安定した挙動で本番力が高い
ツアーモデルということで全体的にシャープな上級者好みの顔つきです。9Iから打ってみると、軟鉄鍛造の1ピース構造らしいソフトな打感で、フェースにボールが乗ってくれます。続いて、中空構造の5Iと7Iを打つと、9Iと比べて、打感や打音に微妙な違いはあるものの、特に気になるほどではありません。内部の充填剤の効果か、中空ヘッドにありがちな、打感や打音の悪さは上手に解消されています。(堀越)
一般的なアスリートモデルに比べると、ほんの少しロフトが立っていますが、適度な弾道の高さで、飛距離もしっかり出てくれます。オフセンターヒットに強く、特にトウ寄りに当たっても、方向性や飛距離が安定しています。
ヘッドの挙動が安定しているので、ラフやライの悪い場所からでも、フェアウェイと同じように打てる。本番力の高いアイアンで、グリーンオンを逃すミスが、確実に減らせるでしょう。
もう少しアイアンを飛ばしたい、やさしく打ちたい。そんな上級者にオススメです。(堀越)
クラブ慣性モーメントは抑えめ
クラブ重さがやや重いですが、クラブ長さはやや短く、スウィングウェートも小さいので、クラブ慣性モーメントが抑えられています。ヘッドはテーラーのプロモデルらしくオーソドックスな形状で構えやすく、P730アイアンよりやさしいイメージが出ています。(松尾)
試打クラブはモーダス3ツアー105でしたが、ストレートネックと大きなロフト角で球は上がりやすいです。また、ヘッドは中空構造で、フェース面は硬いステンレス製なので、基本的には打感は硬く弾く感じがします。
ゆるやかなダウンブローに合うソール形状
米国モデルにしてはバウンス角が大きくないので、ターフをあまり取らないゆるやかなダウンブロースウィングに向いています。操作性が高く、インテンショナルにフェード、ドローと打ち分けもしやすいアイアインです。(松尾)
【総合評価】 スピン性能 4.5/抜けのよさ 3.5/上がりやすさ 4/ミス許容 3.5/操作性 4.5 ※5点満点
ヘッド/軟鉄鍛造+SPEEDFOAM+SUS630
ロフト角/33度(7I) ライ角/62度(7I)
長さ/37㌅(7I・NSプロ モーダス3ツアー105)
シャフト/NSプロ モーダス3ツアー105(S)、
ダイナミックゴールド(S200)
総重量/約408g(5I、NSプロモーダス3ツアー105)
価格(税込)/15万8740円(5I~PW6本セット・NSプロ モーダス3ツアー105)
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2018年12月18日号より