1922年開場。日本最古のパブリックコース「雲仙ゴルフ場」
国内4番目。初のパブリックコースとして開場。開場以前から外国人が馬に乗ってボールを打ちにやってきていたという記録も残っているそう
日本のゴルフ場史は1903年にアーサー・グルームが開場させた日本初のゴルフ場「神戸GC」にたどり着く。そのグルームが来日する際に頼りにしたのが、長崎を拠点にした在日イギリス人商社・グラバー商会だった。雲仙ゴルフ場の設立に尽力した倉場富三郎は、グラバー商会の設立者トーマス・グラバーの息子だ。
ちなみに、トーマス・グラバーは神戸GCの設立メンバー。長崎には「出島」という江戸時代から日本で唯一の貿易街があり、西洋料理が食べられたが、その中にはカレーもあった。グルームやグラバーがここで日本のカレーと出合っていても不思議ではない。
大正時代の外国人ゴルファーも虜になった「雲仙 特製ビーフカレー」
雲仙のコースに遅れること13年、外国人誘致の国策として、良質な温泉に恵まれた雲仙の地に洋風スタイルのホテルが建設された。 それが、雲仙観光ホテル。今風にいえば雲仙ゴルフリゾート&スパというわけだ。
開業時から、ゲストのために考案されたのが、今に受け継がれる「特製ビーフカレー」だ。長崎牛を贅沢に使い、煮込んだ肉をさらにローストして旨味を凝縮。スパイスを効かせた刺激的な味わいが伝統の味だという。
開業後、ホテルからカレーライスの料理を取り寄せて、芝の上で食べるスタイルが流行ったという。雲仙ゴルフ場建設の立役者、倉場富三郎はもちろん雲仙観光ホテルの役員に名を連ねた。グラバー商会は、日本のゴルフコースだけでなく、ゴルフ場カレーのルーツでもあったと想像するのは飛躍しすぎか。
手造りの高原コース「雲仙ゴルフ場」
敷地面積は38万㎡。自然の地形を十分に生かしたコースは、初心者からベタランまで気軽にプレーすることができる。敷地内には18ホールの本コースのほかに、9ホールのショートコースも併設。
クラブハウス、コースの随所に感じる歴史の面影。雲仙観光ホテルに泊まる日本のゴルフ史に触れる旅、一度訪れてみる価値があるだろう。