ひと頃はブームにもなった「長尺ドライバー」。しかし、最近は少々影が薄くなり、ここ最近は極端に長いものはむしろ敬遠される傾向だが、ドライバーヘッドとシャフトの組み方と打ち方を学んでおけば、飛距離アップの大きな武器になるのは間違いない。今、長尺ドライバーに挑戦すべき理由をクラブ職人の木名瀬和重氏が語った。

今、長尺に挑戦したほうがいい4つの理由

【解説】木名瀬和重さん(クラブ職人)
茨城県水戸市の「クラブ工房キナセ」の店長。ゴルフの腕前もHC+2で競技ゴルフにも詳しい。三角ソールの「トライアングルウェッジ」など、クラブ開発も行う。

【理由①】反発係数とヘッド体積はルールギリギリだが「長さ」は余裕がある

木名瀬 ゴルフクラブには様々なルールがありますが、フェース面の反発係数はじめ、各メーカーはルール『ギリギリ』のヘッドを開発し、飛距離を追求しています。いっぽうで『長さ』はルール上限に対してまだ余裕があるのが現状だ。だからこそ、挑戦すべき価値があります。

画像: 「ギリギリ」の謳い文句でヒットしたプロギアの「RS」シリーズ

「ギリギリ」の謳い文句でヒットしたプロギアの「RS」シリーズ

【理由②】ドラコン選手が48インチのドライバーを使うという事実

木名瀬 単純にどれだけ遠くに飛ばせるか、ということに挑戦しているドラコン選手たちは、ほとんどが48インチというルールギリギリの長尺ドライバーを使用します。クラブの長さが飛距離のアドバンテージになることを端的に語っています。

画像: 長いほどHSは上がり飛ぶ。ポイントは安定性だ

長いほどHSは上がり飛ぶ。ポイントは安定性だ

【理由③】進化したシャフト。長尺に最適な「軽硬」が登場

木名瀬 クラブを長くするにはクラブ重量を軽くすることが必要といわれます。これをクリアするには、軽くて強度のあるシャフトが必須です。製造技術的に難題でしたが、最近は技術革新で、軽くて硬いシャフトが数多く登場してきました。

画像: 長尺ドライバーに欠かせない「軽く硬い」シャフトが充実してきた

長尺ドライバーに欠かせない「軽く硬い」シャフトが充実してきた

【理由➃】R&Aが上限46インチ以下を検討中

木名瀬 トッププロの飛距離の伸びに警戒感を表しているR&Aは、「非公式」ですが現ルール上限の48インチから46インチへの長さ制限を検討しています。長尺化が飛距離に与える影響力の大きさを示しています。

画像: R&Aが長尺制限を検討中。長尺ドライバーに脅威を感じている証明でもある

R&Aが長尺制限を検討中。長尺ドライバーに脅威を感じている証明でもある

長尺にリシャフトするなら“手元&中調子”も試してみよう(木名瀬)

競技ゴルファーなど熱心なアマチュアが集まる「クラブ工房キナセ」の店長、木名瀬和重さんは、自身も47インチのドライバーを使用しており、長尺ドライバーのポテンシャルを実感している。

木名瀬 長尺に挑戦する人は、やはり「振り遅れ」と「球のバラつき」を気にされます。反面、『食わず嫌い』の人も多い。例えば「46インチです」と言ってドライバーを渡すと、「長いから打てないよ」という人が多いですが、「46インチを45インチです」と言って手渡すと、みなさん平気で打っていますから。先入観で「長尺は打てない」と思い込んでいる人も多いですね。

もうひとつ長尺ドライバーを敬遠する理由があるという。それはゴルファーの「欲」だという……。

木名瀬 長尺にすると、皆さんすぐにヘッドスピードが上がります。1インチ伸ばすと、ヘッドスピードは1m/s上がりますから、飛距離は約10ヤード伸びます。みなさん驚きますよ。でも、それで気分をよくすると、もっと飛ばしてやろうと力んで振り回す。途端に振り遅れて球が
バラつく。結局、飛ぶけど曲がるという評価になってしまう。『欲』って怖いですね(笑)。

最初の一球は、多くのゴルファーが普段よりもおとなしめのスウィングをする。するとすぐに結果が出る。この辺りに長尺を打ちこなすヒントがありそうだが、その前にドライバーを長尺にする注意点を木名瀬さんに聞いた。

長尺にするなら、守りたい6つの掟

【掟①総重量】1インチ長くするなら15~20グラム軽くする

木名瀬 ドライバーを長くする場合、まず考えるべきことは、総重量を軽くすることです。クラブは長くなればなるほど振りにくくなるので、その目安は1インチ長くしたら15~20グラム軽くしたほうがいいでしょう。

画像: 1インチ伸ばしたら、15グラムは軽くするのがセオリー

1インチ伸ばしたら、15グラムは軽くするのがセオリー

【掟②バランス】球がバラつく人はヘッドを軽くする

木名瀬 非力な人や球がバラつく人はバランスを整えるために、ヘッドも軽くしたほうがいいです。重心位置を調整するウェートを外すのが手っ取り早いですね。1インチ伸ばす場合、バランスを維持するにはヘッドを7~8グラム軽くする必要があります。

画像: もともと球がバラつく人は、ヘッド自体も軽くする。ソールに「ウェート」調整機能が付いたヘッドならば、最も軽い仕様にする

もともと球がバラつく人は、ヘッド自体も軽くする。ソールに「ウェート」調整機能が付いたヘッドならば、最も軽い仕様にする

【掟③ロフト】弾道が高くなるのでロフトを立てる

木名瀬 長尺にするとシャフトのしなりが大きくなるので、インパクトでロフトが増え、弾道が高くなることが多いです。そのため、長尺にするときはこれまでよりも少しロフトを抑えたヘッドをチョイスしたほうがいいと思います。目安は0.5~1度くらいです。

画像: リアルロフトが12度のヘッドならば、それよりもロフトが立ったヘッドに。ロフト調節機能付きヘッドを利用するのもいい

リアルロフトが12度のヘッドならば、それよりもロフトが立ったヘッドに。ロフト調節機能付きヘッドを利用するのもいい

【掟➃フェース角】フックフェースのヘッドを選ぶ

木名瀬 長尺にすると、スウィングアークは自然に大きくなり、ダウンスウィングでヘッドが少し遅れることがあります。ですので、つかまりのいいフックフェースのヘッドを選んだほうがいいですね。

画像: 球をつかまえやすいフックフェース気味のヘッドがいい

球をつかまえやすいフックフェース気味のヘッドがいい

【掟⑤キックポイント】先調子にこだわらず手元・中調子も試す

画像: 「先調子シャフトが飛ぶ」と決めつけず、長尺ドライバーは中調子や手も調子のシャフトも試してみる

「先調子シャフトが飛ぶ」と決めつけず、長尺ドライバーは中調子や手も調子のシャフトも試してみる

木名瀬 最近は圧倒的に先調子が人気で、先調子以外のシャフトを探すのが難しいほどです。もともとヘッドが走りやすい長尺の場合は、ヘッドの挙動を安定させるためにも手元調子や中調子のシャフトのほうが意外と相性はいいんです。

【掟⑥フレックス】しなりやすくなるので少し硬めする

木名瀬 ヘッドを軽くすることでバランスを調整した場合は、フレックスを変える必要はないですが、そうでない場合はひとつ硬めのフレックスにしたほうがいいですね。「SR」を使用しているのであれば「S」にしてみるといいと思います。

画像: 長尺ドライバーはやや硬めに。「SR」の人ならば「S」シャフトに

長尺ドライバーはやや硬めに。「SR」の人ならば「S」シャフトに

思い切って1.5~2インチ長くしてみよう!

木名瀬 リシャフトで長尺にする場合、「どれくらい長くすればいいのか」と聞かれたら、「思い切って1.5~2インチ長くする」ことをオススメしています。最初は短く持って慣れればいいですし、長すぎれば切ることもできますからね。ぜひ試してみてください。

画像: 思い切って1.5~2インチ長くしてみよう!

週刊GD2018年12月11日号より

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