カレーといえばゴルフ場の定番メニュー。とくに歴史あるコースでは「ゴルフ場の品格はカレーを食べればわかる」と語る支配人もいるほど、こだわっている。今回のシリーズでは、60年以上の長きにわたり、受け継がれてきたカレーを厳選、一皿に込められたストーリーを紹介。第三回は神奈川県横浜市の「程ヶ谷カントリー倶楽部」です。
1923年開場、日本人向けの初の本格的18ホール「程ヶ谷カントリー倶楽部」
9ホールの「東京GC 駒沢コース」では手狭になり設立された程ヶ谷CC。創立メンバーには財界の重鎮たちが名を連ね、社交場的な役割も果たしてきた。
川崎造船所の成瀬正行、日本郵船の末延道成、浅野造船所の浅野良三ら、戦前隆盛を極めた海運業の関係者も多かった。
その縁からか戦後、日本郵船で腕を振るっていた中田シェフが料理長に着任。考案したのがチキンカレーだ。
代々受け継がれてきた変わらない深い味い
コースは1967年に現在の場所に移転されたが、カレーの味は、当時と変わらぬ材料と製法で作り続けられている。奇をてらうことがなく、深みがあってどこか懐かしい、王道と呼ぶにふさわしい味だ。
【こだわり①】2種類のカレー粉をオーブンで焼き上げる
【こだわり②】玉ねぎではなくにんじんを炒めるのが旨さの決め手
【こだわり③】ココナッツとチャツネで甘さを加える
【こだわり➃】仕上げの隠し味は醤油とみりんの割り下
【こだわり⑤】フォークで食べられる絶妙なとろみをつける
赤星四郎、赤星六郎、中村寅吉など日本を代表する多くのゴルファーを輩出し、ゴルフ振興に寄与した程ヶ谷。名手たちが愛したカレーライスの味は今も変わらず受け継げられている。
週刊GD2019年2月5日号より
「カレーを食べれば、コースの品格がわかる」第四回も随時配信予定です