皆さんは、林のなかに入れたら、どう対処しますか? 「攻めの気持ちで横に出すならいいけど、安全第一ばかりだと逃げ根性がつく」という2人。やってみてこそ、“微妙な感覚”が養われるというのです。今週の通勤GDは「もう一花のゴルフ」Vol.28

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: 【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.28 トライして、痛い目に遭うべし ゴルフダイジェストWEB

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

前回のお話し

痛い目に遭った方が
得るものがある

海老原 研修生時代にね、林に入って、木と木の間を抜いてグリーンに乗せようとすると、まあアマチュアの人もそうだと思うんですけど、だいたいカーンと木に当たるんです。

奥田 木にカーンと当たって、もっと林の奥にいくこともありますわな(笑)。

海老原 それで、じゃあ木を狙えばいいじゃないかと、木に狙いを定めて打つと、ちゃんと抜けていったり。

奥田 なるほどね。それだけスウィングがズレとるということやね。

海老原 そうこうしているうちに、狙った木に当たるようになったらしめたものなんです。そうしたら今度は木と木の隙間を狙っていこうってなるわけ。

奥田 はなっから横に出すんやなくて、トライせい、いう話やね。

海老原 トライしないと、隙間を抜くという感覚が養われない。いつも広いほうにばっかり打っている人は、優勝争いとか、予選通過だとか、追い込まれたときに、どんな感覚で対処すればいいかわからなくなっちゃうんです。

奥田 アマチュアの人は、そういうのはあまりないやろうけど、プロやったらありますよね。

海老原 アマチュアの人だったら、自分の得意な、たとえば残り100㍎のところを狙ったりしてもいいし、プロでも、ケースによっては無理にバーディを狙わなくてもいい場合もあります。残りホールで取り戻すという考え方もあるだろうし。でも、やっぱりどうしてもバーディを取らなきゃいけないというケースも絶対にあるんです。

奥田 しかし、アマチュアの人も、可能性があるんなら狙い続けてほしいですね。ずっと林から出るまで。痛い目に遭おうたらエエんです。そこから何か見つけるでしょ。「やっぱり横に出したほうがエエ」とか(笑)。

海老原 研修生とか、ツアーに出たいとか、そういう人はとくにグリーンを狙ってトライしてほしいと僕は思うんです。少しでも可能性があればやってみる価値はあります。微妙な感覚がわかりますからね。

奥田 前にエビさんは、「狭いところこそ振れ」って言ってましたね。

海老原 怖がらないでね。それに、いつも安全第一だと、逃げ根性ばかりになってしまう。今の時代は相手の失敗を待っていられないでしょ。自分から取りにいかない限り予選通過も、優勝もできない時代ですから。昔は相手の失敗を待っていられたけど、今はそういう時代じゃない。広いほうに出す性格の人は、今の時代に合わないと思います。

奥田 プロはお客さんに見せてナンボという時代やからね。横峯(さくら)が出てきたころに女子プロの試合を見たんです。さくらが、右のラフに入れて、右から林がせり出していてグリーンが見えんのです。もうひとり誰やったかシード選手ですけど、同じところに打った。その選手は、何のためらいもなくポンと横に出したんです。で、横峯は、スライスかけてグリーンに乗せたんです。もう、お客さんは「ワー!」です。

海老原 さくらはスライスが得意だからね。

奥田 ポンと横に出すのは、お客さんがっかりしたやろね。見ておもろないですから。

海老原 横に出してばっかりだとトライするときの微妙な感覚がわからなくなっちゃうよね。やってみるから「あっ! これなんだ」っていう感覚が養えるんです。

奥田 感覚ちゅうのは大事です。

海老原 それとね、恐怖心のある人はゴルフが上手くなれないよね。もしトップしちゃったら、もしダフっちゃったらどうしようと打つ前に考えたら上手くいくはずがないもの。「曲がりそうなときはどうすればいいんですか?」って聞く人がいるの(笑)。

画像: 「ジャストタッチで入れるのがイイけど、届かないジャストタッチはダメです」(奥田) 「パットは入れる気で打つこと。寄せればいいと思うと3パットになります」(海老原)

「ジャストタッチで入れるのがイイけど、届かないジャストタッチはダメです」(奥田)
「パットは入れる気で打つこと。寄せればいいと思うと3パットになります」(海老原)

奥田 おるおる(笑)。

海老原 打つ前に「曲がりそう」と言われても返答のしようがないよね(笑)。

奥田 パットもそうですね。3パットを怖がっとると、必ず3パットや(笑)。

海老原 そうそう。寄せればいいやって思っていると3パットになる。やっぱりパットは入れる気で打たないと危ないよね。怖がっているとショートするし、次も怖がって入らないから3パットになっちゃうんです。

奥田 ジャストタッチで打つのが3パットを減らすコツだと思うとる人もおるようやけど、届かないジャストタッチじゃあかんいう話やね。

海老原 佐藤(精一)さんはジャストタッチが上手かったね。本当にショートしなかった。

奥田 ジャンボさんや青木(功)さんは向こう岸にボコーンとぶつけ入れてはりましたね。一緒にまわっていると足が止まった。

海老原 “カベドン”ね。

奥田 でも、佐藤さんみたいに、上りのパットでも、最後のひと転びでコロンと入れるジャストタッチが一番エエです。やっぱりゴルフはタッチのゲームやからね。

【花咲く一言】
恐怖心があると
上手くなれない!

画/伊藤方也

TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

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