道内屈指の豪雪地域で良質な水の産地としても知られるニセコ町に、2021年10月、ジャパニーズウイスキーの製造を手掛ける蒸溜所「ニセコ蒸溜所」が誕生しました。ゴルフとも深いつながりがあるウイスキーの製造工程を学べ、試飲やショッピングなども楽しめる、今注目の施設です。

自然に恵まれた環境、モルトウイスキー造りに最適な立地

ニセコアンヌプリの山麓、木漏れ日が煌めく静かな森の中に佇む「ニセコ蒸溜所」は、約1万平方メートルの敷地に蒸溜施設と貯蔵施設を持つ、ニセコエリア唯一の蒸溜所として2021年10月にオープンしました。

冬になると2メートル以上の雪が降り積もるニセコは、豪雪地帯ならではの良質な水源に恵まれたエリアでもあります。アンヌプリ系の伏流水は軟水で口当たりがよく、また北海道の中でも気温が下がり過ぎないことから、ニセコ蒸溜所が目指す上品で繊細でバランスが取れたモルトウイスキーを造る環境として最適だと考え、自然溢れたこの地に蒸溜所を構えました。

画像: JRニセコ駅から路線バスやタクシーで約10分、ニセコアンヌプリの静かな森の中に位置するニセコ蒸溜所。

JRニセコ駅から路線バスやタクシーで約10分、ニセコアンヌプリの静かな森の中に位置するニセコ蒸溜所。

画像: モダンなデザインのエントランス。冬はゲストの9割が外国人。国際色豊かなのもニセコならでは。

モダンなデザインのエントランス。冬はゲストの9割が外国人。国際色豊かなのもニセコならでは。

「八海醸造」のグループ会社として設立

実は、ニセコ蒸溜所は新潟県に拠点を構える「八海醸造」のグループ会社として設立されました。「八海山」は日本酒以外にも、ビールや焼酎などいろいろな飲料を製造していますが、米焼酎の製造でオーク樽に酒を貯蔵したことがきっかけでウイスキー造りに興味を持ち、2016年に新潟でウイスキーの蒸溜免許を取得。ニセコで本格的に製造に取り組むことになったそうです。

ニセコ蒸溜所では、ニセコでウイスキーを造るきっかけとなった、米を主原料とするライスウイスキーを特別に試飲することもできます。

自然に溶け込むように立つ蒸溜所、木のぬくもりを感じる空間

自然と調和したシンプルで美しい外観が特徴の建屋は、中に入ると木のぬくもりを感じる洗練された空間が広がり、自然との一体感を得られる様々な工夫が施されています。
例えば、バーカウンターやショップの什器は地元後志産のカラ松を、大きなテーブルはヤチダモ、椅子にはセンノキを使用し、温かさと上品な和の空間を演出。加えて、壁一面の大きな窓の向こう側には森が広がり、建屋内にいながら森の中で過ごしているような感覚に。

というのも、蒸溜所があるニセコ町は、自然との共存をとても大切にしている町であり、その精神に共感したから。周囲の自然に溶け込むことを考慮し、建屋を設計したそうです。

画像: 大きな三角屋根が特徴の建屋。

大きな三角屋根が特徴の建屋。

明るく開放的な建屋。販売エリアでは、希少なお酒や工芸品を展示販売。

画像: テーブルと椅子は家具で有名な旭川で造られたもの。テーブルは「ヤチダモ」、椅子は「センノキ」を使っている。

テーブルと椅子は家具で有名な旭川で造られたもの。テーブルは「ヤチダモ」、椅子は「センノキ」を使っている。

画像: 木をふんだんに使い、和モダンな空間を演出するバーカウンダ―。蒸溜施設と貯蔵庫を含めて約2000本の木を使っている。

木をふんだんに使い、和モダンな空間を演出するバーカウンダ―。蒸溜施設と貯蔵庫を含めて約2000本の木を使っている。

見学ツアーでは蒸溜したての原酒の試飲も

製造エリアと販売エリアから成る建屋には、ウイスキー製造の要となる蒸留機「ポットスチル」が並び、製造工程は予約制の見学ツアーで見ることができます。

ウイスキーのポットスチルは、世界最高といわれるスコットランドの「フォーサイス社」のものを採用。粉砕した大麦に、アンヌプリの伏流水を使った5000リットルの仕込み水を加え糖化、その際に得られた麦汁を4日間かけて発酵させます。その後、2度の蒸溜を行い、建屋とは別棟の貯蔵庫で3年以上寝かせます。
ジャパニーズウイスキーは、国内で3年以上貯蔵するという定義があるため、販売は2024年以降になりますが、見学ツアーでは、蒸溜したての原酒(ニューメイク)を特別に試飲することができます。

