数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はタイトリストの「TS4 ドライバー」です。

中段道の強い球が出るアスリート向けモデル

構えた感じは同シリーズの「TS3」を小ぶりにした印象です。フェースに近いソールのウェート位置から想像できるように、打ってみると浅重心らしい中弾道で強い球になります。(堀越)

画像: フェース寄りのウェートで浅重心設計。また、430㏄の小ぶりヘッドで出球を操ることができる

フェース寄りのウェートで浅重心設計。また、430㏄の小ぶりヘッドで出球を操ることができる

ロフト9.5度のヘッドを試打しました。TSシリーズ共通の初速の速さに加え、浅い重心によるロースピンで、飛距離性能が高いです。ヘッドサイズが小さく、ヘッドターンさせやすいですが、ボールがつかまりすぎることはないので、パワーヒッターが左へのミスを怖がらずに振り切っていける特性を持っています。

画像: 低・浅重心で強い球が打ちやすい

低・浅重心で強い球が打ちやすい

こういったバリバリのアスリート向けドライバーは、操作性の高いモデルが多いですが、このクラブは直進性の高さが特徴です。ロフト9.5度だとヘッドスピード45㎧以上は欲しいですが、10.5度のヘッドを選んだり、シャフトを工夫すれば、42~43m/sくらいの人でもじゅうぶん使えます。ただ、ある程度ミート率の高い、ローハンディの人向けです。

画像: 純正シャフトはSにしては少し軟らかめ

純正シャフトはSにしては少し軟らかめ

ヘッドが上から入るタイプで、バックスピン量が多めの人にオススメ。200回転ぐらいスピンが減らせて、飛距離のロスを防ぐことができるでしょう。(堀越)

操作性が高く、つかまりすぎない

実測でクラブ重さはやや重めですが、クラブ長さが標準なので、クラブ慣性モーメントが抑えられ、ヘッドは小ぶりですが、全体に丸いゲンコツ型で力強さを感じます。オープンフェースで、アドレスではフェースがかぶらず、リアルロフトは厳しめ。ソールのウェートはややトウ寄りで、過度な球のつかまりを防いでいます。(松尾)

9.5 度の標準シャフト(60g台のS)を試打しましたが、小ぶりなヘッドゆえにネック軸回りの慣性モーメントが小さくなり、ヘッドの操作性が高いです。

画像: オープンフェースで左に行きにくい

オープンフェースで左に行きにくい

球を操りたい人、スピン量が多い人

つかまえやすく、また、インテンショナルにドローやフェードを打ちやすくなっています。そして、低重心設計で低スピンの球を打ちやすく、ヘッドスピードが47m/s以上の飛ばし屋に向いていると思います。(松尾)

画像: 球を操りたい人、スピン量が多い人

【総合評価】 飛距離性能 4.5/つかまり 4/上がりやすさ 4/ミス許容 3.5/操作性 4.5 ※5点満点

ヘッド体積/430cc
ロフト角/8.5度、9.5度、10.5度
ライ角/58.5度
長さ・シャフト/カスタム対応
総重量/310g(ツアーAD タイトリスト60・S)
価格(税込)/7万7760円~(ツアーAD タイトリスト60)
※メーカー公表値

画像: 【総合評価】 飛距離性能 4.5/つかまり 4/上がりやすさ 4/ミス許容 3.5/操作性 4.5 ※5点満点

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊GD2019年8月6日号より

画像: golfdigest-play.jp
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