数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はタイトリストの「T100S アイアン」です。

パワーヒッターが
より飛ばせるアイアン

姉妹モデルのT100よりも、2度ストロングロフト設計ですが、構えたときの印象はロフトの見え方以外、まったく同じです。(堀越)

画像: パワーヒッターが より飛ばせるアイアン

7Iを試打しましたが、T100に比べて、少し強い球が出て、飛距離は半番手ぐらい飛びます。ただ、球の高さはT100の7Iとほぼ変わりません。

同じヘッドでただロフトを立てただけだと、リーディングエッジが地面に刺さりやすくなりますが、ソールの抜けも抜群で、ここにも工夫が感じられます。

T100というツアープロモデルをストロングロフトにする理由を考えると、次世代の若い欧米選手たちの存在があります。

PGA下部ツアーの若手や学生たちは、現在のトップクラス選手よりも、さらにヘッドスピードの平均が2~3ほど速いそうです。そんな彼らにとっては、7Iで30~31度のロフトがスタンダードで、距離もスピン量も適正になりやすいんです。

画像: ストレートネックでターゲットに対してスクェアに構えやすい。ソール幅が薄く抜けがいい

ストレートネックでターゲットに対してスクェアに構えやすい。ソール幅が薄く抜けがいい

つまり、T100をやさしく飛ばせるようにした改良モデルではなく、パワーヒッターがより飛ばせるアイアンということ。アイアンのスピン量が多く、球が上がりすぎる上級者など、使い手は限られるでしょう。(堀越)

顔はT100にそっくり

7Iを計測試打しました。クラブ長さは標準ですが、クラブ重さがやや重いので、クラブ慣性モーメントがやや大きくなっています。

ヘッドはT100同様にオーソドックスで、フェース長さが短いプロモデル。ストレートネックでラインに対してスクェアに構えやすくなっています。操作性が良いので球をつかまえやすく、また、インテンショナルにドローやフェードと弾道を操作しやすくなっています。

画像: 重心距離が短くヘッドを操作しやすい

重心距離が短くヘッドを操作しやすい

ロフトが2度ストロングになっている以外は顔つきも似ているので、ちょっと距離を出したい方に最適です。(松尾)

アイアンのスピン量が多く
球が上がりすぎる人に

最近のシニア向け超ストロングロフトアイアンではないので、ロフトがやや立っているとはいえ球は十分上がります。プロモデルなので番手間の飛距離差がちゃんと出て、スコアメークしやすいアイアンといえます。(松尾)

画像: アイアンのスピン量が多く 球が上がりすぎる人に

【総合評価】 飛距離性能 4/つかまり 4.5/上がりやすさ 4/ミス許容 4/操作性 4.5 ※5点満点

ヘッド/軟鉄鍛造
ロフト角/31度(7Ⅰ)
ライ角/63度(7Ⅰ)
長さ/37㌅(7Ⅰ)
シャフト/NSプロ モーダス3ツアー 105(S)、
     NSプロ 950GH neo(S)
価格(税別)/14万4000円(#5~PW・6本セット)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

画像: 【総合評価】 飛距離性能 4/つかまり 4.5/上がりやすさ 4/ミス許容 4/操作性 4.5 ※5点満点

週刊ゴルフダイジェスト2020年4月28日号より

ヘッドデータはウソつかない
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