トーナメント会場の練習場でよく見かけるシーンがある。それが、この腰を意識したような動き。でもよく見ると、みんなある部分を触ったりして動きを確かめているように見える?!
画像: 練習場で股関節を使う仕草を続ける石川遼

練習場で股関節を使う仕草を続ける石川遼

股関節が使えるようになるために

①股関節が使えていないスポーツ選手はいない

②なぜ股関節が重要?

③股関節を動かす絶対条件

④股関節を使うのに意識する部位

画像: 股関節が使えるようになるために

①【パワーの源】股関節が使えていないスポーツ選手はいない

ゴルフスウィングにおいて、そもそもなぜ股関節を使わないといけないのか。そこでゴルフをはじめ、各スポーツ界のプロアスリートが数多く通うトレーニングジム『BCプロジェクト』を主宰する稲葉弘泰氏に、股関節の重要性について教えてもらった。

稲葉 人間の体の構造上、股関節は使うようにできています。逆に使わないと、まともに歩行もできません。スポーツにおいても同じ。そもそも、使えていないプロアスリートはいません。

画像: タイガー・ウッズ

タイガー・ウッズ

では、股関節を使えるとどういう効果が出るのだろうか。

稲葉 股関節は、もっとも大きな関節であり、お腹の下、いわゆる体幹に近いところにある関節です。ですから、体全体の出力を出すための重要な部位になるんです。

稲葉 たとえば、野球のピッチャーがひじを壊すことがあります。あれは股関節を中心とした下半身を使えず、腕力でボールを投げているので、ひじに負担がかかり壊してしまうのです。ゴルフでいうと、いわゆる手打ちです。当然、飛距離が出るはずもありません。飛距離を出すため股関節の動きを使うのは、人間の構造的にも、出力を上げるためにも必要なことなのです。

②【スウィングにおける股関節とは?】飛距離を生み出すエネルギー

ゴルフスウィングにおける股関節の役割を、上田桃子などのトッププロを指導する辻村コーチに聞いた。

画像: 【解説】辻村明志コーチ つじむらはるゆき。1975年生まれ福岡県出身。上田桃子をはじめ、小祝さくらや永井花奈のコーチを務める。理論を押しつけず、それぞれに合った指導に定評がある

【解説】辻村明志コーチ
つじむらはるゆき。1975年生まれ福岡県出身。上田桃子をはじめ、小祝さくらや永井花奈のコーチを務める。理論を押しつけず、それぞれに合った指導に定評がある

辻村 股関節を使うことは、ボールにパワーが伝わるとイコールです。股関節が上手く使えないと、自分が振った以上のパワーは生まれないということになります。

スウィング中に股関節を上手く使うには、アドレスがもっとも大事だと続ける。

辻村 アドレスで股関節が“入った”状態でないと、安定感は生まれません。入るという表現がわかりにくければ、お尻が上がった状態を想像してください。まずは、この形を作ることで、股関節を使う準備ができるわけです。

画像: ②【スウィングにおける股関節とは?】飛距離を生み出すエネルギー

辻村 筋力がそれほどない女子プロが250ヤード飛ばせるのは、股関節を上手く使っているから。スウィングに個性はあっても、アドレスでお尻が下がっている選手はいません。みんな、股関節は入った状態で構えているんですよ。

【股関節が使えると①】締まったアドレスができる

プロのアドレスを見るとわかるが、お尻が上がった状態で構えている。これが股関節が入った状態で、安定感のあるアドレスになる。お尻が落ちた構えをしていると、スウィング中に股関節が使えない。

画像: 【股関節が使えると①】締まったアドレスができる

【股関節が使えると②】トップで力を溜められる

トップでゆるんでしまう人は股関節が上手く使えていないと言える。締まったアドレスができていれば、股関節が使いやすくなるので、トップでは右股関節でしっかりと体重を受け止めることができる。

画像: 【股関節が使えると②】トップで力を溜められる

【股関節が使えると③】インパクトでボールに力を伝えられる

同じヘッドスピードでも股関節が使えているのといないのでは、ボールにかかる圧力が違う。股関節が使えていれば、自分の力以上のパワーをボールに伝えることができる。

画像: 【股関節が使えると③】インパクトでボールに力を伝えられる

股関節が入ったタイガー・ウッズのアドレスはこちら

飛距離アップが実現するゴルフダイジェストのタイ合宿はこちら

③【股関節を動かす絶対条件】つま先寄りになりすぎないアドレスを作る

では、具体的に股関節を使うには、どのようにすればいいのか。アマチュアゴルファーにわかりやすいレッスンを行うことで好評の兼濱開人プロが教えてくれた。

画像: 【解説】兼濱開人プロ かねはまかいと。1990年生まれ沖縄県出身。中学時代に九州ジュニア優勝。高校1年でQT受験、翌年チャレンジツアーに参戦。若手理論派プロとして『広尾ゴルフインパクト』でコーチを務める

【解説】兼濱開人プロ
かねはまかいと。1990年生まれ沖縄県出身。中学時代に九州ジュニア優勝。高校1年でQT受験、翌年チャレンジツアーに参戦。若手理論派プロとして『広尾ゴルフインパクト』でコーチを務める

兼濱 股関節を動かすには、股関節を動かせるアドレスが絶対条件です。そこで提案したいのが、かかと体重にしてつま先を一度上げてから、構える方法です。こうすることで足裏全体でバランスよく立つことができ、上半身に力みやゆるみのない、股関節を動かせる準備が整います。

体の回転をスムーズにする“ゼロポジション”立ち

画像: しっかり腰を落として構えようとして、つま先寄りに重心がかかりすぎてしまうゴルファーが多いという兼濱プロ。一度、かかと体重にしてつま先を立てて下ろすだけで、足裏全体でバランスの取れたアドレス“ゼロポジション”が作れる

しっかり腰を落として構えようとして、つま先寄りに重心がかかりすぎてしまうゴルファーが多いという兼濱プロ。一度、かかと体重にしてつま先を立てて下ろすだけで、足裏全体でバランスの取れたアドレス“ゼロポジション”が作れる

股関節が動きにくい2大アドレス

アマチュアで見かけるのが、つま先重心が強すぎて骨盤が下がったアドレス(写真右)や、背中を伸ばそうと反りすぎたかかと体重アドレス(左)。当然、両方とも股関節を動かしにくく手打ちになりやすい。

画像: 股関節が動きにくい2大アドレス

④【股関節を使うには】お尻を引いて、押し込む

股関節を使ってスウィングする方法を兼濱プロに教えてもらった。

兼濱 股関節を入れて動かすには、お尻の動きを使います。

画像: テークバックで右サイドのお尻を後方に引いて、インパクト以降は左サイドのお尻を後方に引く。そのとき、右サイドのお尻を押し込むように使うと、より股関節を使える動きになる

テークバックで右サイドのお尻を後方に引いて、インパクト以降は左サイドのお尻を後方に引く。そのとき、右サイドのお尻を押し込むように使うと、より股関節を使える動きになる

兼濱 テークバックでは右サイドのお尻を引き、ダウンスウィングからフォローにかけて、左サイドのお尻を後方に引く。このとき、仙骨(上写真)を中心に回転してください。背面を意識することで、よりお尻の動きを使って、スウィングできるので股関節を使えます。

画像: 股関節を使うためにお尻を動かすポイントは、トップでアドレス時の腰幅より外側に出ないようにすること。左右に動くと股関節は入らない

股関節を使うためにお尻を動かすポイントは、トップでアドレス時の腰幅より外側に出ないようにすること。左右に動くと股関節は入らない

仙骨の意識して、そこを中心に回転

腰椎の最下部にある仙骨を中心に回転すると、お尻の動きを意識しやすくなるので、股関節が動かしてスウィングすることができる。

画像1: 仙骨の意識して、そこを中心に回転
画像2: 仙骨の意識して、そこを中心に回転

【チェック】トッププロの仙骨は動いてない

世界のトップランカーたちの背面から見たスウィングでもわかるように、仙骨が左右に動いていない。

兼濱 体重移動といいますが、スウェイしているわけではなく、仙骨を中心に回転すれば左右の股関節が動いて自然と体重移動は行われているんです。

画像1: 【チェック】トッププロの仙骨は動いてない
画像2: 【チェック】トッププロの仙骨は動いてない
画像3: 【チェック】トッププロの仙骨は動いてない

兼濱プロの股関節が入ったフォローに続く

週刊GD2019年12月24日号より

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