数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はピンの「G410フェアウェイウッド」です。

『名器』の予感がする1本

3Wが14.5度、5Wが17.5度という、一般的なFWに比べると、ほんの少しだけストロングロフト設定ですが、ボールは楽に上がってくれます。3Wと5Wの最高到達点が揃っているのは、優れたFWの証です。(堀越)

画像: ソール後方のウェートで深重心化。スクェアフェースでターゲットにアドレスしやすい

ソール後方のウェートで深重心化。スクェアフェースでターゲットにアドレスしやすい

画像: 中調子設定で癖がなく振りやすい

中調子設定で癖がなく振りやすい

基本的には中上級者のアスリート向けモデルですが、ウォーミングアップなしでも、一球目からナイスショットが打てて、アベレージの人が使っても、やさしさを感じるでしょう。

マレージングのフェースは弾き感があって飛距離性能も申し分ないですが、それでいてスピンも適度に入ってくれます。

ボールのつかまりが適度で、FWにありがちな左へのミスを怖がらずに振っていけます。左右への曲がりが小さく、直進性が高いですが、状況に応じて球筋や弾道を打ち分けたいときに、使い手の要求にちゃんと応えてくれる。本来、やさしさと操作性を両立させるのは難しいのですが、このFWはそれを見事に実現しています。

画像: シャローバックで球が上がりやすい

シャローバックで球が上がりやすい

最近のFWのなかでは、“名器”と呼んでいい秀逸なFW。高価なマレージング鋼使用で、少し価格は高めですが、打ってみれば、その価値がわかります。(堀越)

投影面積が大きく
安心感がある

試打計測は3W、シャフトはALTA J CB REDのSフレックスです。クラブ重さは標準的ですが、クラブ長さが短いので、クラブ慣性モーメントが抑えられています。フェース長が長く、全体にシャローなヘッドで、構えたときの投影面積が大きいです。

画像: 重心距離が長く直進性が高い

重心距離が長く直進性が高い

フラットなライ角度とフェース面のバルジやソール面の丸みが少ないことが特徴です。また、スクェアフェースなので、地面にソールしてアドレスすると構えやすいと思います。ぶっ飛び系FWというよりもミスに強いショットアベレージが高いクラブです。(松尾)

アドレスでソールする人左が怖い人

FWとしてはヘッドの投影面積が大きく、かつクラブの長さも短いのでミート率が良くなり、大きなミスショットをしにくい。また、FWとしてはヘッドの返りがゆるやかなので、フックが出にくい印象です。(松尾)

画像: アドレスでソールする人左が怖い人

【総合評価】 飛距離性能 4.5/つかまり 3.5/上がりやすさ 4/ミス許容 4.5/操作性 4 ※5点満点

ヘッド/フェース:フォージドマレージング鋼C300、
    ボディ:17-4ステンレススチール
ロフト角/14.5度(3W)、17.5度(5W)、20.5度(7W)、23.5度(9W)
ライ角/57.5度(3W)、58度(5W)、58.5度(7W)、59度(9W)
長さ/43㌅(3W・M-43)
シャフト/ALTA J CB RED(X、S、SR、R)、
     ピン ツアー 173-65(X、S、R)、
     ピン ツアー 173-75(X、S、R)、
     ALTA DISTANZA
総重量/約311g(5W・ALTA J CBRED・R)
価格(税別)/4万2000円
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

画像: G410FW

G410FW

週刊ゴルフダイジェスト2020年7月21日号より

ヘッドデータはウソつかない
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画像: golfdigest-play.jp
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