ボールが止まった位置をチェック
「手前側」が難易度MAX!
スペースのない手前が断トツ難しい
── ナイスショットだな~と思って2打目地点に行ってみたものの、ディボット跡にボールが! 打ち方がわからないし、かなり気分がおちます……。
奥山 まず、ディボット跡にはまってしまったら、ボールの状況をチェックしてください。目土されているのかどうか、また止まっている位置によって、難易度や打ち方が変わってきます。
── どこに止まっているのが一番難しいのですか?
奥山 一番難易度が高い「星5つ」は、目土されていない手前側です。ボールの側面が壁に寄りかかっているので、クラブを入れるスペースが限られます。またボールが埋まっている状態なので、少しでも手前から入るとザックリをしたり、ミスの危険がとても高いです。
手前側が難しい理由
「ボールの側面が埋まっている」
ボールの側面に壁ができるため、クラブを入れるスペースが限られる。フェアウェイと同じスウィングをすると、ボールの頭をたたきやすく、すくい打とうとすると手前から入ってザックリしてしまう。
── では奥側の場合は?
奥山 難易度は「星4つ」ですかね。ボールが奥の壁に寄りかかっていて、ヘッドの抜けが悪くなるので難しいですが、手前側に比べるとクラブが入るスペースは十分にあります、そのぶん、やさしくなります。
奥側(目標側)が難しい理由
「芝に刺さって抜けにくい」
手前側と比べるとクラブが入るスペースはあるが、先側が埋まっているので、振り抜きが悪く、芝に刺さりやすい。
ディボット跡からどう打つの?
手前側は「左足下がり」を思い出して!
左足に体重を乗せたまま打つ
── ではまず、最高難度の「手前側」から教えてください。
奥山 考え方として、ディボット跡にボールが埋まっていたら「グリーンを狙う意識を捨てる」ことを忘れないでください。とくに手前側では「グリーン近くに行けばいいな」くらいの気持ちに切り替えましょう
── ディボット跡からナイスショットを思い描くな、ということですね。では打ち方のポイントを教えてください。
奥山 ボールの手前に壁があるので、クラブを上から入れる必要があります。
── プロ、簡単にいいますね……。いい方法はありますか?
奥山 左足下がりの状況を思い出してください。すると、自然と上から打てる構えとスウィングになるんです。
── 確かに! 左足下がりの傾斜でダフることってあまりないですもんね。
奥山 そのとおり。まずはクラブが上から入りやすい構えを作ることが大切です。ボールを右に置き、左肩を下げて左足体重にしましょう。このアドレスができたら、左足体重のまま、軸を左足にして打ってください。体重移動が抑えられ、アドレスの位置にクラブが戻りやすいので、ボールが上から打てるんです。
上から打つためのポイント①
打ったあとは一歩前へ!
打ったあと、右足を一歩前に出すくらいの意識を持つ。左足に体重を乗せられていないと、右足は前に出ない。歩く意識があると、自然と入射角が鋭角になりやすい。
上から打つためのポイント②
左足を軸にして回転
アドレスで作った体重配分を変えないで、左足体重のままスウィング。左足を1本の軸にする意識があるとその場で回転しやすい。右足に体重が残ると、すくい打ちになりやすいので上から打てない。
突っ込む意識でちょうどいい!
目土されていない奥側からはどう打つの?
腹筋に力を入れて圧で打つ!
奥の壁にガツッと当てて終了です
インパクトで力を入れる
── 奥側は手前側よりも少し簡単とのことでした。先に壁があるので、力を入れて振り抜いたほうがいいですか?
奥山 力を入れるのは合っていますが、振り抜く必要はありません。むしろ打って終わりでいいんです。
── 打って終わりですか?
奥山 奥に壁があるので、打ったあとはクラブが抜けにくいです。それならインパクトでグッと力を入れて終わりでいいじゃないか! というのが僕の考え。無理をして大きくフィニッシュを取ろうとすると。スウィングのバランスが崩れてインパクトで力を伝えられません。
── 奥の壁にガツッと当てて終了でいいんですね。
奥山 そうです。インパクトで当たり負けしないことが一番大事。そのためのポイントはお腹に力を入れておくこと。腹筋に力が入ると、奥の壁に当たっても体幹がブレにくいので、ボールに強い圧が伝えられます。
当たり負けしないためのポイント①
右手の平で押す!
インパクトで右手の平を目標方向に向ける押す。押すと力が入るため、インパクトで当たり負けしにくくなる。
当たり負けしないためのポイント②
お腹に力を入れる
腹筋に力を入れることで、体幹に力が入りインパクトでボールにパワーが伝わる。お腹の力が抜けた状態だと、奥の壁に当たり負けするため飛距離がでない。
当たり負けしないためのポイント③
インパクトでギュッと力を入れる
アドレスからガチガチに力を入れておくと、ただの力みになるので、打つ瞬間にギュッと握るイメージ。爪の色が白くなるくらい力を入れてOK。
最後は、目土の上から
フェアウェイバンカーと同じ、
ソールを浮かせてハーフトップ
振り抜くことが成功の秘訣
── では最後に「星2つ」の目土されているライからの打ち方を教えてください
奥山 これらのライでは、フェアウェイバンカーをイメージしてください。打ち方もフェアウェイバンカーと同じ。アドレスでソールを浮かせて、ハーフトップを打つ感覚ですね。
奥山 ソールを浮かせることでダフリのミスが軽減されます。ボールだけ薄くけずる意識でスウィングしましょう。この状況ならグリーンを狙ってもOKですよ。
目土ディボット跡のポイント①
フィニッシュまで全力で振り抜く
目土されているライは、されていないライと違い全力でフィニッシュまで振り切る。振り切ることで、少し手前から入ってもミスにならずある程度飛んでくれる。
目土ディボット跡のポイント②
ソールを浮かせて構える
フェアウェイバンカーから打つ際もアドレスでボールを浮かせるが、目土されたディボット跡でも同じように構える。少し浮かせることでハーフトップが打ちやすくなる。
── これでディボット跡から上手く脱出できそうです!
週刊ゴルフダイジェスト2020年4月14日号より
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