これまでのタイのコースと言えば、R・T・ジョーンズやピート・ダイといった米国の設計家か、ジャック・ニクラス、ニック・ファルド、ゲーリー・プレーヤーといった往年のレジェンドが設計することが定石でした。
バンコクの街から1時間で到着、「ニカンティ ゴルフクラブ」。設計は「ピラポン・ナマトラ」氏
「ニカンティ ゴルフクラブ」は、自国タイの「ピラポン・ナマトラ」という新進気鋭のデザイナーによる設計。ナマトラは1990年代に、タイのゴルフ場建設ブームが起きた際に、前述の著名設計家のもとで多数のゴルフ場設計と建設に携わり、その際、現場で尽力したエンジニアや建築家たちと「ゴルフ・イースト社」を立ち上げました。
ナマトラは、ゴルフ・イースト社のデザイナーとして、ゴルフ場計画、設計、施工、運営といったゴルフコースのプロジェクト全般を推し進めて、これまでに手掛けたコースプロジェクトは15以上。「サイアムカントリークラブ ウォーターサイドコース」や「アルパインゴルフリゾート チェンライ」も同社が携わっています。そのなかで、新たに造ったのが「ニカンティ ゴルフクラブ」。
1~6番、7~12番、13~18番、6ホール単位の18ホール
特筆すべきは、ロングヒッターも、シニアプレーヤーも、ショートゲームプレーヤーも、「公平にプレーできるように」と、パー3、パー4、パー5を6ホールずつに振り分けた18ホールにしたこと。確かに、これまでにありそうで無かったホール配分を具現化したというわけです。
さらに、スタートホールは、1番、7番、13番からの3ウェイスタート。スコアカード自体も1~6番、7~12番、13番~18番と6ホールごとにスコア合計を出して、最後に合算する仕組みです。
スタートは1番、10番ではなく、1番、7番、13番の3ウェイスタート
肝心のコースレイアウト自体もモンスター級です。フェアウェイは全体を通してうねり続け、そこにマウンドや窪地が入り、平らなライから打てるエリアが非常に限られています。パー4、パー5でグリーンを狙うアプローチショットは、打ち上げが多く、距離感を合わせるタッチが必要です。
タイ特有の潜りやすく粘質の高いラフ芝が、フェアウェイとファーストカットをぐるりと囲み、フェアウェイに止まるのとラフに入るのでは、天と地ほどの違いが生じます。グリーン周りのカラーはボールがよく転がるようにスロープがつけられ、こぼれたボールがそのまま池やバンカーに入るケースが多く、アプローチやパットでも傾斜をよく見たうえで打たくなくてはなりません。
パー3は6つあるが、似たロケーションは皆無
「ゴルファー全員が公平に」という設計コンセプトですが、初心者にはかなり難しいコースです。反面、ゴルファーならば、誰もが挑戦したくなるチャレンジングなホールの連続です。18ホール、似かよったレイアウトがなく、7番、13番からのスタートでも、リズムを作りやすい流れがあるので、どのスタートからでも「公平」にプレーできます。
カートにはGPS機能が付いて、ホールロケーションや距離表示が出るので、カートでのプレーがおススメ。タイの若手設計家 P・ナマトラが心血を注いだ「ニカンティ ゴルフクラブ」、バンコクの旅ならば、チャレンジしたい新世代コースです。
プレーフィーに、プレー前後の食事代がインクルーシブされているというのも、新コンセプトのひとつです!
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