北海道・ニセコのゴルフ旅を紹介している連載「夏のゴルフ旅 in ニセコ」。最終回となる今回は、ニセコ町の隣に位置する真狩村のレストラン「マッカリーナ」をご紹介します。ニセコ駅から車で約15分、プレー後のディナーや、プレーをしない日にのんびりとランチを楽しみにぜひ訪れて欲しい、とっておきの名店です。

オーベルジュの先駆け、海外からも多くのゲストが訪れる

ニセコ町の隣、羊蹄山の南麓に広がる真狩村(まっかりむら)。人口約2000人の小さな村は、肥沃な大地と羊蹄山から湧き出る水に恵まれていることから、古くから農業が盛んで、ジャガイモや全国一の出荷量を誇るゆり根など、様々な農作物の産地でもあります。

その村に、世界に誇るレストラン「マッカリーナ」がオープンしたのは今から約25年前。当時はまだ珍しかった宿泊施設を備えた「オーベルジュ」として構え、2008年の「北海道洞爺湖サミット」では、各国のファーストレディーの昼食会会場にも選ばれました。現在では北海道を代表するオーベルジュとして、国内だけでなく海外からのゲストも魅了しています。

画像: 大きなガラス窓と扉を配したレストランのエントランス。

大きなガラス窓と扉を配したレストランのエントランス。

きっかけは「水汲み」、真狩村が後押ししたマッカリーナの誕生

北海道らしい真っすぐ伸びる道から小径を入り、深緑の森の中に見つけた「maccarina」の文字。思わず通り過ぎてしまいそうなほど、自然の中に溶け込むように佇むのが、フレンチレストラン・マッカリーナです。

実は、マッカリーナは札幌にあるフレンチの名店「モリエール」の系列店。旗艦店であるモリエールのオーナーシェフ・中道博氏が、真狩村に水を汲みに訪れていたことが、マッカリーナ誕生のきっかけでした。
「ご縁があって、真狩村に水を汲んだり、アスパラなどの野菜をわけてもらいに訪れていたところ、次第に村の人たちと親しくなり、中道シェフが『ここで何かできたらいいな』という夢を描き始めたんです」(マネージャー・橋本貴雄さん)。

描いていた夢が少しずつ村内に広がり、ときの村長の耳にまで届くことに。「当時は『村おこし』ということが盛んにいわれていた時代。当時の村長も地域活性化には積極的だったので、うまく話が噛み合い本格的に取り組むことになりました」(同)。

画像: メイン通りから小径に入った静かな森の中に立つ。レストランの隣には4室だけの宿泊棟も。

メイン通りから小径に入った静かな森の中に立つ。レストランの隣には4室だけの宿泊棟も。

画像: 「なるべくシンプルに、そして自然を邪魔しない」のがコンセプト。

「なるべくシンプルに、そして自然を邪魔しない」のがコンセプト。

画像: 屋根も看板もモスグリーン。周囲の自然に溶け込む深緑を基調としている。

屋根も看板もモスグリーン。周囲の自然に溶け込む深緑を基調としている。

著名なクリエーターたちも想いに共感

当初は村主導で動き出したプロジェクトでしたが、中道シェフを通じて縁が繋がり、田中一光氏(グラフィックデザイナー)や内藤廣氏(建築家)といった日本を代表するクリエーターもプロジェクトに参加。
真狩村の野菜を中心にした季節の食材を使い、素材そのものの味を引き出した料理を食べていただきたいという夢が形になり、「オーベルジュ」としてオープンしました。

画像: エントランスから室内へ。 暖炉のあるウェイティングスペースは、温かな光を放つ照明に包まれた落ち着きのある空間。

エントランスから室内へ。 暖炉のあるウェイティングスペースは、温かな光を放つ照明に包まれた落ち着きのある空間。

画像: レストランはまさに森の中。「周りの木を伐採したほうが山が見えるのでは」という意見もあるそうだが、「食事の前にたっぷり山を見て、ここに来たら食事と会話を楽しんでもらいたい」(橋本マネージャー)。客席からは厨房は見える設計になっている。

レストランはまさに森の中。「周りの木を伐採したほうが山が見えるのでは」という意見もあるそうだが、「食事の前にたっぷり山を見て、ここに来たら食事と会話を楽しんでもらいたい」(橋本マネージャー)。客席からは厨房は見える設計になっている。

画像: ゲストが調理の様子を見て楽しむことができるだけでなく、「スタッフたちが外の景色を見て仕事が出来たら気持ちいいだろう」という考えがあったとか。

ゲストが調理の様子を見て楽しむことができるだけでなく、「スタッフたちが外の景色を見て仕事が出来たら気持ちいいだろう」という考えがあったとか。

爽やかな風に包まれた「風のレストラン」

コンセプトは「風のレストラン」。羊蹄山から吹き下ろす心地よい風に包まれて、料理を味わい会話を楽しむ。そして、その風に乗って真狩村から食文化を発信していく。そんなイメージの中で、創業以来変わらず「地物の野菜をストレートに味わえる料理」を提供し続けています。

