【指導】香妻陣一朗プロ
1994年生まれ。鹿児島出身。横峯さくらが育った「めだかクラブ」で姉の琴乃とゴルフを学ぶ。福島OPで大会記録の60をマーク。狙うは初優勝!
右手の脱力が飛ばしの秘訣
香妻 フルショットをするうえで、ボクがいちばん気をつけていることは、右手のグリップを強く握らないことです。右手のグリッププレッシャーが強くなると、手首がロックされてクラブヘッドを加速させられないし、遠心力も使えなくなってしまうからです。
─── 右手首に力を入れることが、ヘッドが走らない原因というわけですね。
香妻 左手のグリップはしっかり握りますが、右手はできるだけゆるめておきます。そのほうがダウンでタメができるし、ヘッドも走ってくれます。
ポイント①「右手のグリップは握りません。添える程度のゆるゆるです」
香妻 右手のグリップをギュッと強く握ってしまうと、スウィングにブレーキがかかってしまい、ヘッドを効率よく加速できません。握る感覚ではなく、力をゆるめて軽く添えるだけ。このほうが右手がスウィングの邪魔をしないので、ヘッドが走ります。
─── 邪魔をしないというのは?
香妻 切り返しがスムーズになります。ダウンスウィングの「タメ」も自然に生まれます。右手に力が入ると、右肩が突っ込んだりして、タメも生まれず、ヘッド軌道も狂います。
ポイント②「右手首を脱力すると、切り返しのタメが深くなります」
香妻 右手のグリッププレッシャーをゆるめることで、切り返しからダウンでクラブのタメがより深くなるんです。
ポイント③「左腕1本で振るイメージです」
─── 左手でクラブを持っているイメージが大切なんですね。
香妻 左手のグリップはしっか1り握って、右手はソフトにするので、左手1本だけで振っているような感覚になるはずです。右手の力が抜ければ、クラブが動きたい方向に走ってくれます。それが遠心力を活かすコツだと思います。
2年前からコーチを務める森守洋プロに、香妻プロのスウィングについて聞いた
森 香妻プロは腕の振りが抜群に上手いんです。手元の動きに対して、ヘッドが動く距離がとても長い。インパクト後に、手元が30〜40センチ動く間に、ヘッドは頭の後ろまで動いている。
─── 手の動きに対してヘッドの動く量が大きいということは、それだけヘッドが走っているということですね。
森 これはリッキー・ファウラーや、ダスティン・ジョンソンも同じ。だから、小柄な体でも遠くへ飛ばせるのです。
PHOTO/Yasuo Masuda、TEXT/Toshiyuki Funayama
週刊GD2018年8月21・28日号より