「今の子はスウィングをどうするかを考えている。僕らはボールをどうするかを考えていた」という海老原。ボールがどのようにどこへいくのか考えて、それに対して自分はこうやるのだと。この感覚、皆さんわかりますか? 今週の通勤GDは「もう一花のゴルフ」Vol.29

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: 【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.29 スウィングはインパクトで終わりだ! ゴルフダイジェストWEB

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

前回のお話し

クラブヘッドが走る

奥田 よく、「フォローでヘッドスピードが最大になるように振れ」って言いますよね。けど、僕はちょっと違うような気がするんやけど、エビさんはどう思われますか?

海老原 僕はね、スウィングというものは、インパクトで終わりだって考えているんです。

奥田 物理的に考えれば、ヘッドがボールに当たった瞬間に飛び出していくんやから、その後のスピードは関係あらへんですよね。バーンと叩けば、その勢いでフォローは出るやろという話やね。

海老原 そう。手元のグリップがあって、先っちょのクラブヘッドがあって、それをどう動かして、どこでどうインパクトするかっていう話です。そういうなかで、僕はクラブヘッドが走るということしか頭にないわけ。

奥田 いっぺん、ハエ叩きでハエを叩いてみればわかることやね。

海老原 手とクラブを一緒に動かしたらハエは叩けません。手首のスナップを使ってバシッとやらないとハエは逃げちゃいます(笑)。

奥田 フォローを出すどころか、ハエを叩いて、逆に戻すぐらいでもエエですよ。

海老原 今の子たちはフィニッシュで止まって、飛んでいくボールを見ているよね。僕らのときは、フィニッシュから反動でクラブが体の正面に戻ってきてたでしょ。だから、その姿勢で飛んでるボールを見ていたよね。

奥田 そうそう。スウィングの最後は必ずクラブが体の真正面に戻ってます。

海老原 クラブが体の正面にきて、その姿勢でボールを追っているほど感覚が出ている。

奥田 昔はフィニッシュで止まっていると先輩に怒られました。「オマエ、いつまでフィニッシュしとるんや!」って(笑)。

海老原 今の子たちってスウィングをどうするかを考えているでしょ。僕らはボールをどうするかを考えていたわけ。ボールがどんなふうに、どこへいくのか考えて、それに対して自分はこうやるんだというだけでした。

奥田 叩くも同じことやけど、振った結果として勢いで勝手にフォローが出てフィニッシュになって、そこからクラブが体の正面に戻ってくるだけやもんね。

海老原 インパクトでクラブヘッドがグリップを追い越すポイントというものがあるんです。それが体の正面なのか、それとも、手がもうちょっと左にいったところでインパクトするのかという問題があるんです。

奥田 手がもうちょっと左のインパクトちゅうことはハンドファーストやね。

海老原 そうそう。そこをどういうふうにするのかが問題なんだよね。だけど、みんなヘッドが手を追い越すところは、スウィングするときに何にも考えない。それよりもヘッドと手が一緒に動くほうがいいんじゃないかって思ってしまう。だからパターなんかだって「フォロースルーが大事なんだよ」と。でも、僕から言わせてもらえば、「バカ言ってんじゃないよ」ってなります(笑)。

画像: 「ヘッドが手を追い越すときにヒットすればリーディングエッジを使わずにソールで打てる。でも、インパクトのときに手が左に出ていたら、ソールでなんか打てません」

「ヘッドが手を追い越すときにヒットすればリーディングエッジを使わずにソールで打てる。でも、インパクトのときに手が左に出ていたら、ソールでなんか打てません」

奥田 「バカ言ってんじゃないよ」はキツいですな(笑)。

海老原 アドレスしたところから上げたら、元に戻ってカツーンって打ったほうが真っすぐいくでしょ。フォローなんていらないだろうって僕は思うんです。だから手首を使ってもいいと。

奥田 フォローが出ていないというのは、言い換えれば打ち抜いたかどうかを表していると僕は思いますよ。バーンと打ち抜いたか、それともフワッと減速したか。そういうのをフォローを見て、テレビの解説者なんかは判断しているのやろうな。

海老原 そんなことよりも、僕にとっては、ヘッドが手を追い越すということが大事なことなんです。

奥田 パッティングに関して言うと、アプローチでもそうですけど、青木(功)さん以外ではエビさんだけですよ、インパクトで終わっているのは。あれはエグイですわ。

海老原 だけどね、アプローチで考えれば、ヘッドが手を追い越すときにヒットすればリーディングエッジを使わずにソールで打てると思っているんです。

奥田 そりゃエエです。リーディングエッジが刺さらへんですからね。

海老原 そう。刺さらないの。今はよくソールで打てって言うでしょ。でも、インパクトのときに手が左に出ていたら、ソールでなんか打てません。

奥田 ハンドファーストでヒットする人は、左ひじを抜くしかないですね。

海老原 ハンドファーストということは、支点が左になっているわけだから、左ひじを抜きながらヘッドが手を追い越さないと、トップかダフリになっちゃうでしょ。

奥田 とくにエビさんの場合は、真っすぐに構えてはるから、振り子の要領でいけますよね。佐藤(精一)さんもそうやった。僕らはちょっとハンドファーストやから左ひじを抜かんとしょうがないですな

【花咲く一言】
どのショットも
ヘッドが手を追い越す!

画/伊藤方也

TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

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