画像: 1回目の蒸溜ではストレート型(写真右)、2回目の蒸溜ではネック部分に球状のふくらみがあるバルジ型(写真左)のポットスチルを使用。

1回目の蒸溜ではストレート型(写真右)、2回目の蒸溜ではネック部分に球状のふくらみがあるバルジ型(写真左)のポットスチルを使用。

イングランド産の大麦を使用、1トンの大麦から500リットルのウイスキーの原酒ができる。

貯蔵庫では現在340樽ほど保存されており、新樽のほかバーボン樽やワイン樽などのビンテージ樽も使用。

アルコール度数65度のウイスキーの原酒。水を数滴加えることで。より芳醇な味わいに。

「世界中の方に私たちのウイスキーを知っていただきたいです」(新保光花さん)。英語でのガイドも行っている。

13種類のボタニカルを使用した、クラフトジン「ohoro」

蒸溜所では、ウイスキーの熟成を待つ間に長期熟成を必要としないクラフトジンも製造し先行販売。その製造工程も見学ツアーで見ることができます。

アイヌ語で「続く」を意味する「ohoro(オホロ)」と名付けられたジンには、「多くの方に末永く愛され続けるように」という願いが込められているそう。
カモミールやコリアンダー、オレンジやグレープフルーツの皮、さらに指定農家で栽培されたニホンハッカなど13種類のボタニカルを使用したジンは、芯のあるしっかりした味わいと爽やかなシトラスの香りが特徴です。

画像: ジンの蒸留機はドイツの「アーノルド・ホルスタイン社」製。「ohoro」は単式蒸留機(写真右)で蒸溜されている。

ジンの蒸留機はドイツの「アーノルド・ホルスタイン社」製。「ohoro」は単式蒸留機(写真右)で蒸溜されている。

画像: 「オリスルート」や「アンジェリカルート」はかつては漢方として使われていた。

「オリスルート」や「アンジェリカルート」はかつては漢方として使われていた。

画像: 芯のある味わいでカクテルベースとしても適したスタンダートジン「ohoro」。

芯のある味わいでカクテルベースとしても適したスタンダートジン「ohoro」。

「日本の高いモノづくりの精神を発信していきたい」

販売エリアでは、世界から集めた希少なウイスキーや北海道・東北・北陸の7蔵の入手困難な日本酒の販売に加え、日本国内で造られた伝統工芸品の展示販売も。
工芸品には、ウイスキーと同じく「時間の経過とともにさらなる価値が生まれる」という共通のテーマがあり、ニセコに集まる世界中の方々に日本の高いモノづくりの精神を発信していきたいというコンセプトがあるそうです。

バーカウンターでは、「ohoro」を使ったカクテルや八海山の生ビール、ノンアルコール飲料も提供。新しいジャパニーズウイスキーの誕生に思いを馳せながら、大人の好奇心を満たすひとときを過ごしに、出掛けてみてはいかがでしょうか。

画像: 販売エリアでは、「金物の街」として世界的にも有名な燕三条の包丁など、伝統的な手法で職人たちが一つ一つ丁寧に仕上げた国内各地の工芸品が展示販売されている。

販売エリアでは、「金物の街」として世界的にも有名な燕三条の包丁など、伝統的な手法で職人たちが一つ一つ丁寧に仕上げた国内各地の工芸品が展示販売されている。

画像: バーカウンターでは、フランス人バーテンダー・YOANNさんが作ったジンベースのカクテルも楽しめる。

バーカウンターでは、フランス人バーテンダー・YOANNさんが作ったジンベースのカクテルも楽しめる。

撮影/三木崇徳

ニセコ蒸溜所
北海道虻田郡ニセコ町ニセコ 478-15
Tel 0136-55-7477
営業時間 10:00~17:00(無休)
https://niseko-distillery.com/ja/

<見学ツアー/要予約>
①10:00〜 ②11:30〜 ③15:00〜
約60分/蒸溜所、製造エリア、貯蔵庫の見学、試飲

ゴルフ旅のプロがお手伝いします【オーダーメイドの旅】

ゴルフツアーセンターでは、お客様のご要望の応じた「オーターメイドの旅」の手配も承ります。国内外を問わず、ゴルフ場・ホテル・レストラン・移動手段・観光など、旅に関わる様々なリクエストにお応えします。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

ゴルフツアー、個人旅行に関する事について、お気軽にお問い合わせ下さい。ご連絡方法は下のボタンから選んで(タップして)ください。

This article is a sponsored article by
''.