数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はテーラーメイドの「SIMMAXレスキュー」です。

シャープな顔つきで
構えやすいユーティリティ

ローリー・マキロイがバッグに入れて、松山英樹がテストをしたことで注目のユーティリティ。小ぶりでシャープな顔つきのヘッドは上級者好みで、ターゲットに対して構えやすいですね。(堀越)

画像: 名器「Vスチール」のソールデザインを採用。重心距離が短くインテンショナルに球を扱いやすい

名器「Vスチール」のソールデザインを採用。重心距離が短くインテンショナルに球を扱いやすい

ユーティリティで多いのはフェースの下めで薄く当たるミスですが、意図的に下めで打っても、しっかり高さが出るし、弱い球になることもありません。

ヘッドはトウ寄りにボリュームがあり、フェースの少し先めに芯を外しても当たり負けしません。また、ボールのつかまりが少し抑えられているので、左へのミスを怖がらずに振っていけます。

画像: 軟らかめ設定でHS30 m/s台でも扱える

軟らかめ設定でHS30 m/s台でも扱える

カーボンシャフト装着の3UT(19度)と4UT(22度)、スチールシャフトの5UT(25度)の3本を試打しましたが、ロフトなりの高さはしっかり出てくれます。また、強い弾道で飛距離性能も高いですね。

画像: ツイストフェース搭載でミスヒットに強い

ツイストフェース搭載でミスヒットに強い

ただ一点、3UTと4UTに装着されたカーボンシャフトの重量が、少し軽すぎるのが気になります。ソールの抜けもよく、ユーティリティとしての性能は申し分ないので、パワーのある人はスチールを選ぶか、重めのカーボンにリシャフトして、全体の重量バランスを整えるといいでしょう。(堀越)

シムマックスレスキュー
重心距離が短く操作性が良い

画像: フェース下部の打点にも強い

フェース下部の打点にも強い

4UTを計測、試打しました。クラブレングスは標準的ですが、クラブ重量が軽いので、クラブ慣性モーメントが小さくなっています。(松尾)

オーソドックスな輪郭形状の小ぶりなヘッドで、米国モデルらしくオープンフェースです。FP値は大きいですが、フェース面に丸みがないのも特徴です。

TENSEIのSシャフトは軟らかめの設定で、HS30m/s台のゴルファーでも十分扱えそうです。UTとしてはヘッドが小さく、重心距離が短いのでヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも小さくなり、操作性が良くなっています。

自由自在に弾道を操りたい中上級者に

ヘッドの左右・上下の慣性モーメントが小さいのでやさしいヘッドではないですが、ヘッドの操作性の良さを生かしてドローやフェード、弾道の高低までインテンショナルに打ち分けしやすいクラブです。(松尾)

画像: 自由自在に弾道を操りたい中上級者に

【総合評価】 飛距離性能 5/つかまり 4.5/上がりやすさ 4/ミス許容 3/操作性 5 ※5点満点

ヘッド/ステンレススチール[450SS](ボディ)、
    ステンレススチール[C300](フェース)
ロフト角/19度(3H)、22度(4H)、25度(5H)
ライ角/60度(3H)、60.5度(4H)、61度(5H)
長さ/39.75㌅(4H、TENSEIBLUE TM60)
シャフト/TENSEI BLUE TM60(S、R)、
     KBS MAX85 JP(S)
総重量/約339g(4H、TENSEIBLUE TM60・S)
価格( 税別)/3 万4000円(TENSEI BLUE TM60)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

画像: SIMMAXレスキュー

SIMMAXレスキュー

週刊ゴルフダイジェスト2020年4月7日号より

ヘッドデータはウソつかない
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画像: golfdigest-play.jp
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