左が池というホール。右の広いほうに逃げるのが、当たり前のゴルフになっていませんか? 2人いわく、「逃げてばかりは下手のもと」だそうです。もう一花を狙うなら、「やってみることが大事」なようです。今週の通勤GDは「もう一花のゴルフ」Vol.11。
画像: 【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.11 逃げないゴルファーはいい音がする。ゴルフダイジェストWEB

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

前回のお話

技術を覚えれば
無謀ではなくなる

奥田 今のセカンド(2打目)、左足下がりで、左が池やのに、やっぱりエビさん、左の狭いほうに打っていきましたね。

海老原 右の広いほうに打って、それで面白いと思う人もいるかもしれませんけど、僕はね、怖いからって、やさしいほうに打っていったら、ゴルフの技術って、だんだんと錆びていっちゃうと思うんです。

奥田 逃げまくるゴルフやったら、プレーせんほうがエエ(笑)。

海老原 挑戦するから、いろいろな技術を覚えられるでしょ。僕は、ゴルフをなるべく長くやりたいから、攻められるときは攻めるようにしているんです。

奥田 「左が嫌や」と思って、右に打とうとすると、ヘッドが外に出て、体もまわらんですしね。左でもエエと思うから、思い切り左へ振り抜けるんです。

海老原 怖いと思うと、どうしても手で合わせにいくでしょう。そうすると、体で振っていけなくなります。やっぱり怖がっちゃダメ。「怖がるイコール下手になる」と僕は思うんです。それじゃあ進歩はありません。せっかくのゴルフなんですから、挑戦しなくちゃソンです。

奥田 ホンマですな。そりゃ、どうしても池に入りそうで、背に腹は代えられなくて、ここは右でもエエというのも、わからんではないですけど、ピンに向かって打っていく気持ちがないと、ちゃんとしたスウィングはできません。アマチュアの人でも、エビさんみたいに左に向いて、左に振り抜ければ、だいぶ上手くなれますけど、9割の人は、狭いほうを見るのも嫌なんじゃないですか(笑)。

画像: 左が池。ピンも左。逃げずに『左』へ振り抜けますか?

左が池。ピンも左。逃げずに『左』へ振り抜けますか?

ゴルフは逃げない
ことが大事

(奥田のアプローチが4㍍ほどオーバーしたのを見て)

海老原 今のは、穴(ディボット跡)に入ってたんでしょ。

奥田 エビさんには見抜かれてしまいますな。

海老原 斜め横から見てたので、よくわからなかったけど、あのライで、相当フェースを開いているから、あれでボールのところにヘッドが入っていくのかなって思って見てたんです。

奥田 カーンと打って低くいかせて、チュチュッと止めようと思ったんです。開きすぎでした。もうちょっとフェースを閉じたほうがよかったかもしれんですね。まあ、ゴルフには失敗はつきもの。それを嫌がっていては、技術はワンパターンになってしまいますから。

海老原 そうそう。逃げずにどうするかが大事だからね。

奥田 そやけど、糸巻き(ボール)やったらクックッと止まったかもしれませんね。

海老原 昔は、バンカーから打ってもバックスピンで戻ったけど、今のボールじゃ、あれはできません。

奥田 どんな性能のボールを選ぶかは、プレースタイルとか好みですけど、確かに昔のボールのほうがスピンという点では優れていました。

海老原 さっきのアプローチは、打つところを見れなかったけど、すごく強く打ったというのは、音を聞いてわかりました。こりゃ強く打ったなあと。

奥田 芝をバサッと取りましたからね。しかし、エビさんは、一緒にまわっている人のプレーをよう見てます。どんなライから打つのかまで見てはりますから。だから、エビさんに「ナイス」と言われると嬉しくなる。プロでも、そこまで見ている人は少ないです。エビさんの「ナイス」は重みが違う(笑)。

音でショットの
良し悪しがわかる

海老原 さっきは打つところは見逃しましたけど、音でね。

画像: 「フェースがボールに当たる音。バウンスが地面を叩く音。逃げない音は、向上心の音なんです」(海老原・奥田)

「フェースがボールに当たる音。バウンスが地面を叩く音。逃げない音は、向上心の音なんです」(海老原・奥田)

奥田 いやいや、プレーを見ていなくても、音だけでわかるというのもすごい。

海老原 でも、昔のプロのほうが、アプローチを強く打って、音が出ていたよね。(当時の)ボールは強く打つほど止まるから。今のプロのアプローチは弱くなっています。ジャンボも、青木さんも、あの人たちは、ドライバーは軽く打って飛ばすのに、アプローチはめちゃくちゃ強く打つんだ、と思ったことがありました。軽く打って飛ばして、思い切って強く打って飛ばさないんだって。オクちゃんは、そう思ったことない?

奥田 なるほどね。振らずに飛ばして、振って飛ばさないということですな。

海老原 そうそう。そういうのがジャンボと青木さんにはありました。僕は、それが技術というものだろうなと思っています。「アプローチで音が出るほど強く打つ」、これも逃げてないからなせる技です。

奥田 ジャンボさんにしても、青木さんにしても、一緒にまわっていて、足が止まることがありましたね。自分がボールをポンと打って、歩き出すときに、アプローチのカポーンというすごい音を聞いて「えっ!」と思って足が止まるんです。

海老原 やっぱりオクちゃんも音を聞いてるんだ。

奥田 音を聞けば、だいたいピンに寄ったか寄らないかわかりますよ。でも、足を止めさせるほど、強く打つのはホントごっつかったです。

【花咲く一言】
同伴者の球を見る
音を聞く

画/伊藤方也

TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

特許申請中の新技術で「ピッチ&ラン」が驚くほどやさしく
しかもスピンが超かかる

画像: golfdigest-play.jp
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