例えば、彩り豊かな野菜を使った前菜は、20種類もの野菜を使った逸品。都会にあるような奇をてらった料理ではなく、素材の力を信じ、その力を最大限引き出すように調理、改めて「野菜って美味しい」と感じさせてくれます。

画像: 20種類の野菜を使った前菜はまるで芸術作品のような美しさ。

20種類の野菜を使った前菜はまるで芸術作品のような美しさ。

画像: 北海道産やフランス産を中心に取り揃えたワインで、野菜料理とのマリアージュを楽しみたい。

北海道産やフランス産を中心に取り揃えたワインで、野菜料理とのマリアージュを楽しみたい。

シェフ自ら野菜を栽培、「身近で採れたものをなるべく使いたい」

使う野菜は、可能な限り真狩産、理由は「目の前にあるから」ととてもシンプル。それ以外で足りないものは自家農園で育てているそう。実際、前菜で使ったスナックエンドウ、インゲン、ラディッシュなどは自家農園で栽培したもので、創業以来シェフを務める菅谷伸一さん自ら約500坪ある農園で野菜を育て、料理に加えています。

「出したい料理をイメージして『もうちょっと大きくしてから出そうかな』などと考えながら収穫しています。お店で買った野菜がダメというわけではないけれど、身近で採れたものをなるべく使いたい」(菅谷シェフ)。

「畑仕事はほとんど僕一人でやっている。自分で育てたものを出しているから、愛情も違うね」(菅谷シェフ)。シェフは以前、趣味でゴルフを楽しんでいたそう。

野菜が一番美味しくなる最高の瞬間を待ち、提供する

この日のディナーのメインは「牛肉のソテー」。標茶産の黒牛を使ったソテーに、自家農園で採れた万願寺とうがらしやカブを添え、中庭に咲いているタイムの花を彩りに。
「ピューレに使っているじゃがいもは、越冬したもの。新じゃがは使いません。越冬させるとびっくりするくらい甘味がでるんですよ」(菅谷シェフ)。かぼちゃは、収穫してすぐは甘さが足りないからひと月程度寝かせて使う。付け合わせの大根は、はちみつを少し塗ると柔らかさが出てくるそう。

素材の質の良さや熟成のタイミングを見極め、野菜が一番美味しくなる最高の瞬間を待ち、提供する。すべては、少しでも美味しいものを作りたい、美味しいものを食べていただきたい、というこのレストランの原点に由来するもので、その一見素朴でも奥が深い特別な食体験ができることが、多くのゲストを惹きつける理由でもあります。

画像: 牛肉のソテーにも、自家農園の野菜がたっぷり。

牛肉のソテーにも、自家農園の野菜がたっぷり。

メインの付け合わせは。自家農園で収穫した大根をバーミキュラ鍋で蒸し焼きしソテーをしたもの。

「人間は何を食べて生きてきたかを考えると、自然の中にいるのがいいと思う」

道東・釧路出身の菅谷シェフは、札幌や東京のレストランでの経験を経て、フランスで3年ほど修業。ガストロノミー(美食)の村として世界的にも有名なフランス・ムージャンにある3つ星レストラン「ル・ムーラン・ドゥ・ムージャン」では、多くの日本人が修業中で下働きをしている中、入ってすぐにストーブ前を任されたことも。

「そのときは、びっくりしちゃって。何もわからないから、聞きながらやってきた。マッカリーナの立ち上げのときも、最初はどうかなと半信半疑でやってきたけど、結局は馴染んだ。ここには山菜があり、キノコがある。人間は何を食べて生きてきたかを考えると、自然の中にいるのがいいと思う。ここは、不便だけどね、でも食事の時だけでも、自然の中が心地いいなという気持ちになればいいかなと思うんです」(菅谷シェフ)。

画像: 菅谷シェフ(左)と橋本マネージャー(右)をはじめ、スタッフたちの笑顔が印象的。幸せに包まれた心地よい空間が広がっている。

菅谷シェフ(左)と橋本マネージャー(右)をはじめ、スタッフたちの笑顔が印象的。幸せに包まれた心地よい空間が広がっている。

ゴルフをしてもしなくても、わざわざ足を運ぶ価値のある名店。真狩村の自然の恵みをたっぷり体で感じながら、幸せに満ちたひとときを堪能していただきたい。

撮影/三木崇徳

レストラン マッカリーナ<maccarina>
北海道虻田郡真狩村字緑岡172-3
Tel 0136-48-2100
アクセス JRニセコ駅よりタクシーで約20分 / JR倶知安駅よりタクシーで約30分
営業時間 ランチ 11:30〜14:00(LO)/ ディナー 17:30〜19:30(LO)
定休日 水曜日
https://maccarina.co.jp/

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