数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はキャスコの「ドルフィンウェッジ セミグース DW-120G」です。

独特なソールは、どんなライでも抜け、よく寄る

ソールの形状に特徴のあるドルフィンウェッジですが、構えたときの印象はオーソドックスな顔つきで違和感はありません。(堀越)

画像: 独創的なソールであらゆるライに対応。また、山型のバウンスで刺さりにくく抜けがいい

独創的なソールであらゆるライに対応。また、山型のバウンスで刺さりにくく抜けがいい

バンカーが苦手なアマチュアに多いのが、上から打ち込もうとして、リーディングエッジから鋭角に入り、ヘッドが深く刺さるミス。ヒール側にある"ヒールフィン"の効果で、鋭角に入っても、砂に深く刺さるのを防いでくれます。また、セミグースになったことで、ストレートネックより、入射角の許容度もさらにアップしています。

通常の芝からのアプローチでも、ソールの抜けは抜群です。目標に対してフェースをスクェアに構えて、ポンと打つだけ。ダフリやザックリ、トップのミスを怖がらずに、確実にグリーンに乗せられます。芝の薄いライの悪い場所からも打ってみましたが、ソールが跳ねたり、突っかかることなく、やさしく寄せることができました。

画像: ソールは独特だが構えた顔はオーソドックス

ソールは独特だが構えた顔はオーソドックス

アプローチでスコアを崩してしまうことが多いアベレージや、とにかくバンカーショットが苦手というエンジョイ派のゴルファーにとっては、大きな武器になります。非力な女性ゴルファーにもオススメですよ。(堀越)

使い込んだソール面が最初から手に入る

58度の軽量スチールシャフト仕様を試打・計測しました。クラブ重量が軽めで、クラブ慣性モーメントが抑えられています。(松尾)

ヘッドはフェース長めのティアドロップ形状ですが、ヒール側の高さが低いのでアドレスでフェースを開いてシャープに振れるイメージが出ます。

また、FP値が小さめのグースネックが特徴で、ネック長さが短く、フェース中央寄りの重心設計になっています。独特なソール面ですが、いわゆる"使い込んだソール面"のように作られていて、抜けがいいです。

画像: ネックが短いので重心距離は長め

ネックが短いので重心距離は長め

バンカーが苦手な人、ザックリのミスが多い人

ライを問わず使いやすいですが、特に硬めで締まった砂のバンカーでは、フェースに近いほうの狭いソール面を使って、ソールが跳ねないショットがしやすい。フェースのトウ側に芯があるので当たり負けしにくいです。(松尾)

画像: バンカーが苦手な人、ザックリのミスが多い人

【総合評価】 スピン性能 4/抜けのよさ 4.5/上がりやすさ 4/ミス許容 5/操作性 4 ※5点満点

ヘッド/軟鉄
ロフト角/44、48~60度(2度刻み)、64度
ライ角/63.5度(58度)
長さ/35㌅(58度)
シャフト/NSプロ950GH neo(S、R)、Dolphin DP-201(WEDGE)
総重量/約449g(58度、NSプロ950GH neo)
価格(税込)/1本1万9800円(NSプロ950GH neo)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

画像: ドルフィンウェッジDW-120G

ドルフィンウェッジDW-120G

週刊GD2020年2月11日号より

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