桜美式ゴルフが実践する「勾玉(まがたま)スウィング」を、コマを用いて篠塚先生に解説してもらいました。今週の通勤GDは「みんなの桜美式」Vol.20。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

前回のお話し

画像: ゴルフ向学者 たけひさ先生 篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

ゴルフ向学者
たけひさ先生
篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

“軸回転”は
スウィングに不向き

篠塚 コマを用いて「勾玉スウィング」の理論を説明していきましょう。まず、コマを回すには2つの方法がある。これがどちらもゴルフスウィングの方法に実に似てるんです。1つは、コマの中心の「軸」を親指と人差し指で持ち、まずクルリと1度ねじり、グルンと2度目のねじり戻しで弾くようにして回す方法。でもこれは、なかなか長く回ってくれない。なぜなら人間はねじるという動作が苦手だから。

GD 手をねじってコマを回すと、長く回らない?

篠塚 ゴルフを始めてすぐに教わるのが、頭を動かさずに体に「軸」を作り、左肩を入れることで体をねじってテークバックする方法。しかしそれだと、ねじる深さや角度が、まちまちになってしまって不安定。しかもねじり戻しで弾くではコントロールできない反動。予測不能なねじり戻しの最中に、瞬間的にインパクトでスクェアに合わせるのは、偶然性に左右されてしまう。

GD 「軸」を意識してねじる動作は、コマにせよ、スウィングにせよ、回転させる方法としては不安定だし予測不能で不向きだと。

篠塚 ねじりを使ってコマを回転させると、微妙に傾いてヨロヨロして回転力が落ちて止まってしまうことが多い。ゴルフスウィングも同様で、体をねじることから教わっているアマチュアのみなさんは、うまく回転できていないように私の目には映る。かく言う私も試合に出場していた頃は、常識だからという理由だけでなんの疑いもなく、体をねじるスウィングをしていました。でも今やってみると、テークバックをたった一度するだけで、背中や両腕が引きつって、痛くて苦しい。

螺旋回転スウィングが
効率的

GD ただ、その痛さや苦しさこそが反発力を生み、ねじり戻す際に解放されてパワーになると言われてきました。

篠塚 それはあまりにも非効率的な理論です。そんな痛くて苦しい思いをしなければ上達しないとしたら、ねじることに体が耐えられないジュニアやシニアはどうすればいいのか。ケガを覚悟しなければならないスポーツなど、未来があるはずない。どこも痛くならず、楽をして飛ばせる効率的な方法があるとしたら、それを奨励することは、ゴルフ人口を増やすために欠かせない。

GD それこそが、もう1つのコマの回し方だと?

篠塚 そのとおり! 「軸」を意識してねじるのではなく、ひもを巻いて回す方法がコマにはある。これをゴルフスウィングに置き換えたのが、螺旋回転パワーを利用する「勾玉スウィング」です。まず、「軸」のことなど考えず、「外側」である右手を、すっと引き上げる。このとき握りは、不自然な両手合体型ではなく、自然な左右分担型のテンフィンガーであることが大前提。テークバックでは、体をねじって両腕を遠くへと上げようとするのではなく、右ひじを畳んで体に巻きつけるようにしてコンパクトにトップの位置へと一気に引き上げる感覚がいい。これなら体のどこもねじらないから、痛くも苦しくもない。

「外側から回すと、強い力が生じ安定する」

画像: 「『軸』を中心にねじって回すと、強い力が必要で安定しません。外側から回すと省エネなのに強い力が生じ安定します」

「『軸』を中心にねじって回すと、強い力が必要で安定しません。外側から回すと省エネなのに強い力が生じ安定します」

GD トップまで引き上げたら?

篠塚 ダウンスウィングもねじり戻すのではなく、今度は「外側」である左手を、一気に引き上げる。インパクト以降は左ひじを畳んで体に巻きつけるようにして、やはりコンパクトにフィニッシュへ。放ったコマから紐を引く動きと同じく、螺旋パワーで速く鋭い回転力を生み出せます。

両手を交互に
引き上げる感覚

GD 体をねじらず、右ひじと左ひじを交互に畳んで回転運動を起こす。でも先生、このスウィングって、いわゆる「手打ち」では?

篠塚 古い常識に縛られた人は、手で打つのがいけないと誤解している。わずか45グラムほどの球を、300㌘ほどのドライバーで飛ばせばいいのに、なぜ痛く苦しい思いまでして体全体を使う必要があるのか。そんなことしなくとも、両手を交互に引き上げる感覚だけで、現代の道具は飛距離が稼げるようにできているんです。

「左右分担作業によって回転を起こす」

画像: 「両手を交互に引き上げる感覚だけで、現代の道具は飛距離が稼げるようにできています」

「両手を交互に引き上げる感覚だけで、現代の道具は飛距離が稼げるようにできています」

画像: 両手を交互に 引き上げる感覚

GD やってみると、確かにスムーズに回転運動ができるため、飛距離も十分出るんですね!

篠塚 最大限のエネルギーで、最大限のパワーを生み出そうとしていたのが、従来の「軸」を中心に体をねじるスウィング。最小限のエネルギーで、最高速の回転スピードを生み出そうとしているのが、新時代の「勾玉スウィング」。効率が悪いと、動きに無理が生じて不安定になり、ミスが多発してスコアがまとまらないだけでなくケガにつながる。効率がいいと、無理せず自然な動きで安定して狙いどおりに打てて、スコアがよくなりケガとも無縁。これで「桜美式」のジュニアが70台で回ってくるのだから、試してみる価値、あるでしょ!

週刊GDより

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