今回のタイトルを宣言した主は、67歳の海老原清治プロ。「歳を取ってもバーディを狙って打ちたい」と力説する一方、「大叩きした時の自分を知れ」とも説く。このはざまに“もう一花”のヒントが隠れています…。今週の通勤GDは「もう一花のゴルフ」Vol.12。
画像: 【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.12  僕は死ぬまでバーディ狙い。ゴルフダイジェストWEB

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

前回のお話し

考え方だけで
スコアは大きく変わる

奥田 例えば、80でまわったことがある人が、100を叩くと、それはもうオレではないと思うぐらい、現実を受け入れんところがあります。

海老原 ハンディ18の人は、90でパープレーだけど、それぐらいのハンディの人って、ハーフで30台も出れば、50台も出る。おそらくこの人たちのゴルフが、いちばん荒っぽいんじゃないかな。それで100を叩くと、もう自分じゃない、別人だ、ぐらいに思ってしまう(笑)。

奥田 そりゃ別人やないですよ。「オマエや」と言ってやりたいですわ(笑)。

海老原 50台は別人、30台が自分の実力だと思っちゃうんだよね。

奥田 30台も、50台も、両方自分なんやから、そこを受け入れるところから考えなゴルフは上手くなりません。

海老原 そういうことです。45だと不満で調子が悪いと思っちゃうけど、別に調子は悪くない。

奥田 僕らプロは、1日まわって、その日に出た最低のボールを覚えているから、それをなくしていこうと、次にその最低の当たりが出なかったら成功なんです。ところが、アマチュアの人は、その日の最高の当たりしか覚えとりませんからね。そこを基準に考えると45でも調子が悪いとなるんです。

海老原 考え方だよね。たとえば、「これ外したらボギーになる」と考えるのか、「これを入れたらパーだ」と考えるかなんです。入れればパーと思えば入るし、外すとボギーだと思えば外れる。あんまり調子が悪い、悪いと考えていると、本当に調子が悪くなっちゃうからね。

画像: どんなスコアが出てもそれが自分なんですわ(奥田)

どんなスコアが出てもそれが自分なんですわ(奥田)

奥田 エビさんがいつも言ってる「思えばいく」という言葉の裏返しですな。

海老原 そうそう。「いく」と思えばいくんだけど、「いっちゃう」と思うといっちゃうのよ。だから、調子がいいと思うためには、いいスコアを出すのも大事。でもね、いいスコアになってきたらビビリ出しちゃうわけ。

奥田 最後ボギーでも30台や、なんていうところで、OB打ったりしてはりますからね。

パー狙いじゃない
常にバーディを狙う

海老原 だから、いいスコアを出すことにも慣れておかないといけないと僕は思うんです。アマチュアの人っていつも同じティマークからやるじゃない。いいスコアを出すためには、前のティマークからやったっていいと思うんです。

奥田 アマチュアの人がバックティからやるのは、たいがい“見栄”ですからね。

海老原 後ろからでも、前からでもパー4はパー4なんですけど、やっぱり前からのほうがいいスコアになるはずなんです。そうやってきっかけをつかんで、いいスコアに慣れていけば、ビビリもなくなると思いますよ。

奥田 やっぱり、セカンドで(グリーンに)届くというのがいちばんやからね。

海老原 そう! そこが大事。セカンドでグリーンが狙えるというのがゴルフの醍醐味です。よく「3打目勝負」なんて言うけど、僕に言わせてもらえば「ふざけんじゃないよ」です。僕はね、いつでもバーディを狙って行きたいから。

画像: 「ゴルフは3打目勝負、なんて言う人がいるけど、ゴルフの醍醐味はバーディを狙って打つ2打目でしょ。いくつになってもこれは変えません」(海老原)

「ゴルフは3打目勝負、なんて言う人がいるけど、ゴルフの醍醐味はバーディを狙って打つ2打目でしょ。いくつになってもこれは変えません」(海老原)

奥田 ハハハ。

海老原 歳を取れば、だんだんと飛ばなくなるのはわかっています。でもね、ゴルフはいつまでもやっていたいし、いつまでもバーディを狙っていきたい。じゃあどうするかって言うと、白マークだって、赤マークだって使いますよ。それでも届かなくなったらフェアウェイにティアップしちゃいます(笑)。

奥田 それめちゃくちゃオモロイわ。サードショットでグリーンを狙うなんてとんでもないこと(笑)。

海老原 本当だよ。何がパー狙いだ。僕は死ぬまでバーディ狙いでいきます。

奥田 パー4でのセカンドこそが、ゴルフの醍醐味っちゅうことですな。サードで狙うなんて「何たる考えだ」と(笑)。

海老原 そう。何が何でもセカンドで乗せなきゃ面白くないもの。

奥田 白で赤でも、何色でもエエからまわっていこうと。フェアウェイでもOKやと。

海老原 そう。2打で届くところからやる。誰だって届かなくなるんですから。100歳で250㍎も飛ぶはずがない。

奥田 ということは、エビさんはドライバーでもスプーンでも、届くとこからなら全部グリーンを狙っとるということですね。

海老原 スプーンとかバフィでグリーンを狙うと、PWで打つよりもビビるわけ。これを乗せたいというのがものすごくあって、心臓がバクバクするんです。でも、パー5の2打目なんかじゃ、あの辺でいいやと思うから、そういうのがないんです。

奥田 心臓がバクバクするのがゴルフの醍醐味ですからね。

【花咲く一言】
ときには前から回って
バーディパットを増やす!

画/伊藤方也
TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

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画像: golfdigest-play.jp
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