ゴルフにもワールドカップがあり、長い伝統を持っている。1957年には前身のカナダカップで中村寅吉と小野光一が、2002年には丸山茂樹と伊澤利光のこのコンビが優勝するなど、日本代表も輝かしい成績を残している。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。

1991年に「日本代表」としてワールドカップに参加したことがあるんです。東聡くんと組んで、イタリアに遠征しました。イタリアってそれほどゴルフが盛んじゃないようで、有名なプロゴルファーも、コンスタンティノ・ロッカと、最近のエドアルド&フランチェスコ・モリナリ兄弟くらいですよね。

とくに盛り上がっていた印象もないし、試合会場も町から1時間くらい離れたところにあって少し不便だったと記憶しています。

このとき、ニック・ファルドのいたイングランド代表と戦いました。1989、90年とマスターズを連覇し、全英オープンにも勝ってまさに全盛期を迎えていたファルドのスウィングは、すごく機械的で、少し「硬い」という印象を受けましたが、バカみたいに飛ぶし、すごいオーラをまとっていました。

たしか、ぼこぼこにやられたんじゃなかったかなぁ。でもテレビの印象どおり、なんだか暗~いヤツでしたけどね(笑)。

欧米人とパワーで勝負しても敵わない

このニック・ファルドやニック・プライス、そしてアーニー・エルスら、90年代を席巻したトッププレーヤ―たちの多くは、デビッド・レッドベター流のスウィングでした。

レッドベターの理論は、1992年に日本でも「ザ・アスレチック・スウィング」という本が出て、「ボディターン」という言葉とともに大流行しましたが、僕が目の当たりにした当時はまさに最先端でした。

しかし、生で見た僕としては、ファルドのスウィングを「硬い」と感じたように、あまりにメカニカルなスウィング理論だという印象でした。

体が大きくてパワーが十分になる欧米人が、そのあり余るパワーを殺して方向性を高めるための理論というイメージです。その意味では、飛ばない僕が手を出すべき理論ではないなと思いました。

そんなことを言いながらも、後年、飛距離を求めてスウィング改造に取り組んだ際に、僕はレッドベターアカデミーの門を叩いています。結局スウィングのバランスを壊してスランプに陥ってしまったことを考えると、当時の印象は間違っていなかったのでしょうね。

海外での試合を経験すればするほど、僕がこういうパワーヒッターと力で勝負しても無駄だという思いは強まっていきます。マーク・カルカベッキアと一緒に回った時などは、飛距離自体よりも体の持っているパワーの違いにあきれてしまったのを覚えています。

それでも、自分にもう少し飛距離があったらと思うことも一度や二度ではありません。あと10ヤード飛べばもう少し楽に戦えるのに。だからこそ、スウィング改造に取り組んだりクラブをいろいろ工夫したりもしたんです。今回は上手く振れば飛ぶ長尺のコツをお教えしましょう。

【通勤GD・今日のポイント】飛ばしを考えれば長尺はやっぱり有利

【長尺のポイント①】トップで右、フォローで左の股関節に乗るイメージで振る
長尺ドライバーの長さを生かすには、大きなスウィングアークで振ることが大事。スウィング軸をテークバックでは右の股関節上に、フォローでは左の股関節上に意識し、この軸を傾けず、左右にスライドさせながら回転する感覚で振ろう。

画像1: 欧米人とパワーで勝負しても敵わない

【長尺のポイント②】フォローは大きくクラブに振られる感じ
フォローでは、少し右に体重を残すイメージで手元を体から離さずにヘッドを大きく振り出す。手元とヘッドが引っ張り合う感じだ。

画像2: 欧米人とパワーで勝負しても敵わない
画像3: 欧米人とパワーで勝負しても敵わない

月刊GDより

毎年シーズンオフにはチーム芹澤も合宿する、ハワイ島ツアー5日間の旅

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