【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回の話し
Q、カーボンシャフトの重さは?
シニアのクラブ競技に出られる年齢になったので、アイアンのシャフトをカーボンに替えようと思うんですが、どのぐらい軽くすればいいですか? スチールからなので重めがいいですか? (55歳・HC8 ・自営業)
A、軽くしなければ効果が出ない
「55歳になったので、今年からクラブ競技のシニア選手権にも出ようと思うんですが、この機会に思い切ってアイアンをカーボンシャフトに差し替えよう、と。フジクラの『MCI』とか」
「ああ、いいんじゃないかな。番手は5番からPWなら6本だから、6万円ぐらいでできるよ」
まあ、型落ちの6本セットを買い換えるのとトントンかな(笑)。
「ただ、どの重量を選べばいいのかわからなくて……」
「今、使っているのは110グラム台のスチールだったよな」
「それで、100グラム台がいいのか、70グラム台ぐらいがいいのか、迷っているんです」
「そりゃ軽くしたほうがイイよ。90グラム以上なら安価なスチールで十分。せっかくのカーボンなんだから、軽くしなきゃ、な」
「でも、いきなり軽くすると調子が狂いませんかね?」
確かに、ただ軽くするだけじゃダメ。長さやヘッド重量を調整する必要はある。
「なぜ、カーボンシャフトにしたいか、ちゃんと考えてるかい?」
「それは、シニアになって、少しラクしたいから……」
「ラクってのは今より体の負担を少なくしても、その番手の距離を届かせたい、てことだよな? だったら、シャフトは軽くして、同時に長くしないと。1番手分、半インチは伸ばしたいかな」
軽量シャフトにするメリットは、5番、6番が楽に打てること
「長くするとミート率、悪くなりませんかね?」
やれやれ、シングルさんが何を言ってるんだか。
「もっと長いUTとかFWを打ちこなしといて、当たらないわけないさ。お前さん、3、4番アイアンはとっくにUTに換えたよな。で、今度は5番アイアンはUTに換えずに、カーボンシャフトにして使い続けたいんだよな?」
「まだ170ヤード前後は、アイアンで打ちたいんですよ。ロフトのあるUTだと、ヘンに上がって、風でブレそうで……」
「だから、シャフトを軽く、長くして弾道を少し持ち上げるぐらいがいいんだよ。半インチ伸ばすなら20グラムくらい軽くすれば十分だけど、今回は30グラム軽くなる『MCI 80』を薦めようか」
シャフトの軽量化は、正直ショートアイアンにはメリットが少ない。ただ、軽くしても打てなくなるわけじゃない。
「30グラムも軽くすると、半インチ伸ばしてもバランスが出ない。そのぶんヘッドに鉛を貼る余地ができる。これでヘッドの挙動やスピン量を調整できるから、シニアの上級者にはプラスだと思うけどね」
「それなら『80』でいいです。6本とも半インチ、伸ばしてください」
「『70』は先中調子だから、もっと上がりやすくなるんだけど、あまり振り心地が変わっても難しくなるしな。「80』でも慣れるまでは、鉛を多めに貼って、半インチ短く持って打ってみるのもいいよ」
「でも、ライ角とかは?」
「長くなると相対的にアップライトになるけど、少しつかまりやすくなるくらいさ。多少打ち込んでから、調整すればOKだよ。なに、最初の調整くらいはタダにしてやるから(笑)」
ほかにもアレンジとして、0.75インチ刻みにして長い番手はヘッド速度を上げ、短い番手は飛ばさないようにするとかもできる。打ちやすさを考えてロフトを寝かしバウンスを増やす、なんてのも。まあ、5、6番を打ちやすくすることを軸に考えるんだな。
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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