ゴルフ場メシ向上委員会は「高くて」「マズい」と何かと不評の多いゴルフ場の「味改革」に役立つヒントを探しながら、誰もが食べて旨いと感じる味覚の標準値を探ります。「旨いの基準」は本家本元、本流の味を提供し続ける伝統店、人気店のメニューを考察し、多くの人に支持される味の秘密に迫るものです。
神保町「元祖カツカレー」はキッチン南海の初代料理長が考案
神保町のカツカレーの元祖は「キッチン南海」。11時15分のオープン前から店の前には列が出来はじめる。店の外まで漂ってくる匂いに入店前から「カレー欲」をかきたてられる。
神保町キッチン南海の創業は1960年。現在の神田神保町に移転して50年余り。夕方の1時間の休憩を除き、オープン前から客足が絶えることがない誰もが認める人気店だ。
一部では「ブラックカレー」と親しまれている南海のルウは深い黒味をおびた濃厚な焦げ茶色。こんもりと盛られたライスの皿に揚げたての大きなカツとみずみずしいキャベツが乗せられる。カツのパンチをもろともせずルウの存在感を主張する。
料理長の中條知章さんは言う。「オープン当初から通うお客様がいらっしゃいます。また、学生時代から通っていたという方が、『大盛は食べられなくなったなぁ~』なんて言いながらカレーをペロリと召し上がっていかれたり……。嬉しいですよ」
2皿目は「少年よ、大志を抱け」、そんな思いで店名をつけた「ボーイズカレー」。
1982年の創業でフランス料理出身のご主人、矢野直弓さんが始めたお店だ。店内はカウンターのみ。客はほとんどが男性だという。「店名がボーイズだから、女性は入りにくいのかな?」と矢野さんは笑う。
スプーンでも簡単に切れるやわらかいカツにサラリとしたルウがたっぷりかかる。まずはひと口。
第一印象は「あっさり」だったが、次第に独特なスパイスの香りが広がり、後味は結構辛い。しかし、この辛み、病みつきになりそうだ。
キッチン南海、ボーイズとは対照的なのが「仙臺」だ。店名の通り仙台出身のご主人、藤原さんが2015年にオープンさせた人気急上昇店。
3皿目は「仙臺」。どうして神保町にお店を出したんですか?
「だってカレー屋がたくさんあるじゃないですか。うちのカレーなら勝負できると思ったので神保町を選びました」
色だけでいうと仙臺のカレーはキッチン南海よりも黒いかもしれない。ひと口いただく。口に入れた瞬間は甘みを感じるが、じわじわとスパイシーな旨味が湧いてくる。
今回食べ比べている3店の中で一番ドロッとしたルウがカツにしっかり絡んで、肉の味を引き出してくる。ご飯とカツとルウのバランスがとてもいい。
そもそもなんで神保町はカレーの街なのか?
なぜ神保町にカレー屋が多いのかは諸説あるようだが、本の街でもある神保町という場所柄、本を片手に読みながら、もう1本の手でスプーンを握り食べるため、カレー屋がどんどん増えていったとうのが最も有力な説とされている。
【みんなで投票!】食べたいのはどっち? 「カレーライスVSカツカレー」
【今回紹介した「旨いの基準」店】
カレーの聖地から日本のゴルフの聖地・神戸へ!
有馬ロイヤルゴルフクラブのカツカレー。ルウの濃厚さ、カツのボリューム、負けていません
東京の神保町がカレーの聖地ならば、有馬ロイヤルゴルフクラブがある神戸市は日本のゴルフ発祥の地、つまりはゴルフの聖地。
その聖地のカツカレーが美味しくないわけがない。有馬ロイヤルのクラブハウスレストランでは、カツカレーと呼ばずに「カレーライスのトンカツ乗せ」とオーダーするのがお手前。そこにカレーへの愛情を感じる。
ご覧のとおり、濃い茶色のルウは濃厚スパイシー。「トンカツ乗せ」なので、衣はサクサク、お肉はジューシー。トンカツだけの味を楽しむもヨシ、濃厚ルウに絡めて食べるもヨシ。
周りのテーブルを見渡したら、お兄さまも、オジサマも「カレーライスのトンカツ乗せ」スプーンひとつで頬張っていました!
有馬ロイヤルゴルフクラブ
兵庫県神戸市北区淡河町北畑571
☎078-958-0121
営業形態/メンバーシップ
ロイヤルコース/18H/6794Y/P72 上田治設計
ノーブルコース/18H/6460Y/P72 R・V・ヘギー設計
開場/1972年
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