2019年、「ZOZOチャンピオンシップ」でツアー通算82勝目を挙げたタイガー・ウッズ。バーディを量産したズバズバ決まるパットが印象に残った人も多いだろう。どうすればタイガーのようなパットが打てるのか? 中井学プロに尋ねると「タイガーの技術と道具に"パット選びの肝"がある」とのこと。くわしく話を聞いてみた。
画像: 【解説】中井学プロ パットの悩みを解決するためにあらゆる研究とテストを重ねて、独自の理論を構築。

【解説】中井学プロ
パットの悩みを解決するためにあらゆる研究とテストを重ねて、独自の理論を構築。

厚いインパクトで狙いどおり転がす、ズバズバ決まる!

出場試合で確実に活躍する最近のタイガー。そのパットについて「小さな動きで強い球足。まさに全盛期のタイガーのパットですね」と中井プロ。

中井 タイガーは、パットもショットと同じように考えているのだと思います。だから、パットだけストレート軌道にせず、イン・トウ・イン軌道でストロークしているのでしょう。

画像: 小さな動きで強く打ち出すタイガー

小さな動きで強く打ち出すタイガー

中井 小さな動きで強い球足なのは、しっかりボールをつかまえてストロークしているから。「真っすぐ、真っすぐ」ヘッドを動かそうとせずに、フェースの開閉を入れてボールの芯を打ち抜く。だからこそ、小さいストロークでも芝目や傾斜の影響を受けにくい重い球で転がるんです。

小さな動きで強い球足。ゆるみが一切ないストローク

画像10: 【パット研究】タイガーの構えと打ち方、ギア選びに詰まった「パッティングの極意」、中井学プロが解説!

中井学プロのチェックポイント!
アドレスからインパクトまで帽子のつばの向きがまったく変わりません。
支点を固定して、手先ではなく、体の大きな筋肉を使いストロークしているのがわかります。
写真を見ても体のどこが動いているかわからないくら静かだけど、ヘッドはしっかり動いている。体もヘッドもゆるみがまったくないです。

中井 (グリーン上で)この球を打ちたいからこそ、操作しやすく、変に球が飛びすぎないパターを長年愛用している。「入るパット」の考え方のヒントになると思いますよ。

タイガーのエース
ニューポート2 GSSプロト(スコッティキャメロン)

画像: サイトライン(直線)なしの「ドット」がタイガーの好み

サイトライン(直線)なしの「ドット」がタイガーの好み

中井 ショットのようにストロークしたいタイガーには、サイトラインは邪魔なんでしょう。

シンプルなドットのみのニューポート2。

画像: 薄く鉛を貼っている

薄く鉛を貼っている

画像: 細めのオーソドックスなPING刻印グリップ

細めのオーソドックスなPING刻印グリップ

タイガーはドライバーからパターまで
インパクトイメージが一緒

使用クラブのフェース面を見ると、(全番手ともに)真ん中からややトウ寄りに打痕がある。

つかまった球を打つにはフェースターンが大切

中井 どの番手もややトウ寄りでとらえるイメージで一貫していますね。パターもほんの少しトウ側で構え、包み込むようにしてボールをとらえている。ショットもパットも自分でボールをコントロールしたい表れです。

中井 フェースの開閉が入るとヘッドを低く長く動かしやすくなります。入射角が安定しやすいですし、フェースにボールが乗って、転がりのいい球になります。

中井 一方、フェースの向きを変えずに、真っすぐ動かそうとするとヘッドが高く上がって、ブランコのようなU字軌道になりやすいんです。

パッティングではライン取りとストロークの一致が大切

中井 グリーン上の傾斜を観察し、ボールからカップまでどの方向にどんなスピードで転がっていくかをイメージすることがパットでは不可欠。ブレイクポイント(ボールが曲がりだす地点)が、どこになるのかもボールの転がりスピードによってかわってきます。

スライスラインでもしっかりつかまえる
タイガーのパッティング

画像: 「スライスラインでもフェースの開閉を入れて、しっかりボールをつかまえていくタイガー。スーッと転がるボールになるので、薄めのライン取りでストレート気味にカップを狙っていけるんです」(中井)

「スライスラインでもフェースの開閉を入れて、しっかりボールをつかまえていくタイガー。スーッと転がるボールになるので、薄めのライン取りでストレート気味にカップを狙っていけるんです」(中井)

連続写真でチェック!

中井 しっかりつかまえた、球足の強いタイガーのパットはブレイクポイントがカップ近くになり、ライン取りも薄めになる。どういう転がりイメージを出したいかでもパターの選び方は変わってくるんです。

フックラインで左フチからカップイン。
ブレイクポイントがカップに近い証拠です(中井)

中井 フックラインの場合、カップの左サイドでボールを受けてもらい、入れようとしていると思います。それこそ曲がって壁ドンというイメージ。そこを最終到達点にすると狙いが内側になるぶん、ラインが浅くなってブレイクポイントがカップに近づきます。

画像: フックラインで左フチからカップイン。 ブレイクポイントがカップに近い証拠です(中井)

月刊GD2020年1月号より

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