女子プロのグリップには工夫がいっぱい
両手密着率と手首角度でABCDタイプ分け
【解説/田島創志プロ】
たじまそうし。1976年生まれ。群馬県出身。日大ゴルフ部を経てプロ入り。2003年の久光製薬KBCオーガスタ 優勝。つねに新しい理論を吟味するゴルフの研究家
「パターの握り方は、両手の密着率と手首の角度でわけられる」というのは田島創志プロ。その分類とメリットなどを聞いていった。
両手の密着率。これが高いほど手首がスムーズに動きやすい
田島 まずは両手の密着率。操作性と関係していて、左右の手が密着しているほど手首がスムーズに動きやすく、ヘッドの開閉がしやすいため、操作性が高くなります。逆に左右の間隔が離れていると、手首が固定されるため、フェースをスクェアに保ち、体でストロークしやすくなります。
左右どちらかの手首が甲側に折れると、手首の自由度が減る
田島 次に手首の角度ですが、左右どちらかの手首が甲側に折れて角度がついている場合は、手首の動きの自由度が減り、逆に角度がついていない場合は。スムーズに動かしやすくなります。
最も操作しやすいAタイプから、オートマチックなDタイプまで、握りを4タイプに分類
Aタイプ①
手首の角度なし ×左右の密着率高
強気なパッティングが持ち味の渋野日向子プロだが、「そこには理由がある」と田島は言う。
田島 渋野プロの握りは、手首に角度を付けず、左右の密着率の高いAタイプ。このタイプはヘッドが返りすぎるという欠点がありますが、渋野プロは両腕で五角形を作ることで腕をホールドし、クラブの体の中心から外さないことでヘッドの返りすぎを防いでいます。
Aタイプ②
手首の角度なし ×左右の密着率高
田島 手首を曲げずに両手を密着させることで、手首の自由度が高まる。感性を生かせるグリップです。
Aタイプ③
手首の角度なし ×左右の密着率高
田島 両手首に角度がないため手の自由度が高く、ヘッド開閉しやすい握り方。太めのグリップ(スーパーストローク)で返りすぎを防いでいます。
Aタイプ④
手首の角度なし ×左右の密着率高
田島 ヘッド開閉がしやすい、ショットと似た握り方。出球のイメージが出しやすいメリットがあります。
Aタイプ⑤
手首の角度なし ×左右の密着率高
田島 イン・トウ・イン軌道のストロークで積極的にヘッド開閉を使い、球をつかまえにいくグリップです。
Aタイプが合うのは
「ボールがつかまらず右へのミスが多いタイプ」
田島 ヘッドの開閉がしやすくボールをつかまえやすいので、右へのミスが多い人に合います。イン・トウ・インに振るピン型との相性がいいグリップです。
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Bタイプ①
手首の角度あり ×左右の密着率高
田島 手首を固定することで、ヘッドの開閉を抑え、インパクトの再現性を高めています。
Bタイプ②
手首の角度あり ×左右の密着率高
田島 左手首に角度をつけることで、インパクトロフトを一定に保つことができ再現性が高まります。
Bタイプ③
手首の角度あり ×左右の密着率高
田島 左手首を甲側に折ると手首が固定されます。なおかつ、左手の甲でフェース面を感じられるため方向性が安定します。
Bタイプ④
手首の角度あり ×左右の密着率高
田島 左手首を固定し動きを抑えておき、肩をタテに回す。自然にアッパーで当たるため、転がりのいい順回転が生まれます。
Bタイプが合うのは
「距離感が合わずオーバーもショートも出るタイプ」
田島 手首を甲側に折るように固定することで手首の動きを抑えられるため、スクェアに当てやすく、かつ出球がそろい、タッチが合いやすい。
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Cタイプ①
手首の角度なし ×左右の密着率低
田島 両手の間隔を広げることで、手首の動きを抑え、かつフェース面の向きをスクェアに保ちやすくなります。
Cタイプ②
手首の角度なし ×左右の密着率低
田島 両手の間隔をあけることで手首の動きを抑制、パンチが入りづらくなります。
Cタイプ③
手首の角度なし ×左右の密着率低
田島 左右の手のひらを離して握り、手首の動きを抑えています。両手を合わせるように真横から握ることで面を意識できます。
Cタイプが合うのは
「片方の手の動きが強くパンチが入りやすいタイプ」
田島 特に利き腕の力が強く、余計な操作が入ってしまう人におすすめ。両手の間隔を広げ、一定の力感で打つことができます。
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Dタイプ①
手首の角度あり ×左右の密着率低
田島 右手首を甲側に折り、手の間隔をあけて握る。最も腕や手首の動きを抑えられる握り方です。
Dタイプ②
手首の角度あり ×左右の密着率低
田島 左手首に角度をつけ、かつ両手の間隔をあけることで、手首を固め体幹で打っていくグリップです。
Dタイプ③
手首の角度あり ×左右の密着率低
田島 左手首を甲側に折り、右手は添えるだけ。手元の動きを完全に抑え、振り幅で距離感を出していくグリップです。
Dタイプ④
手首の角度あり ×左右の密着率低
田島 右手首に角度をつけを固定しておき、左手の甲をフェース面とリンクするように握ることで方向性が安定します。
Dタイプが合うのは
「手のクセが強く出球がバラけてしまうタイプ」
田島 手の操作が強すぎてしまい、引っかけや右へ押し出すミスも出てしまう人向け。マレット型パターにも相性のいい握り方です。
自分のミスパット傾向から、お手本グリップを探してみては?
田島 女子プロのグリップを参考に、自分のミス傾向に合わせて、合うグリップを試してみてはいかがでしょう。悪いクセがグリップひとつで解消するかも知れませんよ。
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