「分離」の意味をもっと知りたいと、宮本プロの腰に黄色と肩に青色の板を付け、真上から撮影したら、肩と腰のねん転差はどう写るのか試してみた。「面白い写真が撮れましたね。まずトップで肩がだいたい90度、腰がそれよりも少し回っていない状態が見てとれます。僕はヒールアップして腰を回すタイプなので、腰の回転は他の人よりは深いと思いますが、トップでもねん転差は生まれます」(宮本)

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【解説・指導】宮本勝昌プロ
ツアーイチの「分離」研究家。ツアー通算11勝を上げ。そのうち5勝が公式戦という勝負強さに定評がある。

上から見るとよくわかる「下半身リード」

【トップ/腰よりも上体のほうが深く回る】

画像: 体を回りやすくするためヒールアップする宮本プロは、トップでの腰の回転も大きい。しかし、上下のねん転差はしっかりある

体を回りやすくするためヒールアップする宮本プロは、トップでの腰の回転も大きい。しかし、上下のねん転差はしっかりある

「そして切り返しで下半身、腰が先行してまわり、上体が遅れて下りてくるのでプロペラのように黄色と青色の板の差が一気に広がります。これが切り返しの上下の分離(ねん転差)になるのです。この切り返しでねん転差が最大に広がる形が大切で、『いかにもパワーが溜まるな』って感覚になりますよね。その後、クラブの遠心力が加わり、上体の青色の板が一気に追いつき、ねじり戻しがパワーとなって球が飛ぶんです」と宮本プロは言う。

【切り返し/足、腰が動き、上体が遅れてねん転差ができる】

画像: 切り返しで上下の板の差が最大になっている。左足は踏み込み、左腰もターンしていることがわかる

切り返しで上下の板の差が最大になっている。左足は踏み込み、左腰もターンしていることがわかる

[NG]手からスタートすると青色の板と黄色の板の差が縮まり、ねん転差が生じない

画像: 上から見るとよくわかる「下半身リード」

【インパクト→フィニッシュ/青色の板が黄色の板を追い越してフィニッシュ】

画像: ねじり戻しの力でクラブの遠心力が働き、インパクト直前には肩は猛スピードで回る。フォローでは肩が腰を追い越す

ねじり戻しの力でクラブの遠心力が働き、インパクト直前には肩は猛スピードで回る。フォローでは肩が腰を追い越す

手を遅らせることで「ねん転差」は作れる

画像: 手を遅らせることで「ねん転差」は作れる

2018年シーズン、ついに完全復活したタイガー・ウッズ。2月のホンダクラシックでとらえた練習シーンがこの写真。これっていったい何をしているの? 宮本勝昌プロに訊いてみると、「切り返しで上半身と下半身のセパレーション(分離)の動きを確認しているんですよ」と教えてくれた。

上半身と下半身の分離はとは、上半身がまだテークバックを終える前に、下半身がダウンスウィングの動きに入るというように、上と下が別々の動きをすることです。「タイガーの写真からわかるのは、切り返しでは上体を右に残すのではなくて、手だけを右に残して下半身を動かしているということ。これだと一番長いドライバーはもちろん、短いウェッジでもねん転差が作れ、体で振れるようになるのが利点です」(宮本)

【タイガー・ウッズ2018ドライバースウィング】

トップまでは自然体で無駄な力が入っていない。切り返しからは大胆に下半身を動かして、上体とのねん転差を作っている

【通勤GD・今日のポイント】どれもスピードが上がりません。「切り返し」3つのアベコベ

アベコベ①手だけで下ろす

画像: アベコベ①手だけで下ろす 手が先に動くと、ほぼ確実にカット軌道になりスライスが出やすい

アベコベ①手だけで下ろす
手が先に動くと、ほぼ確実にカット軌道になりスライスが出やすい

アベコベ②腰が回らない

画像: アベコベ②腰が回らない 体ごと左に動くと入射角が鋭角になったり、フェースが開いたりする

アベコベ②腰が回らない
体ごと左に動くと入射角が鋭角になったり、フェースが開いたりする

アベコベ③上下一緒に動き出す

画像: アベコベ③上下一緒に動き出す 上体と下半身が一緒に動いてしまうと、ねん転差ができないのでスピードを生み出せなくなる

アベコベ③上下一緒に動き出す
上体と下半身が一緒に動いてしまうと、ねん転差ができないのでスピードを生み出せなくなる

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