連続写真をヨコではなく、タテに並べることで見えてくるスウィングの肝がある。映像とも違う、写真ならではの上達のヒントを、自身のスウィングのブラッシュアップに活用する本企画。それを実践していたという尾崎直道プロのもとへ取材に行った。

かつて、尾崎直道プロは参考にしていたトム・ワトソンの連続写真をタテに並べてスウィングをチェックしていたという。そんな噂を聞きつけ、本人に直撃取材を敢行。

「タテに並べれば、いろんなことがわかる」by尾崎直道

画像: タテに並べた連続写真を見ながら、正面の鏡でスウィングチェックを繰り返していたと話す直道プロ

タテに並べた連続写真を見ながら、正面の鏡でスウィングチェックを繰り返していたと話す直道プロ

直道 ボクは若いころから体が硬くて悩んでいたんだけど、トム・ワトソンも体が硬いのにスウィングは滑らかだったからマネしたいなって。いつもスウィングチェックをしている鏡の前の床に、連続写真を置いてみたんだ。でも写真が横に並んでいると下を見て鏡を見てチェックという時に見づらくて。でタテに置いてビックリ! タテに並べると下を見ながら鏡でチェックしやすいうえに、軸もフットワークも丸わかりだったんだ。それからは鏡でのワトソンチェックが日課になったよ。

画像: ゆがみのないきれいな台形のアドレス(上) 左ひざで体重を受け止め壁ができている(中) 左足を支点に腰がクルッと回る(下)

ゆがみのないきれいな台形のアドレス(上)
左ひざで体重を受け止め壁ができている(中)
左足を支点に腰がクルッと回る(下)

画像: 「写真をタテに並べて、左足に沿って1本線を引くだけで、スウィングが立体的に見えてくる」と実演

「写真をタテに並べて、左足に沿って1本線を引くだけで、スウィングが立体的に見えてくる」と実演

タテ並べでわかること
右で受け止め、左で受け止める、流れないフットワーク

画像: タテ並べでわかること 右で受け止め、左で受け止める、流れないフットワーク

スウィング中のフットワークはタテに並べるとわかると直道プロ。

直道 トップでは右足内側で体重を受け止め、ダウンスウィングからは左足内側で体重を受け止める。この動きがタテに並べ左足に線を引くことで見えてくる。切り返しで左足から動き、上体は左に動かない、プロのフットワークが見えてきますよ。

画像: 左右にスウェイしないから、頭がブレず軸が生まれる。(2013年のスウィング)

左右にスウェイしないから、頭がブレず軸が生まれる。(2013年のスウィング)

体全体が流れるとスウェイになってしまう。両足の内側でいかに体重を受け止め、上体が流れていないかを確認するにはタテ並びがもってこいだという。

タテ並べでわかること
左右に頭が動かず、その場で回る。ブレないスウィング軸

画像: タテ並べでわかること 左右に頭が動かず、その場で回る。ブレないスウィング軸

ワトソンの頭の位置をよく見てほしいと直道プロ。

直道 ダウンスウィングまで頭の位置と顔の向きは、まったく変わりませんよね。左足からスタートし、上体が流れていないので頭の位置は動かないんです。これがブレないスウィング軸になる。タテに見ることでおのずとその軸を感じることができますよ。

画像: 「頭の位置はもちろん、顔の向きも変わらないでしょ」(直道プロ)

「頭の位置はもちろん、顔の向きも変わらないでしょ」(直道プロ)

タテ並べでわかること
左足を踏み込んで、左ひざが伸びてターン。切れ上がる腰の回転

画像1: タテ並べでわかること 左足を踏み込んで、左ひざが伸びてターン。切れ上がる腰の回転

タテに引いた線で腰の動きも勉強になるという。

画像2: タテ並べでわかること 左足を踏み込んで、左ひざが伸びてターン。切れ上がる腰の回転

尾崎 左足の線に沿って左足がフォローで伸びていると思いますが、これが大事で、左足が踏み込んで、そのあとクルッとターンしています。この踏み込んでターンがスウェイ防止にもなるし、ヘッド速度アップにもつながります。今のスウィングはもっとジャンプするくらい左ひざが伸びて、腰が激しく切れ上がりますよね。僕も現在この切り上げに挑戦してます。

今はジャスティン・トーマスがお気に入り

画像: 「このキレ上がる感じいいよね」(直道プロ)

「このキレ上がる感じいいよね」(直道プロ)

尾崎 インパクト直後に完全に腰が目標を向いて、左ひざが伸び切ってジャンプしている。この腰を今は目標にしています。

画像: 「左右の動きと軸が見やすいから、スウィングづくりの参考になるはずだよ」

「左右の動きと軸が見やすいから、スウィングづくりの参考になるはずだよ」

月刊GD2019年5月号より

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