。2001年生まれの17歳。福岡県出身。HC+1。父の影響で、8歳からゴルフを始める。18年KBCオーガスタ48位、九州ジュニアゴルフ選手権で3位タイ。テンフィンガースウィングの篠塚武久に師事。
【解説】篠塚武久
73歳。週刊GD「みんなの桜美式」でお馴染み。一番弟子は時松隆光プロ。2018GDレッスン・オブ・ザ・イヤー。桜美式ゴルフの著書「10本で握る~テンフィンガーグリップ」を上梓
テンフィンガーは遠心力を活かしやすい、その力を上手く引き出す
出利葉くんは、ヘッドスピードが55~56m/sあり300ヤードは飛びます。180センチと身長も高いのですが、彼は振らずに飛ばせるタイプ。大きい人は大振りしがちですが、彼は引っ叩かない。遠心力を上手に使えるからです。
自分の中心から、腕、シャフトを通してヘッドにパワーを最大限伝えることができる。そのためのタイミングとリズムに天性のものがあります。打ち急ぐ人はその遠心力が最大限使えないものです。なぜなら、遠心力のもとは腕ではなく、自分だからです。
出利葉くんのスウィングは、テークバックからトップ、切り返しからダウンと、全部がゆったりして見えます。急いで振らずに“待てる”からです。

身長は180センチ、桜美式ゴルフの大型選手だ


ここで‟待っていられる”から遠心力を引き出せる


ゆったり見えてHSは50m/sを軽く超える

遠心力を使うホーガン投げ選手のようなフォロースルー

そもそも、ヘッドスピードという言葉自体が、ヘッドを速く振ることが大事だと脳に勘違いさせ、ただ腕で速く振ろうとする原因になります。
実はこれも、グリップと深く関わっています。(オーバーラッピングやインターロッキングなどの)両手合体型グリップだと、両手を結びつけているから、そこの動きにとらわれ、手だけでいろいろな動きを作りだしてしまう。しかし、(テンフィンガーの)両手分担型グリップだと、右手主導になり、扱いやすく、無意識に遠心力が使えるようになります。

最近、時松隆光プロと同じ、右手のひらを上向きに使う“刀グリップ”に変更し、より安定してきたという
ただ、今は、体側の動きにねじれがあったりと動くところが多すぎるので、タイミングがズレるときもあるようです。これでは体に負担がかかるし、飛距離もロスしています。
でもまだ、高校生。まだ体も細く成長過程ですから、スウィングも途中段階。まだまだ伸びる。だから、今のスウィングを細かく解説しても仕方ない。
医師と相談し、骨の成長を見ながらトレーニング

左右分担型の10本指握り

10フィンガーは右主導になりやすい

トップが決まるから、打ち急ぎが消える

刀でボールを切るイメージで振り下ろす

「切るように振る」から手を返すことはしない

強い遠心力が飛距離のもと

彼は、医師に体を診てみてもらいながらトレーニングをしています。医師には、まだ子どもの骨なので今は柔軟性を上げるトレーニングを中心にし、筋力をつけるのは骨の成長とともにやったほうがよいと言われてるそうです。私も賛成です。
僕はジュニアには細かいことを教えません。枝葉を取り扱いすぎるとバラバラになる。ジャニア時代と大人になってからのスウィングは変わらないといけない。だからこそ、小さい時にいろいろなことは与えない。「幹」の部分が大切です。

右手のひらを上に向けて、すべての指でグリップを握る
桜美式テンフィンガースウィングは、スウィングを複雑化せずシンプルにできる。基本をつくりやすいスウィングなんです。出利葉くんは向上心がすごくあって真面目。距離感も天才型。いろいろなものを無理に取り入れて、せっかくのよいものが消えないよう、でも一緒に進化していきたいですね。
篠塚武久先生への質問大募集
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