ゴルフでもうひと花咲かすため、海老原清治プロと奥田靖己プロは、日々観察している。今回の質問はシニア層からの「肩がまわらない」というもの。日ごろから「“振る”ことがいちばん!」という2人は、どう答えるでしょうか。「まわせない」理由は、年齢ではなく、心とやり方の問題のようです。。今週の通勤GDは「もう一花のゴルフ」Vol.16

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

前回のお話し

肩じゃない
背中です

奥田 エビさん、また質問が来ているそうですよ。

海老原 熱心な読者の方がいらっしゃるのは嬉しいね。

奥田 今度の質問は「肩をまわしたくても年齢とともにどうしてもまわりません」か。どれぐらいの年齢の人なんやろ。で、「よって振れないんです。これをカバーして振れる方法ってありますか?」だそうです。これはエビさんにぴったりな質問やね。

海老原 肩をまわすんじゃなくて、僕は背中をまわしているんです。背筋をね。

奥田 体の前やのうて、裏側を意識するんですね。

海老原 テークバックでは、右の背中を動かしてやるんです。これは、まわすじゃなくて動かすのね。

奥田 テークバックしているところを見ても、その人が左肩を意識しているのか、右肩を意識しているのか、わかりません。

海老原 そうそう、意識はわからない。

奥田 皆さんは、左肩をあごの下に入れようとか考えてはるようですけど、エビさんは、右の裏側を動かすと。

海老原 そう。裏を動かすの。左の肩をあごの下に入れるなんて無理です。背中を動かしたほうがずっとやさしい。テークバックでは右の背中を動かして、バックスウィングでは左の背中を動かしてやるんです。

奥田 背中を動かしてやれば肩はついてくるもんやからね。

海老原 まずは、背中の筋肉を動かす練習から始めたらいいんじゃないかな。椅子に座って話をしているときも、背中を意識して動かしてやるんです。そういうことを続けていると、背中はどんどん動くようになりますよ。背中に神経を集中して動かすんです。

奥田 これ、エエ運動ですね。絶対にエエです!

海老原 肩を意識すると体って硬くなるけど、背中を動かすと力が抜けて、どんどん動くようになるんです。

奥田 確かに、背中を意識すると肩は硬くなりません。これは不思議です。

海老原 僕はね、バックスウィングを大きくしようとするときは、背中をバッとまわすようにしているんです。

画像: 背中を回すように上げているよ

背中を回すように上げているよ

奥田 前に、エビさんは、竹ぼうきで飛ばす練習してはったと言っとりましたけど、あれもやっぱり背中ですか?

海老原 そうそう、背中をギューとまわしていくの。竹ぼうきはなるべく安物がいいんですよ。高い竹ぼうきは重すぎるから。

奥田 ハハハ。

海老原 肩をまわすのは背中で、背中イコール背筋なんです。今はゴルフショップで素振り用のバットを売ってますけど、あれを使うときも背筋を意識しないとダメです。あとは、ボールに執着しないこと。素振りの場合はね。ボールのあるところに下ろそうと思うとバックスウィングが取りづらくなっちゃいますから。顔も一緒に動かすぐらいの感じで素振りはやったほうがいい。そうすれば、どんどんまわれるようになります。

画像: 肩じゃない 背中です

奥田 そりゃ当然ですね。

海老原 まわすことが先決なんだから、ボールは見なくていいです。すごい集中力でボールを見ちゃったら体ってまわらない。ボールなんか適当でいいんです。

奥田 真っすぐに芯に当てたいと思うと、体は止まります。だから、最初に言っていたように、「振るか辞めるか」なんです。当てたいと思った瞬間にゴルフは終わりです。ボールはボーッと見てたらエエんです。

海老原 車の運転と同じだよね。道路ばっかりじっと見てたら大変でしょ。

奥田 怖いです。

海老原 適当に見ているなかで、危険を察知して、ゆっくり走ったり、スピードを出したり、止まったりするでしょ。ボールの見方も同じなんです。

奥田 “集中する”というのは、全部が見えていることで、一点だけを凝視しているのは〝隙がある〟ということなんです。『心眼』という言葉がありますけど、それは“隙がない”ということですからね。

海老原 なるほどね。ゴルフのボールもギューと見ちゃうと体が硬くなってバックスウィングなんか上がりません。僕が女房に教えるとき、構えているところから、「こっちに上げるんだよ」とクラブを手で動かそうとすると、すごい力が入っていて動かないんです。ウチの女房なんか力がないのに、僕なんかよりずっとすごい力でクラブを持っているのね。クラブの重さはたった300㌘なのに。

奥田 あります、あります。たとえば「フェース面はもう少し開いてください」とボクが動かそうとしても動けへんアマチュアの人が多い。「もっと力を抜いてください」と言うと、「こんなに抜いていいんですか?」とびっくりしてます。

海老原 上手く打ちたいとか、飛ばしたいとか、そういう責任感を感じちゃうとダメなんです。そういうのがあると力が抜けなくて、肩もまわらなくなっちゃう。そんなもの適当でいいやと。

奥田 そのとおりです。そこのタガを外すのがいちばんですおしゃべり中も、背中に神経を!

【花咲く一言】
おしゃべり中も、背中に神経を!

画/伊藤方也
TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

特許申請中の新技術で「ピッチ&ラン」が驚くほどやさしく
しかもスピンが超かかる

画像: golfdigest-play.jp
golfdigest-play.jp

週刊ゴルフダイジェスト最新号をキンドルで!

画像: www.amazon.co.jp
www.amazon.co.jp

This article is a sponsored article by
''.