HS42m/s以上ならフライヤーを警戒
夏はラフの芝も長くなって、ボールが半分以上埋まってしまうこともしばしば。こういう状況のとき、プロはどういうことを考えるのですか?
高柳 ラフにすっぽり埋まってしまうと、フライヤーするのか、それとも距離が落ちるのか、ボクたちプロでも判断が難しいんですよ。なので、ボールがどんな状況にあるのか、しっかりとチェックします。
── フライヤーするのかしないかの境界線は、ヘッドスピード(以下HS)でどのくらい?
高柳 ドライバーで42m/s以上なら7番アイアンぐらいからフライヤーになる可能性があります。ただHSがそこまで速くない人でも、スピン量が減って、グリーンで止まりにくくなることを頭に入れておきましょう。
── 状況判断の手順は?
高柳 まず、ボールの近くで素振りをしてみて、ラフの抵抗の強さを確認します。次にボールが埋まっているラフの芝の状況をチェック。密度は高いのか低いのか。グリーンに向かって芝目はどうなっているか。ラフに使われている芝の種類も重要。それらを総合的に判断して、狙えるのか、脱出を優先するのかを明確に決めましょう。
密度、芝目、芝質の3つを見極める
【その一】芝の密度
芝の密度が高いと抵抗も強くなるし、フェースとボールの間に挟まる芝も多くなるので脱出に徹しよう。密度が低いとその逆。すっぽり埋まっていても、番手なりの距離が出せる。
【チェック法1】しっかり素振り
グリーン、あるいはピンまでの距離を考慮してクラブを選んだら、ボールの近くで素振りをしてみよう。ラフの抵抗が強く、ヘッドが振り抜きにくいなら、番手なりの距離を出すのは難しい。上手く脱出できずに、またラフから打つことは避けたい。
【そのニ】芝目(芝がどちらに倒れているか)
グリーンに向かって順目のライなら、芝の抵抗が小さいため、飛ばないことよりもフライヤーを警戒。逆目はヘッドの抜けが悪くなるので、無理に狙うのは禁物。
【その三】芝の種類
野芝は葉が太くて強いため、長いラフに埋まっていても、地面との隙間ができて、フライヤーしやすい。洋芝は葉が細くて弱いのでボールが沈むため脱出を優先する。
【チェック方法2】しっかり芝を見る
ボールがどのくらい埋まっているかだけでは、正確な状況判断はできない。スッポリ埋まっていても、芝の密度や芝目、芝質によっては、グリーンを狙えるケースもある。夏ラフだから出すだけと諦める必要はない。
いけない!と判断したら……「番手を下げてフルショット!」
高柳 脱出優先で振り幅を抑えると、芝の抵抗に負けて、まったく飛ばないミスが起こります。残り150YならPWでしっかり振ります。
目玉のラフ、打ち方編に続く
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Toshiyuki Funayama ILLUST/Maki Kojima
週刊GD2019年9月3日号より
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