【解説】武田登行プロ
豊富なアマチュアの指導経験を持ち、理論的なレッスンには定評があるスウィング研究家。松原ゴルフアカデミーのヘッドプロ
── なぜ長尺になると、ダフったり、振り遅れたりする人が多いのでしょう?
武田 振り遅れやダフリは、ダウンスウィングで手元が浮くことで起こりやすくなります。手元が浮くいちばんの原因は『力み』。長尺で飛ばそうという意識が力みになります。飛ばそうという意識ではなく、むしろ飛ばすのはクラブに任せるくらいの意識で振るのが、長尺ドライバーのポテンシャルを引き出すコツです。
長尺を打ちこなすには4つのステップがあると武田プロ、詳しく教えてもらった。
“長尺スウィング”4つのSTEP
【STEP1】まずは短く持って振ってみよう
武田 せっかくクラブを長くしたのに「短く持ったら意味がない」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。グリップを余らせて握ることで、いわゆる「カウンター効果」により断然振りやすくなるんです。同じ46インチでも、目一杯長く握った46インチと、47インチを1インチ余らせて握った46インチでは、後者のほうがカウンター効果でシャープに振れる分、飛距離は出ます。慣れてきたら徐々に長く握ればいいんです。
【STEP2】クラブ2本素振りで手元を意識
武田 ステップ2は、写真のようにドライバーとアイアンを重ねて2本で素振りをします。手元に重量があることで、長尺を打ちこなすのに必要なヘッドと引っ張り合う「手元の動き」を自然に意識しやすくなるからです。
【STEP3】 両手を組み体幹でボディスウィング
武田 遠心力が強まる長尺ドライバーは、体幹でスウィングすると簡単にコントロールできます。ボールを打つ前に、両腕を写真のように組んで体を回転させる練習をします。体幹で振る感覚をつかみやすいので、試してみてください。
【STEP4】 「4:6」「3:7」のイメージで大きなフォローで振り切る
武田 スウィングアークが大きくなる長尺ドライバーは「当てて終わり」のスウィングになりやすい。そこで、普段のスウィングのテークバックとフォローの比率が5:5だとしたら、4:6あるは3:7くらいのイメージで、フォローを大きくすることを心掛けましょう。このイメージでスウィングすれば『振り遅れ』も防止することができ、長尺でもしっかりと振り切ることができます。テークバックを小さくしても、打ち急がずに「間」をとってゆったり振るのがポイントです。
飛距離の面では大きなポテンシャルを持った長尺ドライバー。冬の間にコツをつかんで、春からの大きな武器にしよう。
週刊GD2018年12月11日号より