もとは富岡野上CCという、風呂なしレストランなしのパブリックコースだったのですが、10年前にビックカメラが買収し、法人会員制の高級接待コースとして生まれ変わらせたのが、この我山。
遊びに来られるお客さまに「自分の山(別荘)へ遊びに来ていただく感覚で使っていただきたいと、この名前にさせて頂きました」と社長が名前の由来を教えてくれました。
ちなみにビックカメラのオーナーは、ここから車で40分ほどの高崎市生まれ。地元愛ですね。「プライベート感を大事にしているので、あまり広告などは打っていません」というのが、このコースの“あまり知られていない感”の秘密だったわけです。
コースは基本的に広々ゆったりしていますが、見えづらいフェアウェイの起伏やハザードの配置によって、なかなか戦略的。コース全体を見渡しても手入れが行き届き、とてもきれいです。
そして、もうひとつ特筆点がクラブハウス。開場時のコンセプト通り、プライベートな山荘という趣きのクラブハウスは『坂倉建築研究所』による設計です。
ここで予備知識。日本の近代建築の礎を築いたキーパーソンの一人、故・坂倉準三氏は、世界最高峰の建築家、ル・コルビジェに師事したのち帰国し、『坂倉建築研究所』を設立。代表作に神奈川県近代美術館や国際文化会館、新宿西口広場などがあります。
「来場者全員、自分の山荘へ来たかのようにリラックスして欲しい」というオーダーを受け、そんな有名建築事務所が設計したのがこのクラブハウス。ドアをくぐった途端、けやきの香りで癒されるクラブハウスをご紹介します。
このクラブハウスは全3棟に分かれていて、それぞれが渡り廊下で結ばれています。まずはフロントのあるエントランス棟『けやきハウス』。
その名の通り、けやきの香りでむせ返るほど。キャディバッグ立てまでけやきの木で造られています。奥の暖炉は冬場に大活躍してくれることでしょう。
フロント横にはロッカールームへ抜ける渡り廊下へ繋がる自動ドア。擦りガラスが外光を効率的に取り入れ、照明が少ないのに室内はとても明るいです。
渡り廊下を抜け、ロッカールームのある棟は2階建て。写真の1Fにはマスター室やプロショップがあり、2Fがロッカールームとなっています。
2Fに上がり、レストランへ抜ける渡り廊下。下をホールアウトしてくるカートが通ります。
天井が高く開放感たっぷりのレストラン。大きな窓からは色々な木を見ることができ、森の中にいるような錯覚に陥ります。
レストランにも暖炉。18ホールまわった後、ここでちょっと飲みたいですが…そんな方には高崎駅までの送迎バス(要予約)があるとのこと。これは活用したいですね。
コース側からレストラン棟を見るとこのような景色。あくまでも主役はコースで、景観になじんでいるのが好印象です。
「がっつりコース攻略したい!」というアスリート志向のゴルフ場も面白いですが、たまにはこんな『癒しコース』で楽しむのも良いですよね。