引き続き、2人の直感ラウンドは続く――。海老原がパターを打った瞬間「ゆるんだ!」とひと言。この言葉にプロとアマの「ゆるみ」の違いがあるようです。今週の通勤GDは新企画「もう一花のゴルフ」Vol.7。

画像: 【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.7 「あっ、ゆるんだ」の正体 ゴルフダイジェストWEB

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

前回のお話

グリーンの速さは芝の色
風の向きは葉っぱを見る

海老原 さっき、オクちゃんがカートから降りながら「このグリーンは白く見えるから速い」と言っていたけど、そういうのを感じ取るのもすごく大切です。

奥田 見たものから何を感じるかというのが大事。白っぽく見えたら速いし、黒っぽく見えたら遅い。それぐらいの情報は活用してほしいですよね。速そうに見えて、実は重いとか、黒くて重そうに見えても、打ってみると速いというのもありますけど、それはそれで、対応していけばいいんですから。

海老原 グリーンを狙う地点から、グリーン近くの木の葉っぱが、白く見えていれば、風はフォローだし、色が濃ければアゲンストというのも、アマチュアの方には覚えてほしいですね。

奥田 フォローやと葉っぱの裏側がこっち向きますからね。アゲンストやと表が見えて青い。自然を相手にしているわけやから、そういう感覚も大事にせな。「風、フォローなの? アゲンストなの?」といちいちキャディさんに聞いとる人がおりますけど、そんなの聞かんでも葉っぱ見ればわかるいう話ですな。

ゆるみは手元が先行し
ヘッドが遅れる動き

(海老原が下りのバーディパットを外して)

海老原 あっ! ゆるんだ!

奥田 いつもならエビさんのパットは『コッツン』いう音がしますけど、今のは『コツ』ぐらいでしたね。パターの良し悪しも音でわかるもんです。色だったり、音だったり、ゴルフはおもろいですな。

海老原 手の甲がゆるんじゃったんです。

奥田 そういうのは、下りのスライスとかで出やすい。

海老原 上手くやりたいとか、怖いとか、そういうときにゆるむっていう動作が出てくる。

奥田 アマチュアの人は、「ゆるむ」というと、インパクトでグリップの力が抜けることと思っているみたいですけど、そうじゃないですよね。

海老原 そう思っている人が多いみたいだね。ゆるむっていうのは、手が先に行っちゃって、ヘッドが遅れてきちゃうことを言うんです。アドレスで構えたところ、その位置でヒットすればいいんだけど、ゆるむとクラブヘッドが下りてこなくなっちゃう。

奥田 そうなると、コッツンでのうて、コツになってしまうんやね。パターだけやなしに、ショットもアプローチも含めて全部そうです。

海老原 そうそう。ショットもアプローチもゆるむときは、クラブヘッドよりも手が先に行ったとき。

画像: プロとアマチュアではゆるむの感覚が違う

プロとアマチュアではゆるむの感覚が違う

奥田 腕とグリップとクラブも、一直線で当たるから力になる。手が先に行ってたら……。

海老原 ヘッドがこない。

奥田 ということは、ボールを叩けないということです。だから、多くのアマチュアの人が考えている、ゆるく握っているからゆるむとは真逆で、「握りの強さ」やないんです。これはプロには共通語ですよね。

海老原 そう。「手が出て行っちゃって、ヘッドが動かないのがゆるむ」。要するに、ヘッドに仕事をさせないで、腕とか手ばかりが仕事をしようとする、(当たりが)ゆるむなんです。

フォロースルーを
出さない打ち方

奥田 それにしてもエビさんは、相変わらずパターもダウンブローですね(笑)。

海老原 これは昔からだから、もうこれしかできませんね。青木(功)さんに教わったんですよ。上から打って止めろって。こうやって、ボールを挟むようにティを2本差して、フォローが出ないように打って練習する。上からダウンブローにね。

画像: 「青木功直伝のゆるまないパット練習法。ボールの両わきにティを差して、フォローを流さずボールヒット。コッツンと打てます」(海老原)

「青木功直伝のゆるまないパット練習法。ボールの両わきにティを差して、フォローを流さずボールヒット。コッツンと打てます」(海老原)

奥田 僕はどんくさい長尺パターやから、そりゃ無理です(笑)。

海老原 昔の人たちは、パターでもターフを取れって言ってました。今、それやったら怒られちゃいますね(笑)。

奥田 ショットもパットも「上から」なんやね。

海老原 そう、上からなの。この前、昔の全英オープンのビデオを見てたら、アーノルド・パーマーも、ジャック・ニクラスも、みんなすごいよね。コーンッていう感じでパター打ってるんです。今の選手のように、スーと流すみたいにストロークしている人なんていない。

奥田 みんなフォロースルーが出ていない。すごいですよ、あのころの人たちは。

海老原 ゲーリー・プレーヤーもそうだったけど、みんな上からカンカン、打っていたものね。

奥田 青木さんがニクラスと戦ったバルタスロールの全米オープンのビデオ見たときには、びっくりしましたよ。

海老原 あの全米オープンのときの青木さんのパター、ものすごい打ってましたもん。

奥田 最後のホールのバーディ、バーディなんか、エゲツない入り方です(笑)。

海老原 カーン! とね。でも、グリーンの重さが昔と今とでは違うから、ああいう打ち方をしなくなったんでしょうね。

奥田 それはあるでしょうね。

海老原 よし! 次のホールはゆるまないように打つぞ!

【花咲く一言】
ゆるむと〝コツ〟、叩けば〝コッツン〟
この違いが大きいのです。

画/伊藤方也

TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

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