前回まではバックスウィングにまつわる話。今回はテークバックの動き出しのきっかけについて「Mr.ベーシック」湯原信光が語った。アドレスで固まつてしまうアマチュアと、湯原のスタンダードである自然体のアドレスをじっくり見ると、ある意外なスポーツとの共通点が見えてきた。今週の通勤GDは「迷ったとき、ユハラに帰れ」、その第11話。

前回第10話のお話

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【湯原信光プロ】
ツアー7勝、シニアツアー1勝の日本を代表するショットメーカー。とくにアイアンショットの切れ味は、右に出るものはないと言われた。現在は東京国際大学ゴルフ部の監督も務め、後進の指導にも力を注いでいる。

アドレスは動いていい

GD アドレスで固まってしまって、なかなか動き出せないアマチュアっていますよね。

湯原 そういう人は、筋肉が硬くなってスムーズなスウィングができなくなるので、ヘッドスピードを上げるのが難しくなってしまいます。ですから、体のどこかを絶えず動かして、テークバックのタイミングをとるようにしたほうがいいでしょう。

GD テークバックに入る直前の動きフォワードプレス。グリップを左(飛球方向)にわずかに動かす岡本綾子プロ。あごを少し右に傾けるところから始動するジャック・ニクラスのチンバック。グリップを何回も握り直すデビュー当時のセルヒオ・ガルシアのリグリップなどが頭に浮かびます。湯原プロにも、そういうスウィングの始動のきっかけのようなものはあるんですか。

画像: テークバックをスムーズに始動するには、自分の体内リズムと合っていることが重要で形は人それぞれ。湯原の場合は「しいて言えば足踏み。それも、靴のなかで動く程度のわずかなもの」

テークバックをスムーズに始動するには、自分の体内リズムと合っていることが重要で形は人それぞれ。湯原の場合は「しいて言えば足踏み。それも、靴のなかで動く程度のわずかなもの」

湯原 私の場合、自然とテークバックが上がるタイプらしく、とくに何かをきっかけとして動き出すというのは考えたことはないですね。しいて言えば、バタバタと足踏みするようにスタンスを動かすことぐらいでしょうね。

GD 先日、湯原プロのラウンドを見ていて気がついたんですけど、グリーン周りでのアプローチのときに、フォワードプレスを少し入れてからテークバックをしていたように見えましたが……。

自分の動きだしやすいように動く

湯原 低くボールを打ち出したいときだけ、ギュッとグリップを左に押し込む動きをしてテークバックに入っています。そのほうが、打とうとしているボールのイメージを出しやすいからです。

湯原 しかし、高い球筋のアプローチや普通のショットのときは、ドライバーもアイアンもフォワードプレスはやっていません。フォワードプレスは、アドレスの位置からフェースをかぶせるような動きなので、アドレスでセットしたロフトやフェースの向きが変化してしまうから、それは極力やりたくないんですよ。

画像: 低めの球を打つ時はフォワードプレスしてテークバック

低めの球を打つ時はフォワードプレスしてテークバック

画像: 自分の動きだしやすいように動く

GD 確かにフォワードプレスをすると、手が左へ動いたぶんだけロフトが立つ形になりますね。ガルシアのリグリップも何度かグリップを握り直すんですから、やはりフェース面はその都度、一緒に動いていると考えられます。

湯原 あれは一種のワッグルでしょう。縦にヘッドをトントンという感じでワッグルする人もいるし、インパクトをイメージするような横のワッグルをする人もいますが、いずれにしても、一連の動きのなかで、自分が動き出しやすいようにやる必要がありますね。

週刊GD2013年より

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