BSはアイアンも
大慣性モーメントへ
Point1
フェースが長く、グースネックで打ちやすそうなイメージ
Point2
前モデルより1.7ミリの低重心化に成功し、球が上がりやすくなった
Point3
実測1.8度とバウンス角が小さく、払い打ちスウィングのゴルファーに合う
最近のトレンドである大慣性モーメントを実現するためにトウ側へ「High MOI Weight」を内蔵。ミスヒット時の許容性を広げ、とくにトウ側に当たった場合の当たり負けを防いでいる。7Iのロフト角が28度ということに加え、キャビティ構造のおかげで、低重心でボールが上がりやすく、また高強度材ハイパーマレージング鋼を採用したフェースは、下部を薄肉化(最薄部1.9ミリ)することで初速アップを実現。これらからいわゆる“飛び系アイアン"の分類ではあるが、他社のそれとの違いは打感。「ターボラバー」というやわらかい素材をヘッド内部に搭載したことで往年のマイルドな打感に近く、"飛び系"特有の弾き音が抑えられている。
ストロングロフトだが
球はしっかり上がる
試打・計測は7Iで、シャフトはNSプロ850GH(Sフレックス)。いずれも実測で、クラブ重量は406.5gと軽量スチールシャフトとしては標準的だが、クラブレングスが37.25インチとやや長めになっており、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが270万g/㎠とやや大きくなっている。本来は1Wのヘッドスピードが44~45くらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計だ。
フェースは前モデル「JGRHF3 アイアン」よりも1.5ミリほど長く、かつグースの度合いが強くなっていて、いかにも打ちやすそうなイメージが出ている。またフェースのトウ側がヒール側に比べて高いため、アップライトに見え、トウ寄りに球を置くとアドレスでしっくりする形状だ。さらに、スコアラインが非常に長く、フェースの打面がより広く見えていることで構えやすさもアップしている。
ネック軸回り慣性モーメントが
6316ɡ㎠と国内メーカーでは過去最大級
実際に試打したところ、大きなヘッドはアドレスで安心感を与えてくれ、グースネックは球をつかまえるイメージが出ている。シャフトは軽量スチールの中でも軽めなので、ヘッドスピードがそれほど速くないシニアゴルファーに使ってほしいという意図が感じられる。7Iでも、ロフト角が25~26度の超ストロングロフトの“ぶっ飛び系アイアン"ではないので、芝の上からでも球が上がってくれる。また、ヘッドの重心距離が長く、ネック軸回りの慣性モーメントも大きいので、アベレージゴルファーに多いフェースのトウ寄りに打点が外れても、当たり負けしにくかった。
ボディとフェースはともにマレージング鋼で硬い材質だが、「ターボラバー」のおかげか、インパクト音は高すぎず、球の弾きもいい感じ。ソールのバウンス角は小さいので、強くダウンブローに打ち込むより、ターフをあまり取らないスウィープなスウィングのほうがソールの抜けは良く相性がいいでしょう。
安心できる顔つき
やさしく上がるアイアンが欲しい人に
試打クラブスペック/7Ⅰ + NSプロ 850GH・Sシャフト
ヘッド素材/ハイパーマレージング鋼450+ターボラバー
ロフト角/28度
ライ角/62度
長さ/37.25㌅
シャフト/NSプロ 850GH(S)
総重量/約406g
価格(税別)/8万円(6Ⅰ~PW)
メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
週刊ゴルフダイジェスト2020年8月18日号より